第40話 王族の内情
第一王子のグレッドは、第二王子であるガラッドを部屋に呼び出した。
「兄さん〜どうたんの〜」
「なんだ、そのだらしない格好はガラッド!!第二王子としての自覚を持て!!」
よれよれの服を着て、髪はボサボサと到底第二王子としての風貌ではない。もし、街中で出歩いたとしても王族とは思われないだろう。
第一王子グレッドは、王族として一般市民では着れないであろう服を着ている。
「兄さんがどうせ、王様になるんでしょ〜弟の僕が何をしたっていいじゃないか〜」
「あ?そんな、アイドルにかまけているから民の信頼もないんだろ。我々には、魔王を打ち倒すことが目的なのだ。そんな、アイドルになんかかまけるな」
「だけど、勇者が広めたやつじゃん」
「それがどうした。召喚した勇者だ。しっかり、働いてもらう。お前も手伝え。だから、お前を呼んだ。まあ、座れ」
二人は、椅子に座った。
「ガレッド。どうすれば、勇者が魔王を倒すと思う」
「兄さん。まだ、魔王を倒すとか言ってるのか?」
「当たり前だろ。人類の目標だ。」
「最近は、魔族などからの侵攻も少なくなっている。今は、お父さんが魔王との対話をして友好関係を気づこうとしているじゃないか」
「父さんは、考えが雑魚なんだよ。魔族・魔王を倒すときに武器やポーションが必要だろ?我々の国は武器やポーションを大量に生産できる大国。それに、ここは魔王侵攻の砦になっている。魔王を倒すイベントは俺の国にお金が大量に入るんだよ。それに、他国から金が取れるんだよ。金が。魔王を倒したらさらに他国からさらに金をぶんどれる」
第一王子グレッドは、悪い顔をして言った。
「兄さん....」
「全く、何故この国が大国になれたのかお父さんは分かっていない。魔王と友好関係!?おかしいだろ。だから、勇者と魔王をぶつけ戦わせる。もし負けたとしても、もう一度、召喚すればいいんだよ」
国ではなく、自分の利益を優先している。第一王子グレッドは、自分が王様になったときにお金が減るのが嫌だ。お金を散財したい。最近は、女遊びなど私利私欲の為に使いお金が少なくなっている。
最近では、部下を使わせて国庫にあるお金にまで手を出している。
「俺は、その話は反対だ。兄さんがやろうとしていることは、一種の国家反逆罪だろ?」
「そうか、残念だよ。俺の右腕として活動してもらおうと思ったのにな」
意外にもあっさりと、グレッドは引いた。
******
「あ、勇者釈放か」
僕は、スマホを見て人間界の情報を見ていると勇者が1日勾留されたのちに釈放された。流石に、何もされていないのに逮捕とかは可哀想だな〜っと少し思っていたのでよかったと思う。
それに、変態とかそんな不名誉なあだ名がついている勇者と魔王が戦って勝ったとしても誇ることができないからな。
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