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【書き出しコンテスト受賞作/未書籍化】色彩能力者の錬金術師  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
第2章 クラスリーダー総選挙

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第83話 オープン初日・閉店時間

 オープン初日。閉店間際。


 学生の店は21時に完全撤収することに決まっている。30分前の20時半には閉店だ。

 今は20時20分。5人という、店の規模に比べて多い人数で挑んだのだが、全員疲労困憊だった。


「今日はいっぱい来たね。大成功じゃない」


 1人元気なアランはテキパキと店内の清掃をしている。


「開店日はどこも人がいっぱい来るわよ。次の日から激減するから。絶対」


 カウンターからルチアは言う。


「なんでそんなこと知ってるんだよ」

「今日、ジョシュア先生から聞いた」


 今日はルチアがレジ担当で、フラムが呼び込み担当。俺とアランは陳列や案内などの接客全般。ヴィヴィは無くなった商品を錬金術で補充する役割を担った。


「ジブンへとへとですぅ……」


 街中歩き回って呼び込みをしていたフラムは特に疲れている様子だ。


「もう来ないから閉めちゃえば?」

「ダメだ」


 ヴィヴィが拒否する。


「きっちり20時半までは開く。滑り込みで客が来る可能性もあるからね」


 そんなヴィヴィの言葉を肯定するかのように、店のベルが鳴った。


「よっ! 繁盛してるかぁ?」


 店に入ってきたのは眼帯の男性教諭、ジョシュア先生だ。


「閉店間際に繁盛しているわけないでしょう」


 俺がツッコむと、ジョシュア先生は「それもそうだな」と笑い、店内を見て周る。


「塩あるか塩。大量に必要なんだけどさ」

「ありますよ。こっちです」


 アランが案内する。


「おー、見たことないタイプだな」

「僕の自作です」


 ジョシュア先生は木箱にある塩の入った袋を全て抱え込み、カウンターに運ぶ。


「何に使うんですか。こんなに」


 ルチアが質問する。


「授業だよ。明日は特別授業で、全日丸々1つの課題に使う」

「そういえば、明日は持ち物なしでいいって言ってましたね」


 ヴィヴィはジョシュア先生の横に立ち、


「その課題って教えて頂けるんですか」

「ああ。毎年やってるしな。一言で言うなら……サバイバルだ」


 ヴィヴィの顔色が青くなる。


「さ、サバイバル……」

「ああ。塩と水とマナスティックだけ持って樹海に放り込む。樹海にあるモンで風呂、屋根つきの家、昼食の3つを作ってもらう。この3つの出来の良さで採点するんだ。他の普通のファクトリーに入っている連中はとっくに先輩とかに特別授業のことを聞いていると思うぜ」


 新設ファクトリーの弱点の1つだな。上級生がいないから、そういった恒例行事の情報とかが入ってこない。


「昼食は俺の分も作ってもらうからな。ちゃんと美味いモン作ってくれよ」


 アランは紙袋に塩を詰めて、ジョシュア先生に渡す。ジョシュア先生は紙袋を持って店を出た。ちょうどジョシュア先生がいなくなると同時に閉店時間となった。


 俺達は閉店作業を始める。ルチアは売上金のカウント、俺とアランは看板下げたり外の商品を1度店内に下げたりと撤去作業をする。ヴィヴィとフラムは施錠や商品の残数のカウントをする。


「サバイバル演習かぁ! 楽しみだね!」

「狩り好きだもんなお前」

「うん。でも家の合成はちょっと自信ないね……」


 体力と錬成力。両方求められる授業だな。


「ねぇイロハ君」


 閉店作業中の俺にヴィヴィが話しかけてくる。


「風邪を引ける錬成物とか知らないかな?」

「観念しろ」

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