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オーディションの結果

 審査後の昼休憩を経て、私たち参加者は元々の席へと戻った。

 昼休憩は桜ちゃんとお互いを労いながらご飯を食べて、私たちが別れてからの話を色々と話していたから時間はあっという間だった。


 「参加者のみなさん、お待たせいたしました。これより、オーディションの合格者を発表させていただきます。名前を呼ばれた方は残っていただき、それ以外の方は退室をお願いいたします」


 最初に注意事項を述べていた女性の審査員の方がステージに立って進行を始める。

 それに伴い、私含めて周りの緊張感が高まった。

 正直、受験の合格発表よりも緊張する。

 本番とはまた別のドキドキが私を襲う。


 お願い、呼ばれて!


 私は両手を握り、神様に祈る。

 体感で長い長い時間が過ぎて、そしてついにその時は訪れた。


「二十五番、水野桜さん。以上です。おめでとうございます」


 桜ちゃんの名前が呼ばれ、それ以外の名前は呼ばれることはなかった。

 審査員が桜ちゃんに拍手を送る。

 私は結んでいた両手から力が抜け、項垂れそうになった。

 それをぐっと堪え、私も桜ちゃんに向けて拍手を送る。

 悔しさもある。悲しさもある。

 でも、あれほどの芝居をした桜ちゃんを称えなくちゃ、私は演技者として失格だと思ったから、精一杯の頑張れとおめでとうを込めて手を叩いた。

 私に続き、ぽつぽつと周りから拍手の音が聞こえてきた。

 悔しそうな顔をしながら叩く人。涙を流しながら叩く人。

 色んな感情を表に出しながらも桜ちゃんを称える。

 そしてその対象である桜ちゃんは立ち上がり、涙で顔を濡らしながら周りに頭を下げ続けた。


「では水野さんは残っていただき、それ以外の方は帰宅をお願いします。後日、総評を記載されていた住所に発送させていただきますので、それを参考にして更なる飛躍とまたのご参加を願っております」


 最後にそう占められて、私の初めてのオーディションは終わった。



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