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グールズバーグの春を愛す ~屍食鬼の街の魔法探偵事件簿~  作者: 吉冨☆凛
第二章 魔王の秘宝
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第五話 探偵、魔王に謁見する(テレビ会議)

話数の訂正をします。

第四話→第五話

「魔王様、この度は謁見賜り誠にこうえ……」

「あ、そういうのいいから、早く本題に入ってちょうだい」

 いきなり遮られてしまったが、舌を噛みそうな長ったらしい挨拶をするよりはマシかもしれない。

 しかし、何故にオネエ喋り?

「では、単刀直入に聞きますね。『魔王の秘宝』って何でしょうか?」

 メイクを落としているせいかメディアで見るより少し老けて見える人種不明のイケメンは首を傾げた。

「それ、漠然とし過ぎよね。何代目の魔王とかどんな物かとかもっと情報無いの?」

 今度は僕が首を傾げる番だ。もう少し詳細を聞いておくんだった。

「初代魔王。それに小さい物らしいよ」

 吉村さんが横から答えた。クロの仕事を見張るために夕方過ぎまで居残って、ジェイソンさんの家で夕食までご馳走になったと言っていたからその時に聞いたのだろう。

「あら、可愛い。お嬢さん、誰からの依頼か教えてくださるかしら?」

「守秘義務があるので申し上げられません。社会的信用も地位もある人とだけしか」

 かなりの模範解答だ。昼間サジさんにあっさり見抜かれてしまった僕はちょっと凹む。

「合格よ。ジェイソン家だなんてバラしたら回線ブチ切りしてたわ」

「まさか、サジさんが……」

「坊や、甘いわね。あいつがそんな事言うわけないでしょ。こっちが全力の魔法攻撃ブチ込んで、ダウンからギリギリ立ち上がった所にトドメ刺してやろうと思ったら一気にこっちの脳を揺らしに来る男よ。油断も隙もないどころか、手の内なんか絶対に明かさない奴なの。まあ、だから信用できるんだけど」

 昔エキシビジョンマッチで負けた事を根に持っているんだろうか? 唇の端がヒクヒクしている。

「サジさんのの事はおいといて、なにか心当たりあったりしますか?」

 ちょっと笑いをこらえながら聞いてみた。

「そうねえ、初代の秘宝はだいたい発見済みで科学省の管轄になってるから、フランソワに聞いてみるのがいいかも。お嬢さんもあのブタ、いえオークにアプローチしてみたら? 彼、科学省の中でも出世頭よ。婚約者のウサコちゃんがいるけど、寝取っちゃえば?」

 突然とんでもない事を言い出す。しかし、あのオークの科学者が結構な有名人だとは知らなかった。

「でもね、あたしたちみたいに口が堅くて信用できる人ばかりじゃないから、聞き込みには気を付けてね」

「はい。以後気を付けます。でも何でジェイソンさんの依頼だってわかったんですか?」

「実はね、ちょっと前に本人から聞かれたのよ。あそこってB to Bがメインでしょ? あたしの世界ツアーも機材運搬なんかはワイバーン運輸に任せてるから、たまに世間話くらいはするのよ」

 折角魔王から情報が聞けるかと思ったのに、既に問い合わせ済みだったとは。とんだ時間の無駄だ。いや、魔王と直接話が出来ただけでもとんでもなく価値のある時間なのかもしれない。

「ぱぱ~、ご本よんで~」

 魔王の後ろに小さな女の子がヒョコッと現れた。まだまだ幼いが、十年後には間違いなく世界の覇権を握れる美少女になるだろう。面影はあるが、この胡散臭いオネエ喋りのオヤジからこんな天使が生まれるとは思えない。まあ、産んだのは奥さんの方だろうけど。

「お父さんはね、大事なお仕事のお話をしているんだよ。もう少しだけ待ってくれれば新しいご本を読んであげますからね」

 さっきまでのオネエ喋りが嘘のようだ。丸っきり子煩悩なお父さんになっている。

「わかった! なるべく早くおしごとおわらせてね」

 小さな天使は魔王のほっぺたにチュッとキスをして画面から姿を消した。

 魔王さん、滅茶苦茶デレデレになっている。こんなに緩み切った顔を他人に見せて大丈夫なのか心配になるくらいだ。

 しかし、あの幼女、どこか既視感がある。

「というわけだ。お役に立てず申し訳ない」

 無理矢理取り繕っている感丸出しで魔王が言った。て言うかキャラ変わってる。

「あの、魔王様、口調が……」

 白神が余計な事を言う。みんな思ってるけど口に出さないだけだ。空気読め。

「ふっ、少年よ、魔王は幾つもの顔を持つものなのだよ。では、さらばだ」

 ビデオ通話アプリが砂嵐になる。別に本当にノイズが乗っているわけじゃなく、こういう演出(エフェクト)だ。

「なんか、時間の無駄だったな。そろそろ寝るか」

 白神がエナジードリンクをグビッと一口飲んで言った。昼間のクロの世話でだいぶ疲れが出てきている様子だ。

 この時間からそんな物飲んだら寝れないぞ、と言おうとした瞬間に吉村さんが口を開いた。

「待って。会話自体は大して意味無いけど、色々と参考になりそうな情報は得られたと思うの」

 ポケットを探って部屋の鍵をガチャガチャ言わせていた白神の手が止まる。

 ちなみに、この事務所は住居も兼ねているので、二階にあるそれぞれの個室にはちゃんと鍵が掛かる。

 もっとも従業員四人の魔力パターンを認証させればどの部屋でも開いてしまうのだが。元々三人にしていたけれど、動物三匹がおやつを求めて団結し、吉村さんの部屋を急襲した事から四人に設定変更したのだ。チョコレートをたらふく食べた動物たちは、その日のうちに胃洗浄を受けることになったので充分懲りてはいると思うのだが。

「ええと、多分だけど、ジェイソンさんは私たちに依頼する前から色々と手を尽くしているけど見つかってない。それに、他の秘宝は国有財産にするくらい重要視されているのに、この件は完全に無視されてる。定番の転生者相手の詐欺になるくらいだから、元々の住民から見たら馬鹿げた話なのかもしれないけど、もしかしたら、故意に無視されるように誘導されているのかもしれない」

 ちょっと勘ぐり過ぎじゃないかとは思うけれど、今までの情報を綺麗にまとめてくれた。さすがに優秀だ。

 巨乳だけどおっぱいだけじゃなくちゃんと頭にも血が巡っている証拠だ。

 そして、胸をジロジロと見つめている僕をキッと睨み付けて、吉村さんは言った。

「もう一つ。あの魔王の娘、初代魔王のサーシャさんにそっくりだった」

第一章がプロローグ的な扱いではあるんですが、ちょっと冗長かなと思い始めた今日この頃。

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