俺氏死ぬ。
初投稿です。しかも小説を書くのも初めてなのでおかしな点があるかもなのでご了承ください。
「っっ!」
目が覚めると俺は見知らぬ部屋に一つぽつんとある椅子に座っていた。
「え!?なんだ!?どこだよここは!?」
部屋は壁も床も天井も白で、俺の座っている椅子も真っ白だ。
どこなんだよここは、俺は自分の部屋で深夜までゲームしててその後しっかり自分のベッドで寝たはずだ。
夢なのか?にしてもリアルだな。
俺は座っている白い椅子を撫でてみたり自分の顔面をグーで殴ったりして夢かどうかを一通り確かめてみることにした。
「……夢じゃないですやん…」
これガチだわ。リアルだわ。あとさっき殴ったせいで顔めっちゃ痛い。ていうかなんで俺こんなとこいんの?もしかして誘拐でもされたのか?
ガチャ
「っっ!!」
すると、誰かが部屋の扉が突然開いた。
だっ誰だ!?もしかして誘拐犯!?
俺は恐る恐るその顔を見ると
入ってきたのはものすごく顔の整った女性だった。長い間引きこもっていたから人合うのはいつぶりだろう。腰のあたりまで伸びた髪の毛は紫色に光り輝いている。すごい若くて年齢も俺とそんなに変わらないんじゃないか?
「こんにちは柊木誉さん」
と、そんなことをいきなり言ってきた。もう名前まで調べ済みってことか、コイツは誘拐犯で間違いないな。クソっ!なんでよりにもよって俺なんだよ!俺引きこもりだし誰かに迷惑かけた覚えはないぞ!親にはかけてるけど……バチが当たるようなこともしてないぞ!親を雑に扱ったりしたけど……
なんでこんな俺が誘拐なんてされないといけないんだ!
「誉さ〜ん?聞いてる?じゃぁ私だけ一方的に誉さんの事を知っているのも何なんで私も自己紹介するわね。」
その口ぶりだと俺のことを相当調べたみたいだな。でも俺の家はそんなに裕福でもないのになんで俺なんか狙ったんだろう?
「私の名はルキナ。日本の死者を導く女神ルキナよ。」
え?女神? 何を言って…
こっ、こいつまさか!誘拐犯でも最も危険な頭おかしい系誘拐犯だ!こういるヤツは人を傷つけ苦しんでいる姿を見て『ヒャハハハハハ!!』とか言いながら楽しんじゃうヤツだぁぁーー!!!助けてぇーーーー!!!
「なんでそんなに怯えているの!?普通皆は女神と聞いたらその
神々しさに感動し涙するのに……まぁそんなに怯えるのも無理もないでしょう。あなたは現世で死んでしまったのですから…」
お、俺が死んだ?!『ここに来たからにはお前は死んだも同然だ!ゲヘヘヘヘ』とでも言いたいのか!
どっ、どんな酷い事をされるんだろう。怖い、怖いよーー!ママーーーーっ!!
「どうしたの?!そんなに号泣して!感動して涙するとは言ったけどその涙は私に怯えて流してるわよね?!どうして?なんでよ!」
何か誘拐犯が慌てている、こうなったら強行突破だ!こんなとこで死んでたまるか!勇気を出せ俺!お前にはまだやるべきことがあるだろ!
「おうコラ犯罪者がぁーーっ、こんなとこでお前の相手してる暇なんてねえんだ。そこどけやぁーーーっ!!!」
「はぁーーー!?私が犯罪者ぁーー!?なんでよ!どういうことよ!!」
「うおおお!アルティメットバスター!くらえオラァー!」
俺の渾身の一撃が女に炸裂しようとした、そのとき
「『拘束』っ!」
女が何かを唱えたその瞬間空中から鎖が飛び出し俺の手足に巻き付き俺を拘束した。
「!?何だこれ!どうなってんだ!」
俺は空中に縛り上げられ全く身動きできない
「こんなに暴れる死者は初めてよ。ここでの魔法の使用は禁止されてるのに。アンタのせいだからね。」
魔法?これは魔法なのか?というか死者って言った?え?俺死んでんの?そう考えればこの真っ白な部屋もそんな雰囲気醸し出してるし、何よりさっきの魔法とやらもこの世のものではないし納得がいく……
ええー。マジか。俺は本当に死んだのか。
なんかあっさりだなー。別に体調もどこも悪くなかったのに。あれか、昨日のしじみにでもあたったのか?
