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第1話。何故気付かない。

「ねぇねぇ、昨日の声聴いた?」


「うん聴いた聴いた!私怖くて親の寝室に飛び込んじゃったもん!」


「何か映画の撮影だったのかな?」


「あ〜、特撮系のとかあり得る!」


「ようやく救世主が我々の存在に気付いたか……」


「ふっ、しかしあやつは我らの中でも最弱。この大魔王橋本がいる限り勇者には負けん」




昨夜の出来事にクラスが騒然としている。


無理もない。魔王を自称する奴が雲の切れ間に現れたんだ。



おまけに、




「愚鈍な人間どもに告ぐ。今宵より我が隷属が、この町に散らばる呪われた鉄蓋を浄化し尽くすだろう。」




とZeebra先輩もびっくりなゴリゴリのダミ声で宣言し、消えると同時に雷を連発して帰ったのだ。


これで話題にならなければ町民のモラルを疑うレベルである。



「でも変だよな〜、何でわざわざ俺らの町に来たんだろ魔王」


「本当だよな、今朝隣町に住む従兄弟に聞いてみたら向こうには現れなかったみたいだし。」




そう、可笑しな事にその魔王、福岡県の金丸町にのみ現れたのである。


超ピンポイントな侵略だ。


何故にニューヨークでもロンドンでもなく福岡。



何故に渋谷でも難波でも無く金丸町。



せめて百歩譲って博多とか天神とか都会に行けよと思うが、どこを狙うかは相手側が考える事なので口を挟むべきでは無いのかも知れない。



「朝通学路をチャリで漕いでたらさ、所々アスファルトが抉れたり、塀にヒビが入ってたり、マンホールがピカピカになってたんだけど、やっぱりアレ魔王の仕業なのかな?」


「あ、それ僕も見た!凄いよね!戦いの後って感じで!」


「あ〜、怖えけど魔王に会ってみてぇなぁ〜!」


「何処にいるか分かんねぇのに会うもへったくれもねぇだろ」


「そうだよなぁ〜、一体どこいんだろる」


「やっぱ雲の上とか?」


「地中の奥深くとかじゃねぇ⁉︎」


「それか異世界に戻るとか!」





リア充ども盛り上がってる所悪いが、





そろそろ一番奥で紫色のオーラを出しながら魔法陣描いてる人間がいる事に気づいても良いんじゃないのか?





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