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グールズバーグの春を愛す ~屍食鬼の街の魔法探偵事件簿~  作者: 吉冨☆凛
第一章 グールズバーグへようこそ
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第十六話 そうだ、魔法学校へ行こう!

 サジさんに稽古を申し込みましたが、一回だけで懲りました。体がバラバラになるかと思った上に、終わった後のサジさんの言葉がトドメを刺してくれました。

「物凄く言いにくいんだけど、驚異的に素質が無い。怪我しないうちに防御魔法なんかに特化した訓練した方がいい。だけど、一応受け身だけは練習してくれよ」

 わかってます。小さい頃からウンチで、何をやってもダメな子でした。

 殺人に特化した八百年だか千年だか続く格闘術とか全く理解が及びません。

 そもそも私は超文化系です。大学も文学部国文学科に行って、サークルも文芸創作系か特撮研なんかに入りたいと思っていたのです。

 転生の時に会った神様によると、どうやら第一志望には落ちていたようですが……。白神くんは全滅らしいので、それよりは遥かにマシです。矢巻くんはどうだったかと言うと、内緒で神様に教えてもらったところによれば、第一志望の農学部に合格だそうです。おめでとう! でも、行けなくて残念ですね。頭は悪くないけど、ちょっとズレていて運も悪い男です。同情はしますが、結婚したくないタイプ ナンバーワンですね。

 閑話休題。

 とっても悔しいんです。ライラを鍛えるサジさんの様子は、まるで仔ライオンを鍛える親ライオンみたいな感じです。メチャクチャに常識外れな厳しさなのに、その中に優しさがあるんです。千尋の谷に突き落として上がってきたらバーベキューパーティーみたいな感じです。ライオンが本当にそんな子育てするのか知らんけど。

 もう、嫉妬の塊です。でも、ライラはそんな鬼の特訓を喜んで受けてます。完敗です。少なくともこれに関しては。

 でも負けません。

 私は今のところ無駄なウエイトにしかならない中途半端に大きな自分のおっぱいが恨めしいです。

 もう。

 私はライラみたいな肉体言語では語れないですが、この胸を活かして、いつかサジさんの好む女性になってみせます。それも一つの肉体言語です。

 矢巻くんが「垂れる。重力に負ける」とか呟いたので、さっきサジさんに習った当身技を叩き込んだら、物凄い勢いでひっくり返って転がってゆきました。

 あれ、私も意外と才能あるかも。


 魔法の訓練にも参加させて貰いましたが、現代魔法がよくわからずに、技名を叫びながらヘロヘロの火の玉なんかを出している私たちを隊員さんたちは休憩しながら見守っています。

 誰も教えてくれないというわけではなく、色々とアドバイスは貰ったのですが、あまりにもレベルが違い過ぎで全く参考になりません。

 仕方ないので、私たちは見学に専念する事にしましたが、やっぱり何をしているのかよくわかりません。ただ、魔法を発動させる為に必要なのは詠唱でも恥ずかしい技名を叫ぶ事でもなく、イマジネーションとトリガーらしいという事だけはわかりました。

 頭で理解出来ても実際にはどうやったら良いのかわからないで戸惑っている横で、ライラが掌から火の玉を出したり飛ばして人型の標的にぶつけたりし始めました。子供は火遊びしちゃダメ! じゃなくて、才能とか基本スペックの違いに凹みます。

「魔法学校行かないとどうにもならんだろ?」

 サジさんがサッと手を振りましたが、特に何も出てきません。でも若い隊員さんがパンフレットを持って駆け寄ってきました。いつもならラインハルトさんの役目なのでしょうが、午前中にライラに"投げる時に回転を加え、頭から地面に叩き落として、既に捻れてる首を蹴り折る"技を掛けられて、そのまま医務室に運ばれて行きました。一応命に別状は無いそうですが、しばらく安静にしているそうです。

「車呼んどいたから入校手続き済まして来い。あと、手続きの後は職安(ギルド)で申請しとけば補助金も出るぞ」


 自動運転車です。

 矢巻くんは元の世界で免許を持っていましたが私は原付だけ、白神くんは無免なので有り難いです。

 魔法学校のパンフに付いていた二次元コードを読ませると、目的地を読み上げてくれて、了承すれば後は勝手に目的地に連れて行ってくれるようです。ちなみにQ○コードと読んではいけないそうです。いつ誰が転生してくるかわからないので、商標権の関係で面倒な事になるのを避けるためだそうですが、よくわからないです。

 代金は身分証のカードをかざすと自動で引き落とされるようでした。なんと、割り勘も出来ます。便利です。


 ここ、グールズバーグの首都は、東京とニューヨークとバンコクを足して割らない感じの大都市です。かなり混沌としています。

 ごめんなさい。ニューヨークもバンコクもよく知らないです。テキトウぶっこきました。

 大昔の未来予想図に出てきた透明チューブの中を車が走っているような構造も一部にあって、不思議な光景ですが、自動運転車のガイド機能によれば主要なビル間を直接繋ぐための物らしいです。高所恐怖症の人が乗ったら気を失いそうですね。

 珍しい物がいっぱいあるので、到着までの小一時間、全く退屈しません。

 自動運転車は大きくも小さくもない施設の入り口ロータリーで停車します。十階建てくらいでしょうか? 区民センターみたいな感じです。

 『グールズバーグ第八魔法学校』という看板が、こちらの言語と日・英・中で書かれていましたよ。直接転移者への配慮でしょう。

 車から降りて入り口の総合案内に行くと、受付の綺麗なお姉さんがにこやかに迎えてくれました。

 あれ? このお姉さん、なんだか既視感がありますよ?

色々と大変な情勢ですが、頑張り過ぎない程度に前向きに行きましょう……。

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