~おじさん、ぐっどあふたーぬーん~㊴
CP13 皇帝尊とローラ
夜更け、白薔薇宮に尊は訪れた。
宦官の姜心を尊は下がらせた。
侍女の黄河が出迎える。
「よっ、陛下ひめっちに夜這いかい?」
「まぁ、そんなところだ」
尊は寝所に入った。
燭台の薄い灯りが、白いローラの憂いの顔を映し出す。
「ローラ」
「これは陛下」
「聞いてくれ、俺は陛下じゃない」
「?」
「とりあえず、俺のいう事を聞いて欲しい。んー、なんと言ったら、順を追って話すよ」
尊は頭を掻きながら、周りに人の気配がないかを確認した。
「俺は山田尊。この前まで、君の住んでいた世界にいた」
「えっ!」
ローラの驚きは隠せない。
「アルスと、アリス一緒に君を探していた」
「う・・・そ」
彼女にとって、にわかには信じられないことだった。
「君だって、ここにいる。俺がいることを信じてもらうには十分だと思うけど。あっ、俺はじじいになったけど」
尊は苦笑いを見せた。
「・・・はい」
ローラは頷いた。
それは彼女にとっての希望だった。帰れる喜びが身体中に溢れる。
「でも・・・だ。俺はあの世界に戻る方法を知らない」
「そんな・・・」
途端にローラの表情が曇る。
「けど、なんとなく分かるんだ。この身体になった意味が・・・それを全うすれば、あるいは戻れるかもしれない」
「・・・・・・」
「いや、絶対に戻らないと。あの二人に起きてと言われている。俺あっちの世界じゃ、気を失って倒れているんだ」
「・・・・・・」
「信じてくれるかい」
「・・・はい。おおむね」
「おおむねか・・・でもまぁ良かった」
「では、あなたがおっしゃる陛下になった意味とは」
ローラの声に尊は力強く頷いた。
「この国をぶっ壊すことさ」
「壊す?」
「ここ数日この、国の内情を自分なりに調べて分かったことがたった一つある。腐りきっている。俺が幕を下ろさないと」
「何故?あなたが」
「それは皇帝に転生したから・・・が、意味かな」
「私はアルスとアリスの世界に帰りたい」
「ああ必ず、約束する。この国にやるべき事を全うすれば、きっと道が拓ける」
「ありがとう」
ローラの瞼から涙が溢れだす。
「それには、この老体とお姫様だけじゃ無理だ。信頼できる仲間がいないと」
「ふふふ、尊。それならすぐ側にいるわ。黄河ちゃん」
彼女は泣きながら微笑む。
寝所に黄河が呼ばれた。
「なんだ、なんだ、今から三人でくんずほぐれつのトンデモない事が起きるのかアタイ、わくわくすっぞ!」
勘違いの甚だしい黄河であった。
引き続きよろしくお願いいたします。




