ただ…好きなだけです
ふと思う。この気持ちが君に言えたらいいのに。
と。
桜の花びらがに。
「好き。」
だって。君の目の前で。そして、思いっきり振られたら、きっと少しは心の中が晴れるのかな。
と窓の外をぼんやりと見ながら思っていた。
2週間前…
なかなか晴れない心の中にイライラする日々。君に会うことに少し怯える。
会えば会うだけ、優しくされればされるほど切ない。苦しい。心が痛い。キュッと何かをしめられたような感覚。
アルバイト先で恋をした。
それは…
私にとって、初めての。初恋。
こんな思いをするなんて半年前の私は思ってもなかった。
半年前…
恋愛をしたい私。誰でもいいから彼氏がほしいと溺れる。彼氏と彼女が一緒に歩いている姿に憧れがあった。
「いいな。」
と思わず口に出るくらい。まぶしい。輝いている。キラキラと。そして私は、適当な行動に出てしまう。
それは…
私が恋に気づいたきっかけだった。
出会い系サイト。使ってしまう。1日だけで怪しそうな男の人はたくさん集まる。その中でも、優しそうな人はいた。本当に出会いを求めている人のものが。危ないとわかっている背後には、
「大丈夫だろう。」
となんの根拠もないことを思っていながらもメールのやり取りをするようになった。1週間くらいになって、
「会わない?」
というメール。怖いと思いながらも、会ってしまう。
私は、もともと、男の人なんてみんな同じだと思っていた。だから、適当に顔がいいイケメンを探した。それで、1日だけでもと…そんな軽い感覚。相手の人のことなんて考えもぜず。
その頃の私は、男の人の怖さを知っていた。
でも…
そして、ついに、その日が来た。メールで
「どこ?」
と送られてくる。怖い。ドキドキと緊張。やっぱり、帰ろうかなとした時、
「はなさんですか?」
と、尋ねて来た。私は