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妖狐佐々木戦争 狩人か獲物か

 ここは妖狐衆シマ内のとある路地裏。そこで謎の男「マムシ」とリンさんが交戦していた。状況は……リンさんが劣勢だ。


(なんで……コイツが……)

 リンさんがここまで驚いている理由……それは、このマムシという男が僕たちと同じように能力を持っていると言ったからだ。

 だがリンさんも驚いている傍ら、冷静に状況を見ていた。


(視界が悪い……少しはマシになったけど、まだ時間がかかる。奴の能力も分からないけど、おそらく「無音で歩く」か「毒を吐く」のどちらか。なら……近づけないのがベスト!)


「蜂の巣にしてやる……!」

 その瞬間、リンさんがライフルを構える! そして一瞬の内に3発の弾丸を放った! その狙いはバラバラで奴の退路を塞ぐ!


「効かぬ」

 しかしマムシは涼しい顔をしながら盾でその弾丸を受け止める。


(まだまだ!)

 それとほぼ同時にリンさんが取り出したのは謎の円柱型の物体。そしてそれについていたピンを引き抜いて奴の足元に投げた!


(これは……)

 マムシが身を翻そうとした瞬間、その物体が眩い閃光を放つ! 謎の物体の正体、それは閃光弾だったのだ!


「ぐおっ!」

 閃光弾の最も近くにいたマムシは完全には避けきれず右目が使い物にならなくなる。


「キツそうですね」

 だがリンさんは攻撃の手を緩めず凄まじい早撃ちで奴を攻め続ける!


(クソッ!)

 奴も盾で防ぐものの見えない事で2発の弾丸が奴の足と脇腹を掠る。

 その時、マムシが再びマスクを下ろす!


(もう一度視界を奪う!)

 そして紫色の煙を路地いっぱいに吐き出した! そして実体なき暗殺者がリンさんに襲いかかる!


「クソッ!」

 なんとかリンさんも袖で鼻を覆い、吸わないようにするが完全には防げない。その瞬間、リンさんの視界が歪む。その刹那、奴が投げナイフを投げる!

 そんなの避けられるわけがない。


「ぐっ!」

 次の瞬間、ナイフがリンさんの肩を捉える! 刺さった場所から血が滲む。


「チッ!」

 一瞬でナイフを抜くがその時には既に……奴は目の前にいた。


「大人しくしてもらおうか」

 そして奴は盾を突き出して体当たりをする!


(これなら防げる!)

 リンさんはライフルを盾がわりに受け止めに行く。だがその時奴が咆哮を上げる。


「ハァァァアアア!!」

 その瞬間、リンさんがまるでゴムボールかのように弾き飛ばされた!


「ぐぅぅうう!!」

 リンさんが地面を滑る。奴の体当たりはそこまでの威力を含んでいるとは思えないものだった……だが何かが放出されたようにリンさんが吹き飛ばされたのだ。


(クソッ……肋骨が持ってかれた)

 リンさんが激しく吐血するがそれでも立ち上がる。


(コイツは……ここで仕留める!)

 その瞬間、リンさんが強烈な踏み込みで前に出る!


(賭けに出たか……)

「愚かな!」

 するとそれに呼応するようにマムシも前に出る! そして2人が正面からぶつかる!


「ハァァァアアア!!」

 するとマムシが地面を踏み抜く! そしてさっきと同じように盾を突き出した! その時、リンさんが何かを握りしめる。


(ここ!)

 その瞬間、マムシの体当たりが炸裂する!


「ぐはっ!」

 リンさんはさっきと同じように吹き飛ばされる……だがその直後奴が何かに気づく。


(なんだ……これは!)

 それは奴の盾の内側にあった謎の物体。だがマムシは何かに気づき、それから距離を取ろうとする。

 だが次の刹那、その物体が爆炎と化して爆ぜた!


「ぐぉぉぉおおお!!」

 それの正体は炸裂弾。なんとリンさんはあの吹き飛ばされる瞬間に炸裂弾を2個、奴の盾の内側に置いていたのだ。

 明らかにリスキーすぎる一手、だがそれ故に奴はその択を無視した。


(上手く行った……)

 そして煙が晴れた時、現れたのは……体の前面に大火傷を負い、左腕を吹き飛ばされたマムシの姿。奴が前にふらつく、その瞬間奴のマスクが落ちた……。


「ちょっと……まずいかも……」

 リンさんはそう呟いてライフルを構えた。

 何がまずいのか、簡単だ。奴はガスを吐き出す時マスクを外すという動作が必要だった。その動作は短いようで分かりやすく、今までなんとか直撃を避けられる程になっていた。

 しかし、マスクが無くなった今それがノーモーションで出来るようになる。つまり「近づかれたら終わり」になってしまうのだ。


「真眼の者……行くぞ!」

 奴がそう言った瞬間、まるで空間を切り取ったかのように目の前に現れる!


「くっ!」

(速い!)

