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1ノ3
同じ頃、ある島国の自然の中。
少女が剣を持ち踊る様に稽古をしていた。
少女が剣を振るうたび艶やかな黒髪が流れ、光を浴びて輝く。
何かを見据える瞳は朱金に輝き確かな意思を持っている。
何度か剣舞をしていると、小柄な少女が近いてくる。
ふわふわとミルクティー色の髪を揺らし、甘い紅茶色の瞳を細め黒髪の少女を見据える。
「レーちゃんレーちゃん。お腹空かない?」何処か間延びした口調で持って来たバスケットを掲げる。
「ミィーか。良く此処が解ったな」
「うん。シルフィーが教えてくれたよ」
「風の精霊か。仲良しだな。」
「うん。」
のんびりと二人でお昼を食べながら黒髪の少女、レイチェルは隣に座る友人を見る。
「ミィー。本当に良かったのか?」
「何がー?」
「ルーンナイト学園だ。私が通うからと、ミィーも来てくれる事になったが、ミィーは自由が好きだろう?」
「良いよ~。レーちゃんと一緒に行きたいの!」
ニコニコ笑う友人に若干納得は行かなかったが、まだ一緒にいれる喜びにレイチェルは自分を納得させる。
「約束を果たしに行くの」そう呟いた友人の大人びた表情に気づかないままに…。