雪月花のデート企画 優斗のプラン
「はーい、こんにちはー! 雪月花の雪宮唯です!」
「雪月花の望月龍だ!」
「雪月花の花園優斗でーす」
今日は雪月花の公式チャンネルの撮影の日。
恒例の挨拶から動画の撮影は始まった。
「今回はゲストを呼んでの撮影となっています! それではさっそく登場していただきましょう! どうぞ!」
「初めまして。水野桜と申します。この度、SSSに所属させてもらうことになりました。初めての撮影ですが、皆さんに楽しんでいただけるように頑張ります」
俺が水野さんを呼んで自己紹介をしてもらう。
緊張がこちらにも伝わってくるくらいには表情や言葉がちょっと固い。
うーん、俺たちのほうで緊張をほぐさないといけないかもな、これは。
「今回は出演してくださってありがとうございます。水野さんとはこの前の雑誌の対談ぶりですね」
「あ、はい。そうですね。その節は色々とお世話になりました」
「いえいえ、こちらこそ。とりあえず、時間も限られてますし、今回の企画の説明に移りましょう。じゃあ龍、よろしく」
「おう! 今回は水野さんにカメラを持ってもらって、俺らとの疑似デートをしてもらうな! それで最後には一番よかったデートプランを水野さんに判定してもらう。ちなみにこれは視聴者の人にもデート気分を味わってもらいたいから、好みのデートがあったらコメントに書き込みよろしくな!」
龍から企画の説明が終わり、水野さんの意気込みなど軽い会話がされた後、今回の撮影、疑似デートがスタートするのだった。
「まずは僕からねー。僕のデートは秋葉原でゲームデート」
場所は変わって秋葉原。
今回のデート企画のトップバッターは優斗からスタートした。
「僕、あまりアウトドアなのは好みじゃないから、一緒にゲームできればいいなーって思ったんだー」
「なるほど。私、ゲームは普段あまりやらないので楽しみです!」
「そうなんだー。じゃあ僕が色々教えてあげるー」
「お願いします!」
そう言って優斗と水野さんは建物へと入っていく。
そして俺たちはというと……。
「おお、優斗がまともにエスコートしてるな!」
「なんか意外だよな」
少し離れたところから優斗たちのデートを見守っていた。
もちろんこの場面も映像に撮られているので、下手なことは言えない。
しかし、よく知るメンバーの意外な一面を見られるせいか、俺たちもちょっとテンションが上がってしまっていた。
「おっと、俺たちも中に入ろうぜ! こういう店、自分じゃ入らねえから楽しみだ!」
「そうだね。行こうか」
俺と龍も優斗たちの後を追って店内に入る。
受付を済ませて、優斗たちから少し離れたパソコンの前に座った。
優斗たちはというと、優斗が水野さんに何やらレクチャーをしている。
恐らく、一緒にやるゲームの操作説明なのだろう。
水野さんもそれを真剣に聞き、時折頷いている。
「普段は俺らに甘えてる優斗だけど、意外と面倒見はいいのかもしれないね」
「だな。俺らもこれからはあいつを甘やかすの控えるか」
「でも、なんだかんだ結局世話焼きそうだけどね」
優斗の意外な一面を見て、俺たちはニヤニヤひそひそと好き勝手なことを言い合う。
そんなことをしていると、彼らはゲームを開始した。
優斗が指示をしながら、水野さんが頑張ってそれに食らいついている。
そして十数分後。
「やったー! 水野さんナイスー!」
「あ、ありがとうございます! 花園さんのお蔭でやれました!」
どうやら優斗と水野さんのチームが勝てたようで、二人は笑顔でハイタッチをしていた。
「おお。上手くやれたっぽいな!」
「だね。優斗も結構しっかりと指示してたみたいだし、やっぱり周りを見る力に優れてるな、優斗は」
喜ぶ二人を微笑ましく眺める。
正直最初は優斗しっかりエスコートできるかなと心配していたけれど、それは杞憂だったようだ。
なんなら、しっかりしすぎていて、むしろ俺のプレッシャーが……。
まあ、今更心配しても仕方ないか。
「とりあえず、俺たちもなんかゲームしようか。せっかく来たんだし」
「だな! じゃあ、これなんてどうだ?」
「お、いいね。それにしよう」
優斗のエスコートにも安心できたので、俺と龍もゲームを楽しむことにした。
それから時間は過ぎ、退店の時間が訪れる。
「あー楽しかったー! 水野さんは楽しめたー?」
「はい! 凄く楽しかったです!」
二人はカメラの前で各々の感想を述べる。
そしてある程度落ち着いてから俺と龍もフレームインした。
「二人ともお疲れ。優斗もエスコート上手だったね」
「んー、特には気にしてなかったけど、ちゃんとデートっぽく見えたのならよかったー」
「私、こんなにゲームが楽しかったの初めてです! ありがとうございました、花園さん!」
「それならよかったー」
「じゃあ、ちょっと休憩したら次の場所に向かおうか」
そして一旦カメラを止めて昼食などを取り、龍のデートプランの場所へと車で向かうのだった。