う〜ん、なんかこう悲しいみたいな感情が込み上げてもいいはずなのに、あっちで友達とか家族以外で他人との関わりがほとんどなかったせいか全然こないな。
でも割と楽しい人生だったなぁ………
いや待て!もし本当に死んでたとしたらこの後もしかして漫画やラノベでよくある転生とかしちゃったり?!
テンション上がってきたかも。
俺は心を躍らせ、この後の展開に期待し鼻息荒くなっていると
「ここに来る人は死んでだいたい落ち込んでるのにアンタはやけにテンション高いわね、アンタもしかしてちょくちょくここに来る自殺志願者なの?」
「違ぇよ!俺は人生しっかりエンジョイしてたよ!」
「本当?私が持っている情報によるとアンタは17歳で学生にも関わらず学校にも行かず家に引きこもっててたじゃない。これはもうそうとしか考えられないじゃない」
「お前引きこもりが全員死にたいと考えていると思ったら大間違いだぞ!自慢じゃないが俺はこれでも誰よりも人生を楽しくやってる自身がある。」
「そんなことで自慢されてもなんとも思わないですけど。というか軽く引くんですけど。」
フッ強がるなよ。ほんとは羨ましいくせに
それよりコイツが本当に女神なら聞かないといけないことがある
「なぁ聞きたいことがあるんだが」
「何よこの引きこもり野郎。聞きたいことがあるならちゃんと敬語を使いなさい」
こ、コイツ!生意気な奴め
「あのぉ〜〜お聞きしたいことがあるのでございますんですよ〜〜」
「なんか腹立つ言い方だけどいいわ。何よ」
俺は死んだと聞かせれたときから持ち続けていた疑問を口にした。
「俺死んだ記憶全然無いんだけどどうやって死んだんだ?」
「自分の死因も知らないの?普通は死んだ直後に天使が死者のもとに派遣されて死因とか色々説明するんだけど来てないの?」
そんなヤツは来た覚えはない。
「全っ然」
「天使がサボってのかしら、え〜とアンタの死因はこの辺のページに〜〜……」
すると女神は懐から一冊の手帳を取り出しパラパラし始めた。
「で、どうなんだ?」
「ちょっと待ちなさいよ、アンタは待つこともできないの?」
いちいち腹立つやつだが少し待ってやるか。まぁ俺拘束されてるしな。待つことだけしかできないんだけれども。
「なぁ〜〜まだかぁ〜〜もう10分くらいたってるんですけどぉ〜〜」
「うるさいわね今探してるんだから静かにしなさいよ!」
こっちは鎖で宙吊りにされて、体を揺すってブラブラしてみたり暇を潰して10分も待ったんだ、流石にキツイ。ちょっと文句だって言っていいだろう。
「探してるって言ったってさっきから同じページパラパラしてるだけじゃん本当にさがしてんのか?」
「しょうがないじゃない!ずっと探してるのにアンタが死んだことが書いてないのよ!」
ん?どういうことだ?
