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妖狐佐々木戦争 敵討ち

 ここは妖狐衆アジト前。ここではこの戦争の最終決戦が行われ、一流の武闘派同士が命を懸けて戦っている。そしてその最中、屋根の上でも激戦が繰り広げられていた。


「くたばれぇぇい!!」


「効かない!!」

 シオンと烏の刃が激しくぶつかる! そして間髪入れずに嵐のような斬り合いに入る!


「ぐっ!」


「チェリャァァアア!!」

 シオンはなんとか致命傷を防ぐがやはり白兵戦では奴の方が一枚上手だ。シオンの身体から血飛沫が上がる!


(クソッ! どうにかしないと……)

 その瞬間、シオンが一歩踏み込んだ! しかし奴も反応し脇腹を切り裂いた!


「ぐっ!」

 だがシオンは強引に距離を詰めた! そして奴を逆袈裟に切り上げる!


「ハァァアア!!」


「効かぬぅぅうう!!」

 だがすんでのところで奴が長ドスを間に滑り込ませた。そしてそのまま強引に距離を取る!


「クソッ!」

 シオンが明らかに攻めあぐねている。その原因は奴の使う技、「重心取り」だ。重心取りはその名の通り武器を介して相手の重心を奪い、確実に先手を取るというものだ。

 暗殺者であり、近接技を中心とするシオンにとって動きを止められ、先手を取られるのは最も避けたいものだ。

 その瞬間、烏が突っ込んだ! そして強力な袈裟斬りを落とした!


「喝ぁぁぁああ!!」


「チッ!」

 シオンは横っ飛びで避けるものの追撃が繋がってくる!


「くっ!」

 シオンはそれも寸前で避けるがそれによってバランスを崩してしまう。


(ここだ!)

 それを見た烏が長ドスを反転させてシオンの喉を切り裂きに行く!


(しまった!)

 その次の瞬間……奴の目の前からシオンが消えた。


「なにっ⁈」

 奴が急いで周りを見回すと消えた理由がすぐにわかった。

 それは、上だ。


(なんと! あそこから……)

 そう、シオンはあの瞬間に能力を発動し攻撃を躱していたのだ。

 そして両者が再び距離をとった。


「ハァ……ハァ……」


「ふんっ……」

 シオンは能力の反動で息切れをしているが反対に烏は冷たくシオンを見据える。


(どうにか反撃しないと……でもどうやって?)

 近接戦を長引かせれば重心取りをくらい、遠距離では戦えない。ヒットアンドアウェイではタイミングが読まれるし能力を使っても五分でやれるかどうか。

 シオンの頭が恐ろしい速さで回転する。

 そして同じタイミングで烏も思考を巡らせていた。


(このままいけばコイツは間違いなく殺れる……だが気にかかるのはコイツが桃矢と赤坂の2人を倒したという事実)

 常に冷静な烏がここまで攻めあぐねている理由。それはシオンの見えない実力にあった。現実、烏とシオンの実力差は大きい……順当にやればシオンに勝ち目はない。

 しかしシオンはこの前に赤坂と柳の2人を倒した。両者とも烏より強いとはならないだろうがそれでも2人とも烏が認めている一流の戦闘者だ。烏が今感じているシオンの実力とこの2人を打ち倒すに至る実力には明らかな差があった。


(推察の域を出ぬが、先刻の跳躍と言い、恐らくコイツは何かを隠している……一流さえも超える何かが……)

 この烏という男は根底から大真面目であった。

 その瞬間! シオンが飛び出した!


(ドライブ、1!!)

 そして能力も使い一気に最高速度に達する!


(私の推理が合ってるなら……やる価値はある!)

 そして小太刀を逆手に構えた! だが烏は既に動いている。


「喝ぁぁぁああ!!」

 そして凄まじい速さの横薙ぎを繰り出した!

 次の刹那、またしてもシオンが烏の目の前から消える。


「ぬぅぅう!!」

(それは読めておる!)

 そして奴が上を睨みつけ長ドスを強引に持ち上げた! だがその時、予想外が起きた!


「妖狐流双刀術三の段! 獅子爪乱舞・空!!」

 なんとシオンが空中にいながら大技を放ったのだ! 能力使用状態で一気に斬撃の雨を叩きつける!


「なにっ⁈」

 この攻撃は流石に奴も予想外だった。


「ぐぅぅうおぉぉおお!!」

 奴が防御に回るが頭上からの攻撃への防御はいくら奴でも限界がある。一瞬にして奴の上半身は血に染まり、また能力を使っている影響で一撃一撃の重さが違う。耐えれば耐えるほど、足元が沈んでいく。


(くっ……やはりコイツ、実力を隠していたか!)

 そしてシオンの猛攻が止んだ時、奴は既に満身創痍と言った状態だった。

 しかしシオンも能力の反動で咳き込んでいる。

 だが、


「隙を見せたなぁ! 終わりじゃぁぁああ!!」

 烏の方が回復が早い! そして紅に染まりながら突っ込む!


(クソッ!)

 シオンはなんとか迎撃体制をとるが、今のシオンでは防げるはずもない。


「ぐぅぅぅうう!!」

 奴の強烈な一撃がシオンのガードを弾き飛ばした! だがシオンも咄嗟の判断で後方に回転して奴の制空圏外へ逃れた。

 そして両者が選んだのは、覚悟を決めた正面からの斬り合い!


「ここで仕留める!!」


「チェリャァァアア!!」

 まるで獣が喰らい合うかのような激しい攻防が繰り広げられる! だがやはり血飛沫が上がるのはシオンのみ。


(やっぱりそうだよね……でもドライブ1を使えば!)

