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グールズバーグの春を愛す ~屍食鬼の街の魔法探偵事件簿~  作者: 吉冨☆凛
第一章 グールズバーグへようこそ
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第十七話 アンドロイドの夢の羊毛布団セット

 受付のお姉さんは、ショートカットの青色の髪で、ヘッドホンの後ろをちょっと長く斜め上に伸ばしたような装置(デバイス)が耳の所に装着されています。

 肩が凝りそうなピシッとした白い制服を着ていますが、無駄に可愛くノースリーブです。むき出しになった左肩にバーコードが刻まれています。

 じっと見ていると、お姉さんが微笑みかけてきます。失礼だったかな?

「はい。ご察しの通り、私はアンドロイドです。セントロニクス社九〇式のシリアルナンバー9010207です。ナナと呼んでください」

 ベタベタな外観だと思いますが、ナナさんが言うには、”記号”が大事なのだそうです。矢巻くんがスマホでナナさんの肩のバーコードを読み取ろうとして、白神くんに頭をはたかれています。彼は絶対にセクハラオヤジになるタイプですね。白神くんはパワハラ上司とかになりそうです。

 ちなみにこの施設には他に末尾七番の人? は居ないので名前はナナで良いそうなのです。昔の日本の田舎のような名付け規則ですね。

 なお、かつて地球にあったセントロニクス社は既に消滅しているので、社名がかぶっても問題無いそうです。

 全くどこにも使い途の無い知識がまた増えました。


 入校手続きはあっという間です。なにせナナさんはアンドロイドなので、私たちの身分証をちらっと見て、入校に合意するかどうか確認した後に、指で裏面をなぞるだけで手続きが完了です。たしかに身分証の裏面に『八マ校』みたいな記載が増えてます。私が小さかった頃、テレビに出ていたヤクザみたいな元議員のタレントさんみたいな名前ですね。

 ナナさんが私たちを教室まで案内してくれるためにカウンターを出ると、まったく同じ顔で緑色の髪のお姉さんが交代で入ってきました。ミミさんというらしいです。シリアルナンバーの末尾が33番なのでしょう。


 今日はだいぶ遅い時間なので説明だけだという事でしたが、教室には先客が何人かいました。五歳くらいの男の子と、猫と狸と、あとフェレットでしょうか? ミンクでしょうか? とにかく鼬っぽいのがいます。

 もしかしたら、今日はふれあい動物園的なイベントなのでしょうか?

「もう少ししたら先生から説明がありますからね」

 この状況の説明は何も無いまま、ナナさんは教室から出ていってしまいました。


「このクラスを担当することになりました、ナミです」

 髪が黒いナナさんです。アンドロイドも魔法を使えるのでしょうか。どうぶつたちの頭の上にも”?”マークが浮かんでいるような気がします。

「昨年、本校の庶務アンドロイドのリプレース時に手違いがありまして、私と同じ見た目の娘たちが沢山いますが気にしないでください」

 ナミさんの外見をサンプルデータとしてベンダーに渡したら、髪の色と肌の色だけ変えて、全て同じ外見で納品されたそうです。これは耳の所の装置(デバイス)とかバーコードで見分けるしかないですね。

「基本的にこのコースは、現代魔法が使えない人向けです。見たところ、転生者さんと転移者さん、ドラゴンさんしかいないようですので大丈夫ですね?」

 動物三人組? がウンウンと頷いています。しっぽもぴょこぴょこしています。めちゃくちゃ可愛いです。

 消去法で行くと、ドラゴンというのは、あの男の子のようです。人は見た目によらないのですね。『何故先生を殺したああああああああ! ホヮーッ! アチョー!!』とか言うのでしょうか? 違いますね。つまり、龍族です。


 えっ?

ちょっと短いですが、キリがいいので。

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