 そして奴の袈裟が落ちる!


「さらばだ!」


「ぐぅぅうう!!」

 リンさんはギリギリで避けるが速さ、威力共にまるで別物。そして休む事なく追撃が飛んでくる! その勢いはまるで竜巻、リンさんもバックステップで逃げようとするがピッタリとついてきて命を刈り取りに来る!


(なんとかしないと……)

 そうしてリンさんがチャカを出し早撃ちをしようとした瞬間!


「フゥゥウウ!!」

 至近距離で奴が煙を吐き出した!


 ”毒霧紫煙どくむしえん!!”


「なっ……!」

 それはあまりにも完璧だった。次の瞬間、リンさんが力無く倒れる……


「……ようやく、終わったか……」

 マムシが深いため息をつき、懐から何かを出す。そしてそれを振り上げた。


「さらばだ。我が最高の獲物よ」

 そうして頭なくそれを振り下ろした。その瞬間、


「ぐぅぅうう!」

 なんとリンさんが目を覚まし、間一髪で避けたのだ!


(何⁈)

 こんなことは誰も予想できない。マムシはただただ呆気にとられるしかなかった。

 そしてリンさんが立ち上がり、マムシと向かい合う。


「なぜ……なぜだ? あれは間違いなく食らっていただろう。なのになぜ動ける!」

 その言葉にリンさんは自身の顔を見せつけた。


「できれば使いたくなかったけど、しょうがないよね」

 その時、マムシの顔に映っていたのは……眼が紫色に光っているリンさんだった。


(あれが真眼……面白いな……)

 だがその瞬間マムシの頭に一つの疑問が浮かんだ。


「お前、なぜあの煙を防げたのだ?」

 それは至極単純な疑問。あの煙はほぼゼロ距離からリンさんの顔へ吐かれた。少し吸っても視界に影響が出るような代物なのにリンさんはそんな攻撃を防いだのだ。

 その問いに対してリンさんは静かに答える。


「まぁ……難しいかもしれないけど、いわば私はこの目に映った情報を隅から隅まで知り、理解することができる。どんなに細かな変化でも不確定な形をしているものの届きうる範囲も、何もかもね」

 そう話すリンさんの顔つきは今までと全く違う。


「……なるほどな。それなら防げたのもわかる」

 マムシは極めて冷静に理解し、そう呟いた。そしてその瞬間、再び煙を吐き出した! その煙は路地を覆いつくしリンさんに音もなく近づく!


「能力が分かったのならば狩り方を変えねばなるまいて!」

 奴はそう言って煙を吐き続ける!


「ちっ!」

 リンさんはそれを吸わないようにしながらバックステップを踏む! だがおかしい……


(何故煙が消えないの?)

 それは今までにはない違和感……今まで奴が吐いていた煙はほとんどが吐かれて直ぐに無色となり匂いも無くなった。なのに今吐かれている煙は全くその気配がない。

 そのままリンさんは煙に押されるように路地から飛び出た。そのままライフルを構えて迎撃しようとするが……


(クソッ……煙のせいで狙いが定まらない)

 その次の瞬間、煙の中から大火傷を負ったマムシが飛び出した! そして必殺と言わんばかりにリンさんの胸を深く切り上げた!


「ぐぅぅうう!!」

 そしてリンさんの胸ぐらを掴み煙の中に投げ飛ばした!


「ぐっ!」

 未だ立ち込める煙の中、息もまともにできない。


「そろそろ死に時だ! 真眼の者よ!」

 そして凄まじい勢いでリンさんに突撃した!


「死ねぇぇええ!!」

 そして奴が煙を切り開き、剣を振り上げた! 

 それとほぼ同時、リンさんは引き金に手を置く。奴は決意を宿した目で剣を振り下ろす。


 直後に響いたのは……銃声と血飛沫の上がる音。


「くくっ……やはり、狩りは面白いなぁ……」


「私は、そうは思わない」


「あの世で待っているぞ。お主らをなぁ……」


 そう言い残し、奴は崩れ落ちた。この戦いを制したのは……リンさんだ。

 だがその瞬間、リンさんも倒れた。


(まずい……ちょっと吸っちゃったし傷が深い……)

 リンさんは最後の力を振り絞り、懐から狼煙を取り出す。


「来て……龍樹さん……」


 そしてそれを空に向かって打ち出した。それは遠くで何かを見つめていた龍樹さんの目に入る。


「パイセン……」

 そして龍樹さんは走り出した。だが同時にあるものを発見する。


(ありゃあ……まさか……!)

 そして龍樹さんはより一層速度を上げた。



 そしてこの戦争はいよいよ最終局面を迎える。

さて、いかがでしたでしょうか?

今回は能力者vs能力者を描けて何よりです。私自身の予定で中々書けませんでしたが個人的には結構しっかりと書けたと思います。

それではコメントや感想、評価などありましたらしていただけると嬉しいです。


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