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第四話 驚異の魔王 その2

 夜の闇に寝静まる町並み。

その中を飛び上がり、走りゆく一つの影があった。

その影こそは、誰あろう、ユニベルサリスこと命ミコト。

禍戦士を倒したユニベルサリスは

立ち去った『暗い日曜日』を追い、虹乃家へと急ぎ夜の街を駆け抜ける。


ユニベルサリスは走りながらも恋花憩と連絡をとりつつ、

無駄のない動きとスピードで障害物を巧みに避けながら道を急いでいると

背後から同じように飛び交い、着いてくる影に気づく。


スピードを落としビルの屋上に着地すると、そのまま物影に溶け込むように身を隠す。

しばらくすると何者かが同じビルの屋上へと着地し辺りを窺う気配がある。

何者かがそばに近づいた瞬間、ユニベルサリスが飛び出し、

後ろからその者の腕をねじ上げ首に手を回し締め上げた。


「うわっ!ちょっと待って!わたし!わたし!」


「キズナ?」


羽交い絞めにした人物の声にユニベルサリスは慌てて手を離す。

その人物はユニベルサリスの仲間、魔法少女リボル・リボーンこと愛染キズナであった。

リボル・リボーンは自由になった腕を軽く回しダメージの有無を確認する。


「クロシロウさんと一緒に待機とお願いしたはずですが?」


いつになく厳しい口調のユニベルサリスに少し怯むリボル・リボーン。


「はぁ・・・あの、ですね、なんといいますか、人手は多い方がいいかな~なんて・・・その・・・」


ユニベルサリスがため息をつく。


「・・・ごめんなさい・・・でも!」


「しっ!」


言い訳をしようとするリボル・リボーンの言葉を

手をかざし遮るユニベルサリスが、鋭い視線を背後に向ける。


「?!」


すると暗闇の中からひとりの人物が現れた。

胸は少し大きすぎではあるが長身でグラマラスな女性。

その女性の姿を見たリボル・リボーンが驚いて声を上げる。


「ミス・ストーン・ラヴァー?!」


それは魔女会の魔法使い、魔女の家の寮長にして魔法少女フリー・フリーズ=恋華憩(こいはないこい)の師匠、

ミス・ストーン・ラヴァーの姿であった。


「こんばんは~、ユニ、キズナ」


突然のミス・ストーン・ラヴァーの登場にユニベルサリスが疑問をぶつける。


「ミス・ストーン・ラヴァー、なぜここに?魔女の家は大丈夫なんですか?」


「え?、ええ…それよりも、実は『暗い日曜日』の重要な情報を掴んだので急いで報告に来ました」


「それは一体?」


興味を惹かれたリボル・リボーンがグイっと身を乗り出し聞き入るや、

ミス・ストーン・ラヴァーは周囲を見回し言った。


「クロシロウさんは?」


「戦いに巻き込まれたはぐれ魔法使いの保護にあたっています」


「そうですか…実は『暗い日曜日』が罠を貼っているとの情報が…

 私が安全なルートを案内します。付いてきてください」


ミス・ストーン・ラヴァーが踵を返し、行動に移ろうとした所にユニベルサリスが声をかけた。


「それはそうと、ミルイ、変身能力に磨きがかかりましたね」


「そぅ~お!実は私も結構…あ…」


振り向き、柔かに答えた瞬間、ハッと息を呑むミス・ストーン・ラヴァー。


「ハハハ」


笑いかけるユニベルサリス。


「は、はは・・・」


顔を引きつらせつつも愛想笑いするミス・ストーン・ラヴァー。

ユニベルサリスがさらに笑うとミス・ストーン・ラヴァーも笑い声を上げる。


「ハハハハハ!」


「ハハハハハ!」


そして広がる二人の笑いのハーモニー。


「「ハハハハハハハハハ!!」」


「フンッ!!」


突然豹変したミス・ストーン・ラヴァーが体をひねり蹴りを繰り出す!

だが、ユニベルサリスは容易く受け流すと、ミス・ストーン・ラヴァーに張り手を食らわす。


ボヨ~ン!


ミス・ストーン・ラヴァーの胸がさらに大きく膨らみ

ユニベルサリスの張り手の一撃を弾き、威力を緩和させる!

