第25話 遊園地
カフェを出た後、食べ過ぎてしまったので、人間界の街中を歩くことにした。
「ぬう!?」
1枚の紙が風に乗って漂っているのが見えた。僕はその紙を目で追っていると、ふと顔にペタリとくっついた。
ビックリしてワタワタしていると、フォコ様が僕の顔に付いた顔を取ってくれた。
「大丈夫?」
「あ、はい。ありがとうございます」
ターニャさんは、何故か僕とフォコ様の顔を覗き不思議そうに見てくる。
「ねえ?私が言うのもアレだけど、本当に親子なの?」
「お、親子だよ。何言ってるの」
「怪しい。だって、親と話している時も敬語だし。よそよそしいわよ」
だって、親子ではあるがそれは資料上。それも事務所に入る時に必要だったか最近。それに、魔王様の奥様なので敬語で接してしまう。そこをターニャさんは、怪しく思っているのだろう。
鋭い。
(エルクちゃん。もっと、ママに甘えたりしないから怪しまれているじゃん~)
(そ、それは。しかし、フォコ様に敬語を使わないのは難しいです)
(だけど、疑われてるんだよ?じゃあ、命令ね)
(は、はい...)
「ほら、コソコソ話をして」
「これは、別に」
「じゃあ、ここに行きこ~う」
フォコ様は、僕の顔に付いた紙を見せてきた。紙には、『親子限定。遊園地入園料50パーセントオフ』と言う内容だった。
「いいわね」
という事で、遊園地に向かうことになった。遊園地は、ジェットコースターや超回転するカップなどがある。
全て魔力で動いている。遊園地で遊んでいる人達に気づかない程の微量な魔力を地面が吸収。それを、アトラクションのエネルギーにしているようだ。
これだったら、入園料などで維持費はそれほどかかっていないから、利益はかなりありそうだ。
「ここって、私のパパが経営しているところだから、顔パスよ」
「だ~め。今日はターニャちゃん今だけ私の子供」
「う、うん...」
遊園地の入園料大人銀貨1枚。子供銅貨5枚。半額なので大人は銅貨5枚。子供は銅貨2枚。合計で銅貨9枚とかなり安く入る事ができる。
入ったら、全て無料でアトラクションに乗ることが出来る。
「じゃあ、アレ乗るわよ」
「はい」
フォコ様は、激しいアトラクションを乗ることが出来ない。帽子が飛んでいって、耳が露になってしまう。だから、僕とターニャさんとジェットコースターに向かった。
並んでジェットコースターに乗った。最初は高い所から落ちるだけ、怖く無い。と思ったが、勢い落ち回ったりとする。
昔、僕が空中浮遊魔法を試している時に誤って落ちた時ぐらい怖かった。
「はぁ、はぁ、はぁ....意外に怖かったですね...」
「私は、落ちるスリルがあって面白かったわよ。次は、アレね」
子供に戻ったように僕ははしゃいだ。
帽子が飛ばないフォコ様も乗れるような、ゆったりとした乗り物を一緒に乗ったりと楽しんだ。
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流石に疲れ遊園地の休憩する場所の椅子に座った。エルクは、遊び疲れ椅子で眠っている。
「もう、こんな時間ね。私も流石に帰ろうかしら。エルクも寝ちゃったし」
「そうだね〜それより、ターニャちゃん実はこっそり抜け出したよね」
「き、気づいてたの」
「まあね〜」
フォコは、自慢そうにしている。
「貴方も、中々よね。私を狙っている人をこっそりと倒していたでしょ」
「気づいてたの?まあ〜私は強いからね〜」
と話していると、遊園地に居るには相応しくない黒服の人が近づいてきた。
「ターニャ様。お戻りください」
「やっぱり、バレちゃったのね。だけど、意外に遅かったわね」
「はい。お父様の会社スッタフからの情報です。それと、お嬢様が楽しそうに遊んでおられたので、しばらく様子を見守っておりました」
「そう。じゃあ、エルクママ。楽しかったわ。それと、エルクのママって信じてあげてもいいわ」
そういって、ターニャは執事のセバスチャンと一緒に帰って行った。
「エルクちゃん帰るよ?」
「にゅあにぇ~」
遊び疲れ、フォコの呼びかけにかろうじて反応しているだけ。仕方ないので、フォコはエルクを抱っこして魔王城に帰って行った。
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よろしくお願いしまぁあああああす!!




