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グールズバーグの春を愛す ~屍食鬼の街の魔法探偵事件簿~  作者: 吉冨☆凛
第二章 魔王の秘宝
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第二十四話 地獄の番犬、出動する

ちょっとノリがいいので三回目の更新します。

 矢巻。お前はフラフラしてたけど、嫌いじゃなかったぜ。

 でも、もしかしたらお前を殺すことになるかもしれない。

 出来る限りそうならないようにするけど、100%じゃない。

 俺はバード・オブ・プレイの荷室に乗り込みながら隊員に檄を飛ばす。

「動くものは全て敵だ。遠慮は要らねえ、ぶっ飛ばせ!!」

 おおおおおっっと野太い歓声が上がる。女性隊員も少しはいるけど、圧倒的に男臭い職場だ。

 バブル時代に生きてた頃は女に不自由した事は無かったが、最近はわりとご無沙汰だ。

 ミリアムといい関係になった時期もあったが、歳の差もあるし、ヤクザな転生者と魔王時代からの名家との釣り合いの問題で、結局ゴールインする事はなかった。

 俺としちゃ未練は無いが、ミリアムの方は何だかんだで国主催のイベントごとに色々と粉を掛けてくる。

 いい加減、こんなオヤジには見切りを付けて、いい家の御曹司でも食ってしまえばいいのにと思う。

 俺と出会った頃はまだ少女の細っこい体だったけれど、長い年月で豊満な肢体になったミリアムだが、そういう嗜好の男も沢山いるはずだ。

 美南? あいつは少女の細い腰と熟女のおっぱいを持った魔性の女だ。

 しかも80%の割合でメガネを掛けてる。

 俺を誘っているのがバレバレだが、三倍以上の年齢で、どう接していいのやら。

 いかんいかん。

 今は今夜の作戦の事だけ考えなければ。

 矢巻の友達の白神も作戦に参加したいと言っていたが、どうにも練度不足だ。

 若者を無駄死にさせるわけにはいかない。

 バブル時代から来た俺からしたら、辛い将来しか見えてなかった若者たちだ。

 矢巻も含めて死なせたくはない。

「自分に危険が無いと思ったら手足だけ撃っとけよ。あいつら自身は何も悪くない。むしろ被害者だ。だが、お前らが危機を感じたら遠慮無く殺せ」

 雑な指示だと自分でも思う。だが、可愛い部下を危険に晒すわけにはいかない。矢巻たちの安全は二の次だ。

 美南はどう思うかな? そう思うと心が少し疼く。

 自分に露骨な好意を持ってくれている少女の友人を殺してしまうかもしれない作戦だ。

 私情は挟まないとずっと前に決めたはずだ。

 このケルベロスの仮面を纏った時に。

 プロテクトギアを纏い、仮面を付ける。

 暗視スコープの電源を入れ、目が紅く光るのを感じた。

 所詮俺は殺戮者だ。

 殺さずに済むなら御の字。

 MG42とモーゼル・ミリタリーの装弾を確かめ、もう一度檄を飛ばす。

「遠慮なく殺せ。動くものは全て敵だ」

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