だがユニベルサリスの腕からは光が流れ込み、胸の表面に光の文字列(ランゲージ)が形成された。


「あぶない!!」


その時、

死角から光を放ち、高速でユニベルサリスに迫る二つの飛行物体があった。

リボル・リボーンが生き物のように蠢く魔法のリボンを使い、そのひとつを左へ受け流すが

残るひとつがユニベルサリスの背後に迫る!


ユニベルサリスはミス・ストーン・ラヴァーの膨らんだ胸に手をかけると

そこを支点にジャンプ、体をひねりながら前転し、反対側、

ミス・ストーン・ラヴァーの背後に着地する。


謎の飛行物体の勢いは止まらず、ミス・ストーン・ラヴァーを直撃した!


と、思いきや、

飛行物体はミス・ストーン・ラヴァーの脚を『掴み』、そのまま右へ方向転換、

ユニベルサリスを掠めつつ、彼女を隣のビルの屋上に運んでいく。


「待てッ!」


リボル・リボーンがその後を追おうとした時、

新たなる回転する円盤状の飛行物体が二つ、リボル・リボーン目掛けて襲いかかった!

すんでの所で躱したリボル・リボーンであったが、残る一つの円盤が背後に迫る!


「ハッ!!」


だが、走り寄ったユニベルサリスが鋭い気合と共に円盤の下部に拳を叩き込む。


ゴゥ~~~ン!!


金属的な、鐘のような音を響かせ、弾き飛ばされた円盤はフラフラと揺れながら落下していったが

途中で息を吹き返したかのように回転を早め、対面のビルの屋上へと飛んでいった。


ミス・ストーン・ラヴァーを掴んだ飛行物体はゆっくり下降すると、そこに待ち受けていた魔法少女、

『ペアー・オブ・アングィッシュ』こと灯祭(ひまつり)マトイがかざした右腕に装着される。

足を掴まれ、

逆さ釣りとなったミス・ストーン・ラヴァーを翳し立つ形になったペアー・オブ・アングィッシュに対し

悪態をつくミス・ストーン・ラヴァー。


「ちょっと見えてる!見えてるってば!!」


なるほど、確かに、その状態ではスカートがめくれセクシーな下着が顕になってしまっている。


「その姿なら別に見えても構わなくない?」


「いやいやいや、恥ずかしいし!早く降ろして!」


リクエストに応じ手を離すペアー・オブ・アングィッシュ。

案の定ミス・ストーン・ラヴァーは落下し、顔を打ち付け倒れこむが

超乳と化した胸がバウンドしたため、体が背中側にエビぞって無様な格好で着地する。


「もが~!は、離す?!そこで!離す?!」


「離せって言ったっしょ?」


「離せとは言っていない!」


「文脈からしたらそうとるっしょ!」


「もが~!!」


そうした二人のやり取りの間に、残る二つの飛行物体は

魔法少女『ブレイキング・ウィール』こと灯祭(ひまつり)コノハの元へと戻り、

その足へと装着される。


「二人共、今は、そんな場合では、ない」


少し離れた場所に立つブレイキング・ウィールの仲裁の言葉に

不満を覚えブツブツ文句を言いつつもユニベルサリスらに向き直るミス・ストーン・ラヴァー。

そして精一杯の虚勢を張りつつ、気持ちを切り替え言い放つ。


「フフフ、さすがはユニベルサリス、一筋縄ではいかないようね・・・」


それを見ていたリボル・リボーンが叫ぶ。


「ミルイの擬態能力?!でも、ミルイは自らの質量以上の者には化けれないはず…

 だが、あの胸は明らかに質量超過!!」


「なんか引っかかる言い方だな・・・

 でもね、『大きく見せる方法』なんていくらでもあるのよ」


そう言うと深く息を吸い込んだミス・ストーン・ラヴァーの胸がさらに大きく膨らみ

その先端がポコンと出っ張ったと思うと

そこから勢いよく空気が抜け始め、みるみると小さくしぼんでいく。


「と、まあ、こんなカラクリ・・・

 ちなみに、後学のために教えて欲しいんだけど何故気づいた?

