愚痴
「あー、こうも安月給で足が棒になるとやめたくなるな」
「俺たちの代わりはいくらでもいるからな。働くしかないぞ安物」
「誰が安物だ。これでもフットワーク軽くて使い勝手いいんだぞ」
「張り合ってくるなよ」
「頭は押さえつけられて、上司のいうことはなんでもはいはい。はあ」
「なんでもはいはいが売りじゃなかったのかよ」
「足元さえ固まればなあ」
「補助つけるか」
「あいつらには頼らねえ」
「お前は一人で働けないからなあ」
「お前もだろ」
「実は俺たちはそろそろ一人でやっていけるようになるみたいなんだ」
「なんで俺だけ」
「ずっと思っていたんだ。こいつは信じても無駄だと」
「スズキもヒノも」
「でもお前は違った」
「いすゞもスバルも仕事を任されているのに、俺だけ。あとタイヤが二つあれば」
「お前は正真正銘のバカ野郎だ。ママチャリ」