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銀の乙女の物語  作者: ely
2/2

逃げ出した後

「こんな所に居たのか……」


 泣き伏したリリアーヌだったが、呆れた様な声に顔を上げると、ランドルフが跪いて目の前に居た。


「ランドルフ様……」


 ランドルフがリリアーヌを立ち上がらせて、ドレスについた泥を払う。


「汚れてしまったな……。控え室で大人しくしていれば良かった物を。これではリリを皆に見せ付けてやる事が出来んではないか」


 ランドルフの言っている事が分からず、リリアーヌは首を傾げた。


「もう良い。公布だけで。今日の披露目は無しにしよう」


 リリアーヌはランドルフに抱き上げられた。


「公布?」


 リリアーヌはランドルフに泣いたせいで赤くなった目元に口接けられた。


 リリアーヌが羞恥で赤くなった事で、ランドルフは機嫌良さそうに笑って言った。


「リリと私の婚約発表と、結婚時期の公布だ」


「それは、リゼット様では?夜会のダンスもリゼット様と……」


 ランドルフは眉間に皺を寄せた。


「何故、リゼットを選ばねばならない。あれは部下で、婚約者候補にすら入っていないのに。リゼットと踊ったのは、本人が望んだ褒美だ」


 聞けば「影」をするには、有名になり過ぎたリゼットは、今後はリリアーヌの護衛侍女となり、ダンスは本人曰く「影」引退記念との事だった。


「ところでリリアーヌ。君は私の腕の中に結婚相手として居るのだが、それについてどう思っているのか教えてもらえないか?」


 不機嫌そうな声から一変、甘さを含んだ声でリリアーヌは問われた。


「わ、私、突然の事で……」


 リリアーヌが羞恥の為、言い淀んでいると、ランドルフに唇を塞がれ口接けられた。


「リゼットでは無く、君を愛している、リリアーヌ。私と結婚するか?」


 唇を離したランドルフに言われて、リリアーヌは強く頷くしか無かった。

きっと、お持ち帰りされているであろうリリアーヌ。

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