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グールズバーグの春を愛す ~屍食鬼の街の魔法探偵事件簿~  作者: 吉冨☆凛
第三章 亡き友の魂への誓い
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第二十一話 氷原の墓標

 その日から僕は通常業務を放り出し、毎日毎日海軍と航空宇宙軍から提示された資料とにらめっこしていた。

 ”畝傍”とエイリアンクラフトの間は、近いと言ってもかなりの距離がある。

 船で船を引っ張ると言ってもどうやるのかそもそもわからない。

 しかも、どちらも氷の上に擱座して、多分、氷結している。

 僕はとりあえず商店街の肉屋のチラシの裏にやらなきゃいけない事を書き出してみた。


 ・宇宙船を氷から剥がす

 ・畝傍を氷から剥がす

 ・水路を作る

 ・ロープのようなもの? でつなぐ

 ・畝傍を動かして引っ張る

 

 いきなり難題しか無い。

 船二隻を氷から剥がすのは僕が魔力供給して強化した対物ライフルか何かで下の氷を割ってもらえばなんとかなるかもしれない。

 水路も多分、火炎系の魔法をぶっ放せば大丈夫だ。

 長くて強いロープはこの世界でも船舶の曳航索くらいは売っているだろう。

 そして問題の畝傍だが、当然僕は船の操縦なんか出来ない。胸を張って言える。

 だが、運が良い事に、次元穴を通じてこちらの世界に落ちて来た頃、南極調査団が発見して乗員と遭遇している。

 全員を連れ帰るだけの装備は無かったため、防寒装備を渡し、近日中の救出を約束して船全体に時間停滞魔法をかけたと記録されている。

 邪神が増え過ぎた今ほどではないが、元々魔素が薄い南極地帯であったため、それ程強力なものではないが、運が良ければ艦内では転移してから数日から数週間しか経過していないだろうという事だ。

 最近の調査では周辺部で周囲の空間の千分の一前後だったそうなので、大昔の船乗りであれば充分耐えられる期間だ。

 それに、中心部ではもっと時間の進みが遅くなるという事だから食料も水も燃料も問題ないはずだ。

 ちなみに時間停滞魔法の効果を調べるには、影響下にある空間に銃弾を撃ち込んで外部から観測し、速度の低下を計測するという事だ。

 ローブを纏って曲がった杖を持った魔導師が両手を振り上げて、「むむっ?! この時間魔法の強さはナントカカントカだ!!」とかやると思っていたので意外とローテクだ。

 停滞魔法の影響下にある空間内での主観時間は影響下に無い場合と同じため、掛けられた側としては日常生活には困らないが、外を見ると超スピードでペンギンがピュンピュン走り回っていたりする事になる。

 一種のウラシマ効果と言ってもいいだろう。

 白神の残された肉体が消化されず腐りもしなかったのも同じ魔法の効果だ。

 超便利そうなのでそのうち習得したい魔法の一つだ。

 冷凍食品のセールの日に買い溜めしておけるようになる。

 うちの動物ズもアイスクリーム大好きだし。

 そうだ、今日の晩御飯は冷凍チャーハンと冷凍麻婆豆腐にしよう。

 いかんいかん。

 食い物の事ばかり考えずに先に進もう。


 ・邪神

 ・物理攻撃

 ・電子戦


 今度は防ぐべき攻撃のリストアップだ。

 一番簡単なのは邪神対策だ。

 傭兵チームにバンバン撃ち殺して貰えばいい。

 邪神駆除はワット工務店との契約にも入っているからその延長線上だと思えば問題なしだ。

 物理攻撃は一度受けてみないとわからないけれど、これも魔導防壁か何かでなんとかなりそうだ。

 厄介なのは電子戦、とくにEMP攻撃だが、これはもう電子部品無しの装備で臨むしかない。

 ある程度対策はされているとはいえ、白神も電子部品の塊なので近付けない方が良いだろう。

 とはいえ機動力は必要なので、古い四輪駆動車や戦車を手に入れる必要がありそうだった。

 だいたい対策は出来て何とかなりそうな気分になってきた。

 さすがに疲れてきたので、今日のお仕事はこれくらいにして冷凍チャーハンと麻婆豆腐の晩飯にしよう。

 椅子の背もたれに体重を掛けてう~んと背伸びをすると、横で丸くなって寝ていたマサムネが「にゃあ」と鳴いた。

 僕はびっくりして椅子ごとひっくり返った。

 にゃあ?

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