「ということは俺まだ生きてんの?」
「ここに来れる人間は死者たちだけだからアンタの死んだのは間違いないけど、この手帳にアンタの死因が載ってないのが問題ね。この手帳にはすべての人間の人生が書かれていて人間はこの手帳に書かれている通りの人生を生まれるときから死ぬまで歩み続けるの。これによるとアンタは本来まだ死なないはずなんだけど……」
「フムフム」
「にも関わらずアンタはここにいる。これはつまり!」
「つまり!?」
「天界の何者かが関わった可能性がある!ということは!」
「ということは!?」
「私のミスで貴方は死んだのかもしれません………」
「ふざけんなコラァ!!!」
俺は目の前の人殺しに大声で怒鳴りつけた。
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「おい。どういうことだちゃんと説明しろ。」
「はい。ご説明させていただきます……」
俺は今、目の前の女神とやらを正座させ、鎖をから開放された俺は椅子にあぐらをかいて座っている。そしてなぜ俺はなぜ死んだのかを説明させている。
「まず、先程も言いましたがカズキさんはまだ死ぬ運命ではない人間なのです。本来は何年も引きこもり続けて親にもとうとう愛想を尽かされて家を追い出され、そして死の瞬間には、病院で誰にも看取られずひっそりと息を引き取る運命だったのですが…」
「そんな運命ならいちいち言わなくて良い。泣きそうになるから。 グス」
「ですが和輝さんはお亡くなりになってしまった。それはつまり、現世での出来事を監視し、操作したりすることができる日本担当の女神である私が和輝さんをコロッと殺っちゃた可能性があるということです。」
「ふむふむ。確か名前はルキナとかいったか?なんでそれでお前が殺ったということになるんだ?お前以外の神がやったとかの可能性は無いのか?」
「それはないと思います。女神はそれぞれの世界を分割して管理しています。そして自分の担当外の場所の操作は出来ないのです。なので和輝さんの死は地球の日本担当の私の管理ミスの可能性ということに………」
う〜〜ん…ということは俺はコイツの仕事の甘さで死んだのか、仕事をやるからにはちゃんと責任感を持てよ!
まぁ引きこもりの俺が言えることじゃないな……
というかなんでこんなにバカ正直に白状するんだろう。天界の決まりで『嘘ついたらだめだよ〜』とでも言わてるのかなぁ?それともこいつが馬鹿なだけか?いや馬鹿か。
「ぅ…ぅ…ぅぅぅうああああああっ!!」
な、何だ?!いきなり叫んで?!馬鹿どころかヤバイやつだな。
女神ルキナを見るとルキナは地べたに寝っ転がってのたうち回っている。
「あああああああああっっ!!!何やってんのよ私ぃぃ!こんな
重大なミス絶対女神やめさせられるよぉぉ!(泣)」
女神って辞めさせられるとかあるのか。
「グス………こんな引きこもり生きてても意味ないしノーカンというとにならないかしらボソッ」
「おい。聞こえてるぞ。」
なんて失礼なやつだ。
俺が死んだら悲しむやつだって居るぞ。
えーーと、…うん。まぁ何人かは居る。
「どうしよう!ねぇどうしよう!人間を殺しちゃうなんて女神辞めさせられるだけで済まないかもしれないわ!もしかたら天罰を食らうかもしれないわ!」
ルキナがすごく怯えた表情ですがりついてきた。
「ちょっ、近い近い!とりあえず落ち着け。えーと、その天罰とやらはそんなにヤバイのか?」
「ヤバイなんてもんじゃないわよ!アレは言葉では言い表せない代物よ。例えるとしたら何十年か前に借り、無くしたんまんまだったDVDを発見し、たまりに溜まった滞納金を想像したときの恐怖以上のヤバさよ!!!」
なんだその例えは。まぁそんだけヤバイ罰ってことか。分からんけど。
「どうしよう!ねぇ私どうしたらいいのぉぉ!!!」
「まぁ待て殺人女神。まだ慌てるときじゃない。俺に考えがあるぞ。」
「さ、殺人?! い、良いわ。その考えを聞こうじゃないかしら。」
「ふふっ、それはだな」
「それは?!」
俺は期待の視線を浴びながらその天才的発想を強く発表した。
「異世界だぁぁぁぁ!!!」
「…………、は?」
「だからぁ、異世界転生だよ。お前女神なのに知らねぇの?」
「知らないどころか最近天界で話題になってるわよ。最近転生するために自殺したとか言ってる死者が多発してるみたいなのよ。アンタ達が言う転生ってあれよね、死んだ人間が記憶をそのままに異世界で生き返って、もれなくチートもらってなに不自由なく異世界でハーレム生活するっていういかにも童貞のクソニートが考えそうなあれでしょう?」
