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グールズバーグの春を愛す ~屍食鬼の街の魔法探偵事件簿~  作者: 吉冨☆凛
第三章 亡き友の魂への誓い
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第十二話 人形つかい

 セントロニクス社には時間通り到着した。

 逃げたって誰かがどうにかするなんて考えたら、別に逃げなくても良いような気がしてきたのだ。

 失敗したって誰かが上手くやって最終的にどうにかなる。

 どうにかならなくたって、結果が全てだ。どうにもならない。

 そう考えたら逃げても良いけれど逃げなくても別にいい。いや、本当にダメだったら逃げればいいと思えてきたのだった。

 守衛所で面会先を記入し、指定された場所にバイクを置く。

 43工場の405応接室。約束した場所に行くと、既にドワーフとエルフとオークとウサギ人が部屋の外で待っていた。

 白神は台車の上に補機類や生体組織の入ったケースとともに載せられている。

 ちょっとグロい。

「15工場1階に展示室があります。そこでボディを選んでください」

 綺麗なメガネエルフのお姉さんが張りのある声で言い、先頭に立って歩き始めた。

 名刺交換くらいしてくれても良さそうなものだが、もしかしたら僕は歓迎されていないのかもしれない。

 迷宮のようになっている渡り廊下やエレベーターを何回も通って体育館のような展示場に出た。

「すげぇ」

 思わず声が出る。

 ありとあらゆる種族を模した機械の体が所狭しと並べられている。

「どうせならドラゴンのボディにしようぜ、白神!!」

 僕は体高5メートルはありそうなドラゴンのロボットをベタベタ触りながら台車の横で薄ぼんやりと浮かんでいる白神のホログラムに呼び掛ける。

 エルフのお姉さんが凄く嫌そうな顔をしているが、どうせ名刺もくれなかった人だ。脈は無い。

「ここが無料(タダ)で機械の体をくれるって星なんですね?!」

 渾身のボケをカマしたつもりだったが軽くスルーされた。

「パネルで条件を選択すると概算金額が表示されます。種族のコンバートが入ると一気にお値段は跳ね上がりますが」

 エルフのお姉さんはあくまでビジネスライクだ。

 ツンツンした態度と投げ掛けられる冷ややかな視線にゾクゾクしてきた。意外と僕はMっ気があるのかもしれない。

「げ……」

 近くに展示されていた汎用人型ボディに人間の脳や臓器を組み込んだ見積を見てひっくり返りそうになった。

「お高いんですね……」

 振り返った僕をエルフが見下すような目付きで見ている。

 『この貧乏人が』なのか『それなりに金持ってるはずなのにドケチが』なのかわからないが、とにかく馬鹿にされているのは間違いない。

 なんだかムカムカしてきた。

「白神、ここの支払いは俺が持つからどーんと凄い奴選んでいいぞ」

 横目で生意気なエルフを伺う。

 その口元には笑みが浮かんでいた。

 もしかして僕、ハメられた?

 『ハメられるよりハメたいです』というギャグを思いついたが、これ以上惨めな気持ちになる事も無いだろうと思い口には出さなかった。

 そこで更に『口に出さないけどあなたの口に出したい』という下品なギャグを思い付き一人でニヤニヤしてしまう。

 完全に挙動不審者だ。もう嫌だ。

「矢巻~。心の友よ~。約束だぞ~」

 すっかり幽霊が板についた白神が胸の前で手をだらりと下げた伝統的な幽霊ポーズで迫ってくる。

 怖いから止めてくれ。

「それでは我社が開発した最新鋭機のラボにご案内しますわ。おほほほほ」

 急に上機嫌になったエルフのお姉さんに連れられて、僕たちは綺羅びやかなショールームから怪しげな開発室に通されることになった。

サブタイトルに悩んで朝上げられなかったので昼休み上げです。

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