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378日×XX  作者: 華
1/3

-白黒-

 野木沢夫婦といえば世界的に有名な音楽家だ。父は、世界に名を知られている指揮者。

母は、バイオリニスト。そして2人も間に産まれたあたしは、楽譜すら読めない普通の女子高。

365日のうち360日は家にはいない。こんな広い家でほぼ一人。


「つまんねー…」


イタリア製のソファにもたれかかり大きな声を出した。

まぁ、当然1人だから返事もなく虚しさが、部屋中に響くだけ。テレビをつけてボーッと観ていても頭には何も入ってこない。


「…テレビもつまんないし暇だし…」


親友の優良は、彼氏とデートって言ってたしなぁ。さすがに邪魔は出来ない。

はぁぁと大きなため息をつきながらお気に入りのクマのぬいぐみを思いっきり抱きしめて顔をうずめた。


ー…ピーンポーン


「…誰よぉ…もうっ!!!」


パジャマだしすっぴんなのに…少しイラつきながらハイハイ!!!と返事しながら玄関へ降りて行った。

宅配便かな?と開けるとそこには大きなトランクを置いて手を広げまたママとパパが、立っていた。


「ただいまー!会いたかったわー!お土産もたく…」

「まぁまぁ、ママ家の中でゆっくりお土産も渡せばいいじゃないか」


穏やかに笑うパパにそうねとママは拗ねたように言った。

久しぶりの我が家はいいわーと大きな声を出しながらソファに座るとパパは、コーヒーを入れる準備をしていた。


「あたしやるよ」


いいよとジェスチャーするとママは、あたしの袖を引っ張った。トランクからはたくさんの服や帽子、アクセサリーが出てくる。正直、ママの趣味はあたしには合わない。


「このワンピースなんてどう?!似合うと思うのよ!?」


「ほんとだ、あたしに似合いそう!さすがママ!」


こんなフリフリのワンピースなんてあたしが似合うわけないじゃん、なんて言えば拗ねるのが目に見えている。


「ママ、そろそろじゃないかな?悠君が来るのは」


パチン!と手を叩いてとても嬉しそうな顔をした。

悠…?誰?と聞こうとしたその時…

ピーンポーン

タイミングよくインターホンが鳴った。

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