第四話 電話
椅子に座って足を机に置きマリアは、部屋の端にある旧式テレビを見ていた。
どうでもいいただのバラエティー番組だが時間潰しにはちょうどいいだろうと思い見ていた。
『あーなんもねぇ〜。依頼も何もかもねぇじ
ゃあねぇかぁ〜クソォ。』
依頼人がいないのがイライラしていた私に電話がきた。
ダイヤル式の電話タイプでマリアは、機械音痴なので電話に出ることしか知らない。
依頼が来た事に嬉しかったのかすぐさま電話に出た。
『はい。こちらマリア商会です。なんでもござれの依頼を解決しまーす♪』
『こちらは、貴族院サンダール学校です。マリア様でしょうか。実は、少々問題が起きていまして、ソルシャちゃんが襲われ誘拐されたそうです。こちらで対応しますので心配し..』
驚きと焦りで電話を切ってしまった。
なぜなら知ってしまったのだ。
それはテレビで流れていた。
『速報です。貴族院サンダール学校に侵入し1人の少女..ソルシャちゃんが誘拐されました。現場付近には、逃走中に落としたとみられる怪しい不気味な仮面が落ちていてどうやらあの伝説マフィア..黒蛇狐のトレードマークと同じものでした。これはただのファンなのか?それとも本当に?まだ詳細はわからないですが引き続き調査していくつもりです。現場に..』
頭が真っ白になった。
『嘘..だろ。まさかあいつらの..くっそ私が一緒について行っていればちくしょー!』
お店の壁を殴り少しヒビが入った。
『学校が憲兵に相談するとは、思うが頼りねぇなぁ。もしソルシャに何かあったら..いやダメだ。あいつは、そう簡単に死なねぇはず..早く助けねぇとな。またあの時代を思い出すのは、こりごりだけどなぁ。うん?なんだ?』
ポケットにあった端末が鳴っていた。マリアは、すぐさま取り出し端末を見た。
赤い点と建物らしき図面が映っていた。
『此処にいるのか!良かったスイッチを押したという事は、生きてるんだな。一応念のためにアレを持っていくか。』
マリアは、机を蹴り上げ真下にある床を脚で壊した。
周りで壊れた木を手でどかし鉄製の箱があった。
その中を開くと何種類もの銃と弾が沢山あった。
しかしたくさん種類からとったのは小さい銃とその弾を取り出した。
『久しぶりだなぁボリー。また活躍するとはなぁ。リボルバー式は、やはりお前が一番だな。頼むぜ相棒』
マリアにとって他の銃も扱えるのだが中でもこのリボルバー式のボリーというあだ名をつけている銃は、お気に入りなのだ。
腰に銃とズボンのポケットには弾を入れた。
そして、すぐさまお店の隣にある庭の黒いバイクにまたがりエンジンをかけて走り出した。
『待ってろよ。ソルシャ!』