第33話 振り付け
魔王城にいるアルベットの部屋に向かった。2回ノックし『はーい』と返事をしたので、僕は扉を開けるとアルベットが着替えの途中だった。
「ご、ごめん」
僕は、咄嗟に謝って扉を閉めた。と言うか、返事をしたのに着替え中って、アルベットが悪いよなとか思っていると扉が開いた。
「別に良いよ〜エルクちゃんに見られても何にも思わないし」
それは、それで傷つくような....複雑な気持ち。
「で、どうしたの?」
「あの〜僕もアイドル活動で人間界でする事になったんだけど、振り付けとか伝授とかしてくれない?」
「あ〜無理だよ〜私は振り付け考えてもらって私はそれを覚える。そんな感じだから....力になれない」
そうか....アイドルは自分で振り付けとか考えているのかと思っていた。だけど、どうするか....当てがあるとかターニャさんに言ってしまった手前....出来ないとか無理だったとか言えない。
「そう....なのか....」
僕は、振り付けをどうするかもう、当てがない。
「アイドルの振り付け俺が考えてやろうか?」
偶然聞こえたのか、バッファルが話しかけてきた。
「え?出来るのか?」
「ああ、出来る。俺は、伊達にアイドルに貢いでいないからな。俺は、お前らがアイドル活動をすると聞いた時から俺の脳内メモリにどんな振り付けにするか、して欲しいか刻まれているからな」
なんだろう...なんかキモイ。
「キモイね」
「おいおい」
アルベットが僕が思っている事を言ってくれた。
「よっし、活動まで1ヶ月も無い。早速、振り付けを俺が伝授してやる」
何故か、やる気を出している。まあ、振り付けを考えて伝授してくれる人は居ない。
なら、やる気でいるバッファルに頼るしか無い。
「よ、よろしくお願いします....」
「よっし!!」
と、バッファルが引き受けてくれた。
「バッファル。貴方が変な事をしない?」
「無い無い」
バッファルは否定をした。
「元男って知っている人は僕に変な事をする人なんて居ないだろ」
「そんな事無いよ。小さくてロングヘアーで可愛いんだよ!?」
何故か、僕が否定したらアルベットが逆に否定してきた。
僕は、驚き唖然した。
「だから、私もレッスンする所を見に行くよ」
「いや、別に見に行かなくても....」
「バッファルが、変な事しないか」
「まあ、別に見にきてもいいぞ。俺も、本職の人に見て貰えると色々と気づいてくれる修正点が分かるかも知れないからな」
「まあ、そうね」
意気投合した二人。まあ、とりあえず振り付けはなんとかなったので、ターニャさんに振り付けなんとかなったとメッセージを送った。すると、すぐに返事が返ってきて『良くやったわね。早速、明日から練習するわよ』と返ってきた。
「それにしても、人間界の学校制服可愛いわね」
「学校帰りの新人アイドルとか初めて見た」
と、2人に改めてジーッと見られ、観察されている気分になった。
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