第28話 記憶 1
アイドル衣装がどのような感じなのか、ゼーフとターニャさんとで話し合い決まった。
僕の案を出したのだが、全部却下されてしまい疎外感を感じていた。
「良かったわよ」
「私も楽しかった」
ゼーフとターニャさんは、どこか気が合ったのだろう。ターニャさんが帰る際に、手を握っていた。
「ふう〜」
「お兄ちゃんが、とうとうアイドルとして本格に活動するのか〜私も人混み苦手だけど応援しに行くね」
「来なくていいよ。恥ずかしい....」
どっと疲れた。僕は魔王城に帰るのは面倒くさい。人間界の食材は美味しいので、お肉と野菜を買って野菜炒めにした。人間界にある2階の自分の部屋にあるベットに入って早めに眠ることにした。
「ふぁあ〜」
ベットが変わると寝つきにくいのか、疲れて眠ったのにまだ眠たい。フォコ様の尻尾に包まれて眠っている時が一番気持ちいし、疲れが取れている気がする。
そんな事を思い、頭が働いていない状態でボーっとしながら一階に降りようとした。一階からいい匂いがする。ゼーフが何か作っているのだろう。
僕は、下に降りようと階段を降りていた。
「うぉ!?」
つい、油断をして最後の段を踏み間違え、身体が後ろに倒れた。
『ゴン』
と鈍い音が、家中に広がった。
********
「いった〜あれ、僕は...」
「お兄ちゃん大丈夫?」
「お兄ちゃん...?」
「寝ぼけてるんでしょ?洗面所で顔を洗ってきたら」
僕は、ロングヘアーで前髪で目が隠れているお姉ちゃんに言われるがまま僕は洗面所に向かった。
「と、届かない...」
僕は、台を貰いに前髪で目が隠れたお姉ちゃんに行った。
「ねえ、お姉ちゃん...洗面所届かない」
「わかった〜」
そう言って、踏み台を持ってきてくれた。その踏み台を僕が洗面台に手が届くようになった。
鏡で自分の顔を見ると、女の子だった。なんで、お姉ちゃんは僕をお兄ちゃん呼びするんだろ?
そんな事を思いながら、僕は水で顔を洗った。
「お兄ちゃん目覚めた?」
「なんで、僕のことお兄ちゃんって呼ぶの?」
「え?どうしたのお兄ちゃん!?」
お姉ちゃんは、僕に近づいてきた。僕の身体をベタベタと触ってくる。
「たんこぶ...そう言えば、鈍い音が階段の方からしたけど...お兄ちゃん記憶喪失!?」
「ふゆ?」
(ま、まって、お兄ちゃんが記憶喪失になったんだけど!?そのせいで、自分は可愛い幼女になってるて事じゃない?だとすれば、お兄ちゃんが嫌がっていた事が色々出来るって事じゃ無い??ま、まあ、当然お兄ちゃんが頭打って記憶装置になって心配では無いことは無いよ。一応、心配だからね。魔王城で医療に精通した人に見てもらうとして....よっし)
お姉ちゃんは、僕に背を向けて何かブツブツと何かを言っていると思うと、急に立ち上がった。
「おに、エルクちゃん〜お姉ちゃんと行こっか〜」
「エルクって、僕の名前?」
「そうだよ〜」
「どこに連れて行くの?」
「お医者さんのところ〜お菓子あげるから着いてきてね〜」
「うん」
お姉ちゃんが、お菓子をあげるから着いて行く事にした。
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