 その瞬間、シオンが能力を発動! 刃がどんどん速く重くなる。


(クソッ! 押されるっ……!)

 しかしその刹那、烏の目が見開かれる!


(ここだっ!!)

 そしてシオンの刃に長ドスを合わせた!


(まずい!)

 シオンは咄嗟に逃げようとするがもう遅かった。


(重心、取ったり!!)

 すると一瞬でシオンの動きが止まる。


「狐! 討ち取ったり!!」

 そして奴が攻めに転じようとしたその瞬間!


(何も考えてないと思わないで!)

 なんとシオンの足が動き、奴の脛に強烈なローキックをお見舞いした!


「がっ!」

 それによって奴がバランスを崩す。


「もらった!!」

 そしてそれと同時に奴の腹を薙いだ! 

 そしてシオンが一気に奴を押し込み、鍔迫り合いに持っていく!

 しかしその瞬間、奴の口角が少しばかり上がった。


「食らえぇぇええ!!」

 そしてカウンターの拳をシオンの額に飛ばした!


(大丈夫、勢いもない。額で受けてもう1発ぶち込む!)

 そしてシオンが冷静に奴の拳を額で受けに行った瞬間、なんと奴の拳が突如として開いた!


(なにっ⁈)

 そしてそこにあったのは謎の黒い球体。さっきまで受けるつもりだったシオンにこれは避けられなかった。

 次の瞬間! シオンの額にそれが叩きつけられたと同時に、なんとその球体が爆炎と閃光を放ち爆ぜた!


「がっ!」

 仮面が跡形もなく吹き飛び、シオンの額から血が吹き出す。そのままシオンはふらつきながら後ろへ下がる。


「ふぅ、相変わらず痛いな……まぁ、お前はそんな程度じゃないと思うがね」

 烏は余裕そうな笑みを浮かべながら手から恐らく衝撃軽減のためだと思われる鉄板を落とす。


「ぐおっ……」

 だがシオンには烏の声もなにも届いていない。


(チクショウ。頭が……完全に割れた)

 その時、シオンが力を振り絞り奴に問いを投げかける。


「今のは……何?」


「ふむ、どうせ死ぬのだから冥土の土産に聞かせてやろう。あれは癇癪玉、近接用の炸裂弾だ。桃矢が一番得意としていた搦手だ。お前が生き地獄を味合わせた弟のな……」


(柳が? ……ってことは、あの時突っ込んできたのもあれをやるため……?)

 烏の言葉にシオンが思い出したのは柳との戦闘。奴はシオンをチャカで削った後、不自然な突進をしていたのだ。

 今までその理由はなんなのか不明だったが今なら痛いほどわかる。


(確かにこの威力なら人1人簡単に殺せる)

 そうしてシオンが納得した時、烏の目が再び鋭いものに変わる。


「さて、無駄話ももう終わりだ。くたばれ」

 そしてそう言いながら長ドスを拾い上げ、シオンに歩み寄る。


(クソッ……動け、動けよ……)

 しかしどんなに動こうとしてもシオンの体は微動だにしない。


「我が弟の仇……討ち取ったり!」

 そして風を裂いて長ドスが振り下ろされる。


(もう、ダメか……!)

 全て終わったと思われた……だが、次の瞬間シオンは跡形もなく消えていた。


「なにっ⁈」

 本日3回目、だが今回は今までより明らかに異質だった。今まではシオン自身も動けていた。

 しかし今は違う。頭は完全に割られ、度重なる出血によって動けないはずだった。


(まさか……)

 その瞬間、何かを感じた奴がゆっくりと後ろを振り返る。

 その先にいたのは、さっきまで死にかけていた人間とは思えないオーラを放っているシオンの姿だった。


(なんと、あそこから……)

 そして烏の緊張感がマックスになる。


(動かしてはいかん! 速攻で仕留める!)

 その瞬間! 凄まじい踏み込みでシオンの懐に入り込み、唐竹割りを落とす!

 だがその一撃は、シオンの片腕でいとも簡単に止められた。


「なんだと⁈」

 烏は全く手加減などしていない。なのにまるで小さなボールを受け取るようにして止められたのだ。


「お返し」

 そうシオンが呟いた瞬間、凄まじい威力の蹴りが奴の腹に突き刺さる!


「ぐぉぉぉおお!!」

 あまりの威力で奴が遥か後方に吹き飛んだ!


「がはっ……この、舐めた真似を……!」

 奴は血を吐きながらも立ち上がり、再び突進する!


「貴様は俺に殺されるべきなのだぁぁああ!!」

 半狂乱になりながらもシオンを殺そうと長ドスを振り上げた!

 しかし、


「遅い」

 シオンがそう吐き捨てたとほぼ同時、もう既にシオンは奴の横に立っていた。


「くたばれ」

 そして温度のない小太刀を振り下ろす。その一刀は一切の無駄なく、烏の首を切り落とした。


「がっ……!」

 それと同時に奴の命脈は断たれた。


(終わった……)

 シオンがそう思った瞬間、急に吐血した。


「ゴフッ……!」

 そして力なくその場に崩れ落ちた。

 だが幸い意識はある。



 そうしてシオンは奴との因縁も断ち切ったのだった。

さて、いかがでしたでしょうか?

今回はシオンvs烏ということで今までの2人と違い明確な因縁がある戦いだったので少しばかり苦労しました。

年内にもう1エピソード投稿したいと考えていますので楽しみにしていただけると嬉しい限りです。

ではコメントや感想、評価などありましたらしていただけると嬉しいです。

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