 おっぱいとか?お尻とか?小さすぎたかな?」


質問しながらミス・ストーン・ラヴァーいやミルイが深く息を吸い、

お尻を撫でると、そのお尻がググッと膨らむ。


「いえ、身長、スリーサイズ、全て完璧でしたよ」


「では何故?」


「…秘密です」


ユニベルサリスは唇に指を当ててウインクし、いたずらっぽく答える。


(ずる)っ!わたしは教えたのに!」


「まあ、本物との違いに気づいた『きっかけ』は秘密ですが、

 あなたの擬態能力は聞いていますし。

 そうなるとあなたが化けていると考えるのが普通でしょう?」


ミス・ストーン・ラヴァーの姿が見る見ると変わり

やがて魔法少女『ブレイズン・カーフ』こと(たちばな)ミルイの姿へと変わっていく。


「まあいいわ、理由なんて・・・

 戦いが終わってからゆっくり考えるとするから!」


「我が魔名ブレイズン・カーフ!」


「我が魔名ペアー・オブ・アングィッシュ!」


「我が魔名ブレイキング・ウィール!」


「「「いざ!参る!!!」」」


三人は名乗りを上げるとユニベルサリスへと飛び掛っていった!






 『暗い日曜日』に攻め込まれた虹乃家周辺では、魔法使いたちの激戦が続いていた。


グラン・ギニョールこと昼田操(ひるたみさお)が振りかざした腕の合図に合わせ、

一斉に動き出した使い魔達が、

ドクター・ダーク・ドーンとホワイト・ストーク、さらにはバルチャーズ・ドーターへと攻撃を開始する!

一体、二体、三体と切り返し撃退する二人であったが、止まぬ波状攻撃、死角からの攻撃に、

一撃、二激とダメージを喰らいはじめる。


「さすがは『一人王国』の異名をとるだけのことはあるな

 使い魔とてこれだけの数では少々厄介だ」


「降参する?」


「まさか!」


「悪いがお嬢ちゃんと遊んでる暇は無いのでね……ドーター!!お前の力の見せ所だ!」


「イエ~ス!」


バルチャーズ・ドーターことアンジェラ・佐藤・マキシモフが、ドクター・ダーク・ドーンの呼びかけに答え

二、三回ステップを踏んだあと、ガッと両足を開き

両手を構えて、ひと呼吸おいた後、前方に向け全力で飛び出す。


グラン・ギニョールの使い魔、臣民達はそれを阻止せんと行く手に集結、

バルチャーズ・ドーターへと躍りかかった!


「無駄デース!ヨッテニ!」


押し寄せる臣民達をやすやすと叩き伏せるバルチャーズ・ドーター。

彼女に触れられた臣民達は一瞬のうちに形を変え、小さな箱へとなり果ててゆく…


進撃を続けるバルチャーズ・ドーターの勢いは止まることない。

だが、迎え撃つ臣民たちも次々と波状攻撃を繰り出す!

しかし、バルチャーズ・ドーターはそれら全てを受け止め、弾き飛ばし

間合いを取りつつフリー・フリーズの手前数十メートル先へ着地した。


「…フゥ」


ゆっくりと立ち上がるバルチャーズ・ドーター。

背後では、一瞬の間を置き、彼女に触れられた臣民達が一斉に箱に変わり、バラバラと地面に落下する。

その数30強、といったところだろうか。


「ダカラ無駄ダト、言イマシタノニ」


「良し!」


声を上げニヤリと笑うドクター・ダーク・ドーン。


バルチャーズ・ドーターはさらにステップを踏むとフリー・フリーズに躍りかかる。

対するフリー・フリーズは素早く武闘の型をとり身構える。

右手刀をかざし左手で支え、右足を前にし左足を後ろに引く。


これぞマギ・アーツ『斬羅咲闘刃』の型!!


再び始まるフリー・フリーズとバルチャーズ・ドーターの戦い!

両者の実力は拮抗し一進一退を繰り返す!


だがグラン・ギニョールもそれをただ見ているだけではない。


「これで終わりと思っているわけ?!・・・クマルマル!!」


「モフモフモフモフモフモフモフモフ・・・!!」

「ボコボコボコボコボコボコボコボ・・・クマ?!」


未だフモフモフとラッシュの応酬をしあっていたクマルマルがその手を緩めずに答える。

グラン・ギニョールは左手のひらに右拳を叩き合わせるとさらに叫ぶ!


