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神様こんなの頼んでないよ!(仮題)  作者: 道端に落ちてる軍手
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五話

「……ス…グレ……ス…グレイス!」


薄く瞼を開けると、ぼやけた視界に名前を呼ぶ少女の姿が映る。

徐々に定まっていく視界。そこには泣き腫らした目で見つめる幼馴染みの姿があった。


「ア、アイリス?……っ!」


「グレイス!?どうしたの!ねぇ……」


突然襲いかかる頭痛に俺は耐えることが出来ず、狼狽えるアイリスを見ながら再び意識を手放した。




それから三日後、俺はようやくベッドから起き上がる事が出来るようになった。この肉体の記憶は全て俺に受け継がれており、友人関係や基本的な知識は頭に入っていた。

今現在幼馴染みであるアイリスは授業を受けており、暫くここに来る事は無い。

俺は一度落ち着いて今の状況を整理した。


どうやらこの世界では地球とは違い魔法が存在し、更に自らの能力を数値化したステータスというものも存在するらしい。

便利な事に自分のステータスはステータスと思い浮かべるだけで確認出来るらしい。


ステータスについての詳しい知識がなかったので神様から与えられた知識から調べた。それを使えば直ぐにわかるのはいいけど、膨大過ぎて頭が痛くなるのが欠点だな。頭痛はまだ膨大な知識の定着がしてない影響らしいのでもう暫くしたら頭痛無しで調べられるらしいのでそれまで出来るだけ頼らないようにしよう。


気紛れで転生させてくれた神様に感謝感謝。


「おお!」


俺はそんな事を考えながらステータスと思い浮かべる。すると視界にゲームでよく見るようなステータス画面が現れた。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

グレイス・レクサー

男 10歳

LV3

体力 20

魔力 50

筋力 60

防御 10

敏捷 30

知能 30

運 5


戦闘系スキル

剣術LV8 受け流しLV8 居合LV7 投擲 LV6 回避 LV6 二刀流 LV3 槍術LV3 見切りLV3


生活系スキル

算術LV10 速読LV8 暗算LV8 解読LV5 礼儀作法LV4


耐性スキル

苦痛耐性LV4 病気耐性LV3


特殊スキル

索敵LV5 危機感知LV5 気配遮断LV4 忍び足LV4


称号

神童 下剋上


ーーーーーーーーーーーーーーーー


一般的な成人男性のステータス平均は10




スキルは、

LV1 初心者

LV3 二流

LV5 一流

LV7 達人

LV9 天才

LV10 神域


らしい。


…………これなんてバグ?


俺は頭痛など気にせず知識を漁る。その結果、俺がこんなバグステータスの理由が判明した。


今の俺のステータスは地球で鍛えていた時の能力がそのまま反映されたらしい。3歳から鍛えられたてきた肉体と技術があるのだからこのステータスは当然の結果と言えばそうなのだが。普通に鍛えていただけでこれなんだから神様から与えられる肉体になった時にステータスがどう変化するのか………


「考えただけで頭が痛くなってきた」


「えっ!?大丈夫?」


この時間にここに居ていいはずの人物の声がする。

普通ならあり得ない出来事に俺はマヌケな声を出してしまう。


「………は?」


「頭痛いの?先生呼んでこようか?」


「いやいやいやちょっと待て。アイリス何でここにいる」


「グレイスが心配だから」


………まじで頭が痛くなってきた。


眉間を指で揉み解す俺を見て再びアイリスが心配そうにこっちを見てくる。


「本当に大丈夫?」


「アイリスが来てからますます頭が痛くなった」


「なんで!?」


「そりゃそうだろ。何でお前がここに居るんだ!今はクラス振り分けされてから受ける最初の授業だろ!」



1ヶ月前のエリオン学園の初等部最後の授業で俺たちがいるエリオン王国、その騎士団との模擬戦闘。それと、ステータスだけでは無く適性まで調べる事の出来る真理の石を使って生徒の能力を数値化してクラス振り分けがされた。


幼馴染みのアイリスは模擬戦闘、ステータスのどちらも上位でAクラスに入ったエリートだった。

ちなみに転生前の俺は、学年最下位で落ちこぼれと言われていた。


そんな俺が成績優秀、容姿端麗、温柔敦厚なアイリスと仲良くしていて疎まれないわけがない。俺もそこそこな顔立ちだったが、実力主義のこの世界ではステータスが低いというのは物凄いマイナスだった訳で、当然の如くいじめられる毎日。それが振り分け後に更に酷くなり耐えられなかったグレイス君は自殺を図り俺と入れ替わった。


本人には全くもって非はないのだが、自殺する原因を作ったアイリスを許せるというわけではなかった。



「グレイス?」


「ああ、ごめんなさい。シルフィーナさんがAクラスを抜け出してきたことに驚いてしまいました」


だから突き放す。幼馴染みだったのはグレイス君だ。俺とは関係が無い。


「ねえ、何でシルフィーナなんて呼ぶの?さっきみたいにアイリスってーー」


「ほら、シルフィーナさん。先生が迎えに来ましたよ」


「シルフィーナさん戻りますよ。ああ、それとグレイス君は学園長の所に行ってください。学園長から今後の事に関してお話があります」


「………わかりました」


恐らく除籍関係の話であろうと察した俺は、アイリスが喚き散らしているのを無視して、未だ少しふらつく足どりで学園長の所に向かった。




おまけ

グレイスさん(故)のステータスです。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

グレイス・レクサー

男 10歳

LV8

体力 12

魔力 5

筋力 6

防御 9

敏捷 4

知能 9

運 2


戦闘系スキル

剣術LV1 槍術LV1


生活系スキル

算術LV1 料理LV5


耐性スキル

苦痛耐性LV2


特殊スキル

なし


称号

落ちこぼれ 見捨てられた者


ーーーーーーーーーーーーーーーー


ストックはこれで終わりです。

次の話からは不定期更新になります。

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