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グールズバーグの春を愛す ~屍食鬼の街の魔法探偵事件簿~  作者: 吉冨☆凛
第三章 亡き友の魂への誓い
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第二十四話 再びルルイエに

前回の投稿から一年以上経ってしまいました。

私は一つ歳を取りました。

小泉純一郎話法かと思うかもしれませんが、一年と二ヶ月過ぎているので人によっては二つ歳を取ってしまうのです。

まあ、たまたま読んだ超有名作品とネタが被ってしまうと色々と手が止まりますよね。

しかも有名作品の本筋に係わるガジェットをこっちが小ネタで消費しようとしていたりすると尚更。

 一面の雪原に蠢く邪神の群れ。

「きっちいなあ~」

 思わず口を衝いて出る本音。

「八巻はん。ブースターアンテナ立てたんで、スマホでゲームでもやっといてください。出番になったら声掛けますんで」

 ポルさんがデッキチェアとパラソルを仕立てながら言った。テーブルには既に小さい傘が立ったカクテルまで用意されている。南極でこのセットは如何なものかと思うが、僕はスマホで『全裸中年男性これくしょん』を起動する。

「寝てても構わんですが、魔力供給だけは切らさんといてくださいな」

 腰のベルトからはマナの良導体だというケーブルが何本も配置についたポルさんの部下に伸びている。

「わかりましたよ。バッテリー役はその辺に転がって大人しくしてますって」

 デッキチェアに横になり、スマホゲームの画面をタップする。5インチの画面内では軍事知識を早口で喋る小太りな中年男性が走り回っていた。

「ほな、射撃開始!」

 僕の周りで短機関銃、軽機関銃、アサルトライフル、狙撃銃といった小火器が一斉に火を吹いた。イヤマフを着けていてもかなりうるさい。

 体から少しずつマナが抜けていくのを感じながら、僕は画面内のゲームに集中しようと努力する。軍事評論家の中年男性はなかなか素早く、トラップにも掛かってくれない。こんなうるさい状況では捕獲は無理かもしれないと思い、ステージ切り替えボタンを押す。

「お気楽だな」

 白神の声だ。ついこの前、ポンコツロボットみたいに故障してドック入りし、今では完全体だという事だがどの程度役立つものやら。

「総仕上げまではしばらくやる事無いしな。ん? もう出掛けるのか」

 白神は古臭いデザインの軍服に身を包んでいる。傍らにいるリー少尉も同じだが階級章が少し違うようだ。

「ああ、この服か。無用のトラブルは避けたいからな。なんたって時間の流れが五千倍以上違うんだ。下手に生き残りの乗組員と交渉したりすると、あっという間にこっちで何年も過ぎちまう。時間停滞コアのだいたいの位置はわかってるけど、ほんの十分がこっちじゃ一ヶ月だからな」

 僕はリー少尉に視線を向けた。軍隊の階級はよくわからないけれど、線の数が多かったりするから白神より階級が上なのだろう。髪を帽子に押し込んで少し中性的なメイクをしているせいか、ドキッとするほど色っぽい。これは逆にトラブルの種になるのではないか?

「アルに乗って何回か周回してから人気の無い甲板に自由落下で降下んだが、降下中にこっちじゃ一時間経っちまうからな。早めに出るに越したことはない」

 白神の説明を聞いて頭の中に疑問符が浮かぶ。リー少尉を抱きかかえて降りるつもりだろうか? まったく羨ましい。

「あ~、妙な想像するなよ。彼女も俺ほどじゃないが機械の体だ」

 全く気付かなかったがそうなのか? どちらにしても機会人間同士よろしくやってくれ。僕は少し不貞腐れてカクテルを一口すすった。

「んじゃ、終わるまでにこっちも宇宙船をぐるぐる巻きにしとくぜ」

 ひらひらと手を振って二人を送り出した。

 今日中にこの現場を終わらせて明日はスター・デストロイヤーの偵察を始めるとしよう。

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