「おっ、話が早くて助かるな。要するに俺を異世界転生させろってことだ。そしてお前も異世界に逃亡するんだ。」
「ん〜。確かに辺境の世界ならうまく行けば逃れられるかもしれないわね。けどそんなにうまくいくかしら。」
「お前そんなこと言ってて良いのか?このままじゃ天罰食らっちまうんだろ?」
「わ、分かったわ!じゃあ早速転生先の辺境の世界担当の後輩女神に送ってもらいましょう。ちょっと待てて、そいつをちょちょい脅して連れてくるから。」
そう言うとルキナは勢いよく部屋を飛び出した。
「お、おい!転生先の異世界は魔法とか魔物とか獣耳美少女とかがいる世界にーー」
俺が言い終わる前にルキナはどこかへ行ってしまった。
大丈夫かなぁ……
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「連れてきたわよ!」
しばらくすると、ルキナと涙目になったているルキナより少し小さい女の子が部屋に入ってきた。女の子はルキナには無い可愛さがある。何かこの子を一生守らなければならないという使命感にかられてしまう。要するにロリっ娘だ。
「ちょっとカズキ。レルムを見る目がやばいわよ。」
レルムちゃんっていうんですね。かわいい。
「ちょっと先輩っ!やっぱりこんなの駄目ですよ!やめましょうよこんなこと!」
突如レルムちゃんが叫んだ。かわいい。
「あらぁ〜?そんなこと言っていいのぉ?私の言うことが聞けないのならあなたのあんな事やこんな事が天界中に知れ渡っちゃうわよぉ〜〜?」
「うっ、ううぅ〜っ」
レルムちゃんのあんな事やこんな事だと?!後でルキナに聞いておこう。
「それじゃぁ誉!早速転生してもらいましょう!ここに居るといつあのことがバレて捕まるか分からないからね!」
「それもそうだな。それじゃレルム様お願いします。」
俺は目の前の本当の女神に深々とお辞儀をした。
「ちょっとカズキ。なんでレルムに敬語使ってるのよそれに態度も違うじゃない。私の方が先輩なのになんで私は丁寧に扱ってくれないのよ!」
「お前人殺しといてどの口が言ってんだっ!!!」
今はレルム様と会話してんだ引っ込んでろ!!!
ルキナは何も反論できず心底納得がいかないような表情で部屋の隅でいじけだした。
「えっと、すみませんレルム様。何せコイツのせいで死んだもんですから仲が悪いんですよ。」
「い、いえいえ、お気になさらず。こんなにも早く死んでしまってお気の毒でしたね。」
「ホントそうですよ。前の人生は好きなことして生きてメッチャ楽しかったのに、いきなりこんなとこにこさせられてまじ最悪ですよ。でもまぁこの転生を期に引きこもりも卒業しようと思ってます!」
「そうですか。貴方が転生する世界は日本の様な安全な場所ではありませんよ?それでも行くのですね?」
「もちろんです!!!もう覚悟はできています!!!なんでもバッチ来いっていう感じです!!!」
「そっ、そうですか。あはは」
俺の勢いに若干引きながらもレルム様はこんな言葉を
「それでは、不幸にも若くして死んでしまったイトウカズキさんそれとルキナ先輩、貴方達に神のご加護があらんことを!!!」
レルムがそう叫ぶと俺とルキナを囲むように魔法陣が出現した。
うお!すげぇ!これが生転生!
魔法陣は光を放ち、その光はだんだん強くなってきている。
「カズキさん!」
レルム様が俺の名を呼んだ。
「はい!なんでしょうか!」
レルム様は優しく微笑みながら
「この先苦しいことが沢山あると思いますが、諦めず頑張ってくださいね(^^)」
「ハッ、ハイ!!!!!!!!!!!!!」
そんな可愛い顔で言われたらもう頑張るしかないやんけぇぇ!!
魔法陣の光は強くなり続け
「さあ行くわよカズキ!新しい世界へ」
ルキナがそんなワクワクする事を
「ヨッシャー!!!行くぜぇ!!!俺の人生はここからだっ!!!」
そして視界が真っ白になり
俺は期待を胸に異世界へと旅立った。
この先訪れるいくつもの困難も知りも知らずに………
ここまで読んでいただきありがとうございました。
えーー、ちなみにタイトルは何も思いつかなかったのでテキトーにつけました。同じく登場人物の名前も目をつむって文字をうって変換機能を使ったらこうなりました。