七話
武具が買えない!!
武器屋や防具屋はあるのだが、俺の顔を見るなりすまなさそうな顔をして売れないと言ってきた。
………おい、調達しろとか言っといて売らないように圧力かけるとか馬鹿なの?ねえ、あの人達俺に何を求めてるの?
理不尽な父と学園長にイラつきを隠せず下を向きながら早足で歩いていた。
そして気がつくと見知らぬ場所にいた。
……ま、迷子になってしまった。
迷子になった俺は取り敢えず真っ直ぐ進む事にした。真っ直ぐ進んでいればいつか知っている道に辿り着くだろう………そう思ってた時期がありました。
どこに行っても行き止まり。引き返そうにもまず来た道が何処か分からない。それにもう日が落ちてしまっていて辺りは真っ暗。人も見ていない。
「どうしよう」
少し、ほんの少しだけ不安になった俺の目から汗が出てくる。このまま3日が過ぎてしまうのではないかと考えると益々不安になってきた。
もう歩く気力も無くなり、座り込んだ。体育座りをしてひたすら人が通るのを待つ。
それからどれほど時間が経ったのだろうか。
「どうした坊主」
俺の元に神が舞い降りた。
「がっはっは。そりゃ大変だったな坊主」
事情を聞いて笑い出した俺の救世主の名前はトゥルクさん。ドワーフで昔鍛冶をしていたそうだ。ただ、今はもう鍛冶をしていないらしく剣は打たないらしい。理由は教えて貰えなかった。
「どうしましょう。素手で森狼の討伐とか無理ですし」
「そりゃ土下座でもして誰かに武器を借りるしか無いんじゃないか?」
「僕みたいな奴に貸してくれる人なんていませんよ」
「そうだな。人はいないかもしれないな。それじゃあ人じゃない奴に借りたらいいじゃないか」
「そ、それって……」
俺はトゥルクさんの言葉に目を輝かせるが、世の中そう甘くなんてなかった。
「悪いが俺は今まともな武器は持ってねぇし作る気も無いんだ。だが、もしお前にその資格があると言うのなら俺が一つだけいい方法を教えてやろう」
「資格?資格って何ですか?」
「こいつを叩き折る事だ」
そう言ってトゥルクさんが持ってきたのは刀身から鍔にかけて全てが黒で染まった剣だった。
転生した天才ニートは異世界で最強でした。
の方もよろしくお願いします。
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