第二十一話 最強の魔道士、目覚める
酷い名前を付けられたり小バエ扱いされたりと、どんどん酷い事になる主人公ですが、微妙に嬉しそうでもあります。
俺様は最強の魔道士、グレート・ヤマキ様だ。
だが、最強のはずの俺様を追い込んだ奴がいるらしい。
正直言って、記憶が抜け落ちているのがもどかしいが、今度出会ったら俺様の超絶魔法でバラバラにしてやるか、消し炭にしてやろう。
「ヤマキ様、怖いお顔」
神官のステラがしなだれ掛かってくる。
相変わらずいいオッパイと尻だ。
俺様は一通りステラのたわわな乳を揉んだ後、ソファから立ち上がった。
きゃん、と艶めかしい声を上げてステラがバランスを崩す。
「後でたっぷり可愛がってやるからよう。今はちょっと我慢してな」
頬を膨らまして拗ねてみせる姿も可愛いが、調子に乗るといけないので敢えて口には出さない。
「オッス、やっと動けるようになったな?」
軽薄そうな茶髪の極彩色鎧を着込んだ男は翔太だ。
俺の言いつけに従って、最前線で戦ってくれる便利な仲間だ。
(そんなのは仲間じゃない。でも、僕には本当の仲間がいる。それは絶対忘れない)
頭がズキズキする。
首都警とかいう連中にやられた後遺症だろうか。
俺が一人になる所を狙って戦車やヘリまで使って攻撃したらしい。
まったく卑怯な奴らだ。
(首都警はオスプレイそっくりの機体は持っているけど戦車なんか持ってないぞ。
それにお前というか僕を襲ったのは首都警じゃない。
一人になったところを狙われたのは間違いじゃないけどな)
「クソッ! 何かイライラするぜ!!」
俺様の頭の中に何かいるみたいな感覚だ。気持ちが悪い。
「もう少し休んだほうがいいわ。ロイもまだ療養中だし」
俺様は手下の一人を思い浮かべた。あのアメリカン忍者かサムライみたいなファッションはどうにかした方がいいと思うが、少なくとも腕は立つ。
「わかったよ。クレアとオットーは偵察に出してあるんだろ?」
ステラは頷いた。
(おっぱい大きいな、ちくしょう)
また何か頭の中がムズムズする。
俺様はステラに膝枕を命じて横になる。
太腿とその奥から薄っすらと香る女の匂いが心地良い。
(うっわ、えっろ。膝枕とかじゃなくて押し倒そうぜ。いや、僕は何を考えているんだ?
そんな場合じゃないだろう。そもそもこの状態で経験したのも童貞喪失にカウントしていいのか?
って言うか、僕の知らない間にこいつらやっちゃったのか?
嘘っ! 僕、汚れちゃった!?)
小バエが脳内をブンブン飛び回っているような感覚だ。
いい加減にしてくれ。
俺様は休息の魔法を掛けてくれるようステラに命じた。
エロチックな手付きでステラが俺様の胸や顔を撫で回す。
(マジで!? この先……絶対……エロい……)
小バエは死んだようだ。
同時に俺様も急速に眠りに落ちていった。




