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グールズバーグの春を愛す ~屍食鬼の街の魔法探偵事件簿~  作者: 吉冨☆凛
第三章 亡き友の魂への誓い
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第二十二話 明日に届く

 食事を終えて戻るとマサムネはまだ寝ていた。

 フェレットは通常「にゃあ」とは鳴かない。

 ププププやらキュキュキュやらカッカッカッという声は出すが、猫のような声では鳴かないのだ。

 もっとも転生して変身魔法も使える生き物だからどんな声で鳴いてもおかしくはないのだが。

「船の外。船の中。生き物。お船も生き物。言葉届かない。心、伝える。電波。おおきな邪神」

 舌っ足らずな声で色々と寝言を言っている。さっきの「にゃあ」も寝言の一つなのかもしれない。

「糸が切れる。みんな沈んでいく。みんな凍っていく」

 突然ビクッとして起き上がり、今度は「キャン」と鳴いて目をまんまるにした。

「あ、ヤマキ、生きてる」

 なんだか縁起でもない事を言う。

「みんな凍って動かなくなっちゃったの。暗い海に落ちて。ロープが切れて。船がバラバラになって」

 涙目になってウルウルしている。

 僕はそっと抱っこしてあげた。

 怖い夢を見たようだ。

 だが、なんとなく縁起が悪いので、ちょっとだけ詳しく聞いてみる事にした。

 魔法だの宇宙人だの何でもありの世界だ。イタチが予知夢を見ることくらいあるだろう。

「おっきなお船が二つあって、黒い方にみんなで乗ったの。海の上でぷかぷかして楽しかった。白っぽいお船に紐を結んで引っ張ろうとしたら怖いのがいっぱい飛んできて紐が切れてお船が壊れて沈んじゃったの。そんでね、おっきな怪物が白い方のお船も壊してみんな沈んで……凍って死んじゃうの。でね、引っ張る前にちゃんとお話ししようとしたけど、声だとダメで……なんかよくわからないや」

 物凄く予知夢っぽい。

 嫌な予感しかしない。

 人間とイタチが同じかどうかわからないが、夢は起きて少し経つと大抵忘れてしまうものなので、僕は肉屋のチラシの裏にマサムネの夢日記を書き付けておいた。

 『無線』『言葉』『切れないロープ』『巨大な邪神』という覚え書きも忘れない。

 無線は当然持って行くし、巨大な邪神が出る事もあるだろうが、その辺は想定の範囲内だ。

 ただ、言葉が届かないというのは少し気になる。

 これも要調査だ。

 邪神の大きな奴が出たら”封印されし我が右手”を使うしかない。

 ちょっと厨二病風でダサかっこいい。

 実際にフルパワーで使ったら邪神どころか畝傍含めて全てが消滅するだろうから、一応対策だけは考えておきたい。

 でも、攻撃魔法の制御ははっきり言って苦手だ。出せば出すだけ出てしまうのだから仕方無い。

 とはいえ、チンポはあるのに進歩無いですねと言われ続けるのも嫌なので、作戦までに威力の制御をもっと練習しておこう。

 あ、何か別の魔法にしてしまうのも良いかもしれない。

 ゲーム動画で猫を出し続ける能力とかあったのを思い出した。

 あんな感じで複雑なのを沢山出せば魔素(マナ)消費は物凄いはずだ。

 出すだけ出して賢者モードの一発。

 技名は何が良いだろう? 昔聞いたことのある『テクノブレイク』? それとも『赤玉』?

 そろそろ書く場所が少なくなってきたチラシの裏に『魔法の威力を抑える。狙いを定める。何か別の出す。賢者』と書いた。

 そして最後の一つ、切れないロープというのはあるのだろうか?

 まだプルプル震えているマサムネを撫でながらネットで調べる。

 いくつかのキーワードを調べた結果、いかにも怪しげな検索結果が表示された。

 『アラクネの糸』だ。

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