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【書き出しコンテスト受賞作/未書籍化】色彩能力者の錬金術師  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
第1章 錬金術師専門学校へようこそ

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第11話 絵の具をそれぞれのコップに一滴垂らしました。どのコップに何色の絵の具が垂らされたでしょうか?

「おっと」


 またシャボン玉に包まれるかと思ったら、いきなり地に足がついた。


「どこだここ……?」


 地下ではない、窓がある。

 正面には大きな扉だ。

 豪勢な場所だな……宝石とかが当たり前のように飾ってある。


「貴殿がイロハ=シロガネか?」


 背後から男の声が聞こえた。

 振り向くと……大きな玉座に、顔がカボチャの奇妙な人型生物が座っていた。


「すまない。特急錬成に割り込んで貴殿だけをここに招待させてもらった」

「カボチャの化物!?」


 逃げようと距離を取ると、


「待った! 吾輩(わがはい)は怪しいカボチャではない!!」

「嘘つけ! お前は怪しいカボチャだ!」

「違う! 吾輩は優しいカボチャだ! 話を聞け!」


 ……話もせずに怪しいカボチャだと断ずるのは失礼か。

 足を止め、話を聞く姿勢を見せる。


「吾輩はランティス錬金学校校長、ジャック・O(オー)・ニュートン! 貴殿が来るのを心待ちにしていたぞ! 我が盟友アゲハ=シロガネの養子……イロハ=シロガネよ」


 校長を名乗るカボチャ頭。

 信じられない……錬金術師の学校の校長だから、白髪でながーい髭のお爺さんを想像していた。断じてこんなカボチャではない。

 しかし……そう、錬金術師は容易(たやす)く俺の常識や想像の上をゆくのだ。

 爺さんや俺のことを知っていることから、このカボチャが言っていることが真実である可能性は高い……。


「アンタが校長ってことは、ここは校長室ってことか?」

「その通りだ」

「……もしかして、アンタがヴィヴィが口利きした偉い人なのか?」

「うむ、その通りだ。吾輩が貴殿の入国手続きをしてやった。しかし……養子というわりにはアゲハの若い頃にクリソツだな」


 カボチャ校長はどこか嬉しそうだ。


「なんで俺だけこんなとこに呼んだ?」

「一目見ておきたくてな。それに一つ確かめておきたいこともあった」


 カボチャ校長は立ち上がり、玉座の側にあるテーブルを俺の前に持ってくる。

 テーブルの上には水の入ったコップが7個。


「貴殿はアゲハと同じで色彩能力者なのだろう?」

「ああ、まぁな」

「少し、その色彩識別能力を試させてもらおう。これは入学試験と思ってくれ。この試験で不合格となればこのままアメリカに帰ってもらう」

「……いきなりそりゃないんじゃないか? 校長殿」

「本来、我が学園に入るには入学試験を受けて合格しなければならない。だが貴殿はその試験を受けずにここに居るのだ。これぐらいの無茶は許容してほしい」


 残念ながら、この場においてルールはコイツだ。

 このカボチャ校長の言うことに逆らう権利も力も俺にはない。


「わかった。試験を受けよう。そもそも拒否権なんてないしな」

「感謝するよ。では、試験内容を説明する」


 カボチャ校長はコップに手を向ける。

 この水の入った七つのコップ、これが入試に関係するのだろう。


「いまここにある水にはそれぞれ絵の具が一滴ずつ垂らされている。絵の具の種類は赤、青、緑、黄色、茶色、紫、ピンクの七色だ。どのコップに何色の絵の具が入っているか当ててくれ。――全部だ」

「……」

「正直、吾輩から見たらどれも変わらず透明な水だがね」


 まったく、意地の悪い問題を出すものだ。


「右の端から緑、黄色、茶色、ピンク、紫――黒、白……だろ? 赤と青はない」


 俺が言うと、カボチャ校長は「ほう……!」と声を漏らした。


「素晴らしい! ……これほどとはな!!」


 カボチャ校長は拍手する。


「またその眼に会えるとは思わなかった! 合格だ!!」

「それなら早く最寄り駅へ運んでくれ。待たせてるやつがいるんだ」

「ふふっ、すまなかった。つまらない遊びに付き合わせてしまったね。床に合成陣が描いてあるだろう? その上に立ってくれ」


 合成陣? この床に描いてある妙な図形のことかな?

 図形の上に立つ。カボチャ校長がパチンと指を鳴らすと、図形が光り出した。瞬間、目の前が真っ白になった。

 そして――分解が始まる。


「ぬっ、ぐっ――! まったくよ、アンタのせいで一回余計にこの感覚に付き合わされる……!」

「慣れれば心地よくなるさ。では改めて……入学おめでとう。イロハよ」


 全身が崩れ去った。



 ---



 気が付いたら、石の床の上に居た。

 周りに石の支柱が多く見える。窯も例の如く置いてある。制服を着た同世代の人間もいっぱいいる。どうやら今度こそ最寄り駅に着いたようだ。


「どどどどどいてください~~~!!!」


――真上から声がした。


「え?」


 上を見た瞬間、鼻にシャボン玉の膜が当たり、シャボン玉が割れた。

 そして顔面に柔らかい感触が激突する。眼前を覆うこの色は……ヴィヴィが履いていたスカートとまったく同じ色だ。


「ぐわっ!!?」

「むぎゃっ!?」


 落下物の体重を支え切れず、俺は倒れ込んだ。

【読者の皆様へ】

この小説を読んで、わずかでも

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