「集結せよ!!」


「モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ!!」

「ボコボコボコボコボコボコボコボ・・・クマルッス!!」


フモフモフとの拳の応酬の手を休めぬまま頷いたクマルマルは

フモフモフの隙をつき後ろに飛び退き、

その勢いのまま地面をけると上空へとジャンプする!


「・・・フモッフ?!」


突然の行動に戸惑うフモフモフが見上げる中、クマルマルはさらに上昇していく。


「臣民達よ!超モフモフ合体!!」


「「「「「「「「チョウモフモフガッタ~イ!!」」」」」」」」


グラン・ギニョールの号令に、残る臣民達が各々雄叫びを上げてクマルマルに続く!

宙に飛び出した臣民達はクマルマルを中心に円を描き

その背後には光る魔法陣が浮かぶ!


「「「「「「「「クー!マルッ!ッスーーー!!」」」」」」」」


臣民達は声を合わせ、次々と形を変えクマルマルへとドッキングしていく。

腕!

足!

背中!

股間!

そして頭!

無数の臣民達はやがてひとつにまとまると巨大なクマルマルへと変貌した!!


「「「「「「「「クマッシ!!」」」」」」」」


雷声を轟かせ誕生したその姿を誇らしげに指し示すグラン・ギニョール。


「完成!超モフモフ巨神!ゴッド・クマルス!!」


そう!これこそ一人王国グラン・ギニョール奥義!『超モフモフ巨神!ゴッド・クマルス』!!


身長30mはあろうかというゴッド・クマルスが地響きを立て、土煙を上げながら着地するやいなや

『暗い日曜日』達へとメガトン・パンチを繰り出す!


「「「「「「「「クマッシ!!」」」」」」」」


だがドクター・ダーク・ドーン達は飛び退きパンチをかわす。

爆煙を上げ地面にめり込むメガトン・パンチ!

飛び散る破片が宙を舞う!


「フンッ!やはり一筋縄ではいかんか・・・ならば」


着地したホワイト・ストークが両手のひらを叩き合わせ、五、六回ひねりながら左右に引く。

すると引いた手の間に輝く光のオーブが舞い踊り

それは次第に形を整えながら四足の、獣の姿を形成する。


 「召喚!シッペイ!!」


ホワイト・ストークが叫びながら両腕を思いきり広げると

実体化した獣は大地に降り立ち、宙を仰ぎながら吠え上げる。

それは2mはあろうかという巨大な狼!


「ウォーーーーーーン!!」


これこそホワイト・ストークの使い魔『ジッペイ』!


「いけ!ジッペイ!!」


ホワイト・ストークの命令にジッペイが筋骨隆々の巨体を躍動させ

ゴッド・クマルスに飛びかかる。

自らの十倍以上はあるゴッド・クマルスさえも揺るがせるジッペイの一撃!

負けじと巨体を震わせ反撃に転じるゴッド・クマルス!


二体の使い魔の戦いを横目にドクター・ダーク・ドーンがホワイト・ストークに命令する。


「良し!後はストーク!道を見つけろ!」


「ん?ああ・・・」


ホワイト・ストークは手近にいる残りの臣民たちを数体蹴散らした後

両手に取り出した鳥の羽を再び投げ放つと

それらはコウノトリと化し、空高く舞い上がる。


「コウノトリ達よ!道を探しだせ!」


だが突如、周囲に破裂音が連続して数回響き渡ったと思うと、光の一閃がコウノトリを穿く!


ホワイト・ストークとドクター・ダーク・ドーンが音のした方角に目を向けると

そこには銀色に輝くフリントロック式の拳銃を構えるグラン・ギニョールの姿があった。


「そういうこと!」


グラン・ギニョールはドクター・ダーク・ドーンたちに向かってウインクし

次々とコウノトリを射抜き、落としていく。

一羽、二羽、三羽、打ち抜かれたコウノトリは一枚の羽毛となって漂い落ちていく。

だがその時、その間をぬって一本の矢が飛んでいった。


「?!」


驚くグラン・ギニョールが矢の放たれた場所を見ると

弓を構えたドクター・ダーク・ドーンがウインクしながら言った。


「そういうこと!」


「くっ・・・!」


気を静め、すぐさま何度も発砲し、矢を撃ち落とそうと試みるグラン・ギニョールであったが

矢は複雑な軌道を描き飛び交い、直撃する弾丸をも、ものともしない。

グランギニョールは向き直るとゴッド・クマルスに命令を下す。


「あの矢を落とせ!クマルス!」


「「「「「「「「クマッシ!」」」」」」」」


「メカラ・ビーム!!」


「「「「「「「「クマッシ!」」」」」」」」


グラン・ギニョールの命令の元、

矢を見据えたゴッド・クマルスが叫び、腕を構えると目から紫色の光線が放たれた。

怪光線は宙を舐め、矢へと迫る。

流れる光線が矢を捉えるかと思われたその時、ゴッド・クマルスの後頭部に何かが直撃した!

その衝撃にゴッド・クマルスの巨体が震える。


直撃したモノ、それはホワイト・ストークの使い魔。

使い魔ジッペイが体当たりをかましたのだった。

クマルスがバランスを崩し、視線が逸れる。

倒れこみながらも止まらない光線はその視線上にある観覧車を、大地を舐め

溶解させ、爆破していく。


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!


凄まじい音を立てて巻き上がる爆煙。

その間にも、矢は周囲を確かめるかのように飛び交った後、急速に速度を高め飛び去ってゆく。


矢は視界から消えた後も、右へ左へ複雑に進みながらさらに速度をまし、

やがて光る空間に達すると、それさえもゆがめ、くぐり抜け、

ついに次元の壁を超え、なないろの部屋の扉へと到達する。


ダーン!


音を立てて扉に突き刺さる矢。

そして震える矢尻の羽が白く発光する。


「白羽の矢は立ち至り!」


弓をホワイト・ストークに投げ返しながら

満面の笑みを浮かべて叫ぶドクター・ダーク・ドーン。


「行くぞ!ストーク!あとはドーターに任せろ!」


「し、しかし、アンジェラ一人では……」


「ダーイジョウブ!任セテクダサーイ!」


離れた場所でフリー・フリーズと戦うバルチャーズ・ドーターが、そう言いつつ

腕を軽く振ると、手の中に短めのタクトが現れる。


「ネリネリネリネ…」


手にしたタクトを下に向け左手の上で混ぜるように回転させ始めると

タクトの周りに絡みつくように白い煙が現れ渦を巻いていった。


「召喚!マキシモン!」


バルチャーズ・ドーターがある法則に従い、踊りを舞うかのように一定のリズムで空中に図形を描くと

煙はその図形に沿って凝結し、まるで金魚、

いや、ジャパニーズ・スイーツ『たい焼き』を彷彿とさせる姿となった。


「ディヤァァァァァァァァァァオゥ!」


生き活きとした『たい焼き』がよく通る声でシャウトするとその胴体から可愛い腕が生え出てくる。


これぞバルチャーズ・ドーターの使い魔『マキシモン』!


「マキシモン!ワトクヲ、オ願イネ♡」


「ディ~ヤァオ~ゥ!」


バルチャーズ・ドーターの命令に応えたマキシモンがホワイト・ストークのもとへ飛び

その肩へちょこんと乗っかる。


「行くぞ!あ、レッツ・ラ・ゴー!!」


ドクター・ダーク・ドーンが声を上げ身を翻し矢の示した『道』を急ぐと

ホワイト・ストークも渋々それに続いた。


バルチャーズ・ドーターが去り際の二人に指でVサインを見せると

ホワイト・ストークは無言で頷き、走り去る。


「待ちなさい!」


フリー・フリーズが叫びドクター・ダーク・ドーンらを追おうとするが

バルチャーズ・ドーターが立ちはだかる。


「アナタノ相手ハ、私デ、ショウニ!」


バルチャーズ・ドーターは叫び声を上げるとフリー・フリーズ目掛けて飛び掛っていった。





次回より『使い魔』を『従者(フォロワー)』へと名称を変更します。

よろしくお願いします。

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