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【書き出しコンテスト受賞作/未書籍化】色彩能力者の錬金術師  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
第1章 錬金術師専門学校へようこそ

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第27話 ブックファクトリー

 1日経って、俺とヴィヴィとフラムとアランの4人は図書館――“ブックファクトリー”に足を運んだ。


「うおお!」


 俺は驚きの声を上げる。

 立ち並ぶ本棚。中央には螺旋階段があり、二階、三階……八階と図書館は続いている。吹き抜けで、一階からでも八階まで見上げることができる。

 驚いたのは図書館中を本が飛んでいること。返却された本や新しく入荷したであろう本が飛んで本棚に入っていく。

 図書館だが静粛というわけではなく、騒がしいとまでは言わないが賑やかな雰囲気だ。


「すげぇ……本が飛んでる」


 飛び交う本を見て俺は言う。


「本の量もさすがだね」


 ヴィヴィは興味深そうに設備を見回す。


「これだけあれば、探し物は見つかりそうだ」

「こんな広い図書館初めて見ました!」


 一旦、広い机に陣取って会議を始める。


「オーロラフルーツの種の素材で私が知らない素材は3つ。1つ目は“夢魔草(むまそう)”、2つ目は“ハートの実”、3つ目は“シャインアクア”だ」

「ジブンもどれも聞いたことないですね……」

「僕もだ」

「もちろん、俺もな」


 ヴィヴィが知らない物を俺が知っているはずもない。


「階ごとに分担しよう」


 ヴィヴィが提案する。


「私は一階と二階、フラム君は三階と四階、イロハ君が五階と六階、アラン君が七階と八階だ」

「了解。それでいこう。4時間後にまたここに集合ってことで」


 解散。

 俺はまず五階に足を運んだ。

 この階は生物関連がメインっぽいな。猫、犬、馬とかの普通に一般人も知ってる動物の本もあれば、幻獣とか魔獣の本もあるし、キメラについての本もある。探している物はどれも生物との関連性が薄そうだし、この階はハズレかな。でも念のため、隅々まで目を通さないとな。もしかしたらホムンクルスの本とかもあるかもしれない。


「イロハさん、なにかお探しですか?」


 背後から名前を呼ばれた。

 振り返るとピンク髪の女子が居た。目をアイマスクで覆ったお淑やかな少女だ。俺はその人物に覚えがあった。


「えーっと……ユリア=クリムドォーツだったか?」

「はい。覚えていてくださり光栄です」


 ヴィヴィと同じで新入生代表として壇上で挨拶した少女だ。ヴィヴィと同格の才女だと思われる人物。


「あれ? ていうか、自己紹介してないよな。なんで俺の名前知ってるんだ?」

「あなたは有名人ですよ。なんせあのアゲハ=シロガネの実子なのですから」


 少し、事実とは違う情報が混じってるな。


「俺はアゲハ=シロガネの実子じゃない、養子だよ。血のつながりはない」

「そうでしたか。それは失礼しました」

「別に謝る必要はない」


 常に余裕のあるこの雰囲気……どことなくヴィヴィに似ている。


「エプロン着てるけど、この図書館の関係者なのか?」

「はい。わたくしはこのブックファクトリーに入団したので、司書のようなものです」

「そうか。じゃあちょっと聞きたいことがあるんだが……」

「はい。何なりとお申し付けくださいませ」


 そんじゃ、お言葉に甘えて。


「いまある素材について調べてるんだ。夢魔草、 ハートの実、 シャインアクア。どれか1つでも聞いたことあるか?」

「夢魔草、シャインアクアについては存じてません。ただ、ハートの実については詳細は知りませんが所在はわかります」

「本当か!?」

「――“空挺ダーツ”という競技を知っていますか?」


 空挺は知っている。ダーツも知っている。だがその2つを組み合わせたその単語は聞き覚えがない。


「知らないな」

「錬金術師の間で流行ってるスポーツの名前です。明日その大会が“ランティス競技場”で行われるのです。大会の優勝賞品がハートの実だと聞いております」

「明日か……時間がないな」

「選手登録は直前まで大丈夫なはずです。大会と言っても競争といった空気ではなく、祭りのようなものです」

「それを聞いて安心した。助かったぜユリア、恩に着る」


 話が終わるや否や、俺はユリアのアイマスクをつい凝視してしまう。

 ユリアはそんな俺の様子に首を傾げる。


「どうかしましたか?」

「いや……そのアイマスク、完全に視界を遮断しているわけじゃないみたいだな」


 ユリアは興味深そうに笑う。


「なぜ、そう思ったのですか?」

「完全な黒じゃない。所々色に淀みがある。網目になってるな。しかもその網目……隙間に透明色が見える。眼鏡のレンズによく似た色だ。面白いアイマスクもあるもんだな。どんな役割を果たしているかまではわからないけど――っと、余計な詮索したか?」

「いえいえ、ふふ……やはり面白い方ですね、あなたは」


 なにか面白いこと言っただろうか。ユリアは愉快気に笑っている。


「改めて情報ありがとな。それじゃ」


 俺はそう言ってユリアと距離を取る。これ以上の会話はひとまず不要だと判断した。今は他にやるべきことがある。


「ええ、またいずれ」


 ユリアも俺に背を向け、司書の仕事に戻った。

 それから担当の階を全て調べたが……目的の情報は見つからなかった。12時。集合時間だ。一階に戻ろう。

 ハートの実の情報は得ることができた。及第点の働きはできただろ。責められることはないはずだ。

【読者の皆様へ】

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