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【書き出しコンテスト受賞作/未書籍化】色彩能力者の錬金術師  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
第2章 クラスリーダー総選挙

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第85話 樹海探検

 というわけで、俺達ジャッククラスは樹海の前に来た。


「この演習はとある特別試験の予習でもある。ガチでやった方がいいぞ」


 時刻9時半。


「班をまたいでの協力は禁止。他の班からはなるべく離れて行動するように。では、演習はじめ」


 演習が始まる。

 樹海に入り、散り散りになる。


「まずはどこに拠点を置くかだな」

「涼しい場所がいいよね。あとはお風呂のことを考えると川沿いがいいかな~」

「……」


 ラルーシェが唐突に足を止める。


「どうしたラルーシェ」


 ラルーシェは屈んで、木の下に生えているキノコを手に取った。


「これ、食べられます……」

「え、ホントに!?」

「……焼いて、日本にある醤油という調味料をかけると美味しいです」

「お前、キノコに詳しいのか?」

「……キノコというより、食べ物が、好きで……」


 まだ照れはあるけど、さっきより全然喋れるようになったな。


「じゃあ採取しよう採取!」


 俺はキノコを3本採取する。

 また歩き始めてすぐにラルーシェは足を止め、オレンジ色の葉っぱを指さした。


「この葉っぱ……アブリーフと言って、燃料になります」

「燃料は必要だな。飯を作るにも湯を沸かすにも使える」


 アブリーフも採取する。

 次にロアが見たことない実を成した木の前で止まった。


「ねぇねぇラルーシェちゃん! アレは食べられる?」


 ロアが指さした木の実は丸く、色が赤と青の二色。ちょっと歪な配色だ。


「大丈夫です。けど……」

「やった! いただき!」


 ロアは木を登り出す。


「おい、気を付けろよ!」

「大丈夫大丈夫! ちっちゃい頃から男の子に混じって木登りしてきたから!」


 ホントだ。安定感ある登り。猿かアイツは。

 ロアは木の実を取り、下に投げる。5個投げた後にロアは木から下りる。


「じゃあ早速いただきまーす!」


 ロアは木の実を服で擦った後、かじりついた。


「あ……」 

「ぶはっ!」


 ロアは口に入れた木の実をすぐさま吐き出した。


「な、なにこれ!? 甘っ!?」

「はい。それはミツアメと言って、毒は無いものの凄く甘いです……」

「さ、先に言ってよぉ……」

「ご、ごめんなさい……」


 俺はミツアメを手に取る。


「食材にはならないか」

「いえ。絞ると甘い液体を出します。それを調味料に使えます」

「ハチミツみたいなもんか」


 取っておいて損は無いな。これも採取っと。

 俺はシャツを広げ、そこに採取したものを乗せているがそろそろ容量オーバーだ。


「拠点を決めよう。もう俺のシャツは限界だ」

「そうだね。でも川が……あった!」


 先頭を歩いていたロアが駆け出す。

 森がある地点で途切れていた。その地点に行くと、川が見えた。川沿いには砂利だらけの地面が広がっている。


「ここにけってーい!」

「何か布代わりになるものないかな? ここに食材を置くのは気が引けるぞ」


 砂利が食材の中に食い込んでしまう。


「な、ナイフがあれば布の代わりを用意できます」

「石のナイフでも大丈夫?」

「多分、大丈夫です……」


 ロアは森に戻り、土の地面に石で合成陣を描く。そこに砂利を集めて、合成陣を発動。石で出来たナイフを作り上げた。石だけど、刃の部分はかなり鋭利に見える。


「どうぞ」

「ありがとうございます」


 ラルーシェは石のナイフを使い、木の皮に切れ込みを入れ始めた。


「樹皮を使うのか」

「はい」


 ラルーシェは樹皮に切れ目を入れた後、一気に樹皮を剥ぎ取る。

 剥いた樹皮はめちゃくちゃ糸を引いている。


「うげ。なにこのベッタベタなの」

「これはネンチャク木特有のもので、軽い接着剤になります。人間でいうところの粘膜みたいなものです。樹皮は時間が経てば修復するので、環境破壊にもなりません。こちら側を下にすれば……」


 ラルーシェは砂利だらけの地面に樹皮を敷く。樹皮はべったりと地面にくっつき、風が吹いても微動だにしなくなった。


「風で飛ばないけど、これの上に置くのもちょっと……」


 ラルーシェはナイフの腹を使い、樹皮の表面を削る。するとツルピカになった。


「おお。凄いな。これなら問題ない」


 俺は樹皮の上に採取した素材を全て置く。


「凄いじゃんラルーシェちゃん!」

「ただ飯が好きなだけでこんな知識得られるか?」

「……」


 ラルーシェはなぜか、固まってしまった。


「?」


 俺とロアは目を合わせる。

 これだけ色々できたんだ。もうちょい誇っても良い所だけどな。


「私は……大したことありません。ただ、ズルいだけです」

「ズルい? ズルいって何が?」


 ロアが問うも、ラルーシェは答えない。

 埒が明かないと判断した俺は話を切り替えることにした。


「ロア。次の工程に進もう。何をするにもまずは家だ。この樹皮を敷き詰めて床にして、木材集めて家を合成しよう」

「あ、うん。わかった」

「石のナイフ、もう2本できるか?」

「作らせていただきます!」


 ロアはまた石を集めに行った。俺はなぜか落ち込んでいるラルーシェに目を向ける。


 ラルーシェ。コイツ、何か訳アリだな。

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