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日常が日常ではない    作者: 素高 創愉
1/1

〜プロローグ〜   始まりの街

 俺が一番嫌いな時間がやって来た。最高の至福の時間から、生き地獄のような世界に引き戻されるこの感じだ。誰もが、とは言わないが少なくとも何人かには共感を得られると思う。朝だ。眠りという名の天国から、学校という生き地獄の待ってる現実に引き戻される時間。

しかし、俺はneetではない。だって学生だもの。とそんな脳内茶番をしているうちに、ご飯の時間だ急いで下の階に行かねば!

そう自分で思いながら重い体を起こし、綺麗な日が差し込む窓を眺めている。そこには日の光しかないというのに引き込まれる。引き込まれながらも、窓を開け支度をする。すると心地の良い風がそよそよと吹き込む。当たり前だ。なんの変哲も無い、当たり前の日々、朝、情景。しかし何かがおかしい。静かで心地よかった部屋が急に気味悪く感じる。



だって、



    音が聞こえないのだから。声が出ない。喋ろうとしても脳内だけでしか声が出ない、ものを叩いても痛いだけ、どうするべきか考えるがわからない。そりゃそうだ、音が自分の世界から消えたのだから。音がなくなったことに驚きを隠せず、焦る、焦る、笑えるほど焦る。お菓子を買おうとして、入った店が女性の下着屋だったかのように。意味のわからない表現はどうでもいい。とりあえず今は、自分のベッドから起きて、気づくと音がなくなっていたという状況、っと視界まで暗くなって来やがった。

意識が…なく…な…って というには早…い…n

「ん、んーん。一体なにが」

 知らないベッドで目が覚めた。車の音がする、人のしゃべる声も。テンプレな展開だが、まだ主人公の名前は出ていないし、どんな話かもつかめない。つまりは、今まで無駄話をしていたということか。てへぺろ☆(ゝω・)vキャピ

とりあえず音も聞こえるし目も見えるのだが、外にある、あの乗り物はなんだろうか?というかまずこんな石畳の部屋で寝た覚えはないし、というか気絶しただけな気が……………まあ いいや

それより俺の部屋はここまで広くない。小学校の教室ほどあるだろうか。なぜこんなところに。そう思いながら窓を開け外を覗く、ハロウィンの渋谷のような光景が広がる。なんちゃらから始まる異世界どうのこうのみたいなやつと似た世界観だ。それはそうと、アレはもしかして あの有名な 『エルフ』  男の憧れの『エルフ』ではないか。

今までの疑問を全て忘れ見入っていると、下の階から楽しげな会話が聞こえる。取り敢えず下の階に行って、状況把握をしないと。

 降りるとそこは酒場になっていて、ムキムキのおっさんたちが酒に群がっていた。とりあえず店を出て街を見渡すも、城下町のような街並みだった。そこで、2階から見えたエルフを探しに行こうと走り始めた時、名前を呼ばれた。「シルバー」と。いや俺の名前ではないのだが、俺の名前だと馴染み深いと感じてしまった。


俺の名前(仮名ということにしておこう)を呼んだやつは、黒いマントに身を包んで顔は見えなかった。

男は俺にこういった。

「お前はこの世界にある、邪を砕くために俺が呼んだ。」

「召喚したが正しいがな。」

と。そして男は忘れるところだったというような顔をして

「このペンダントをお前にやろう、役に立つから。」

そう言い放って視界から消えた。

 結局エルフには会えなかったのだが、男にもらったこのサファイアのようなペンダントが、どうしても気になる。明日、起きたら街に出て情報を集めよう。そう思いながら1日目の夜を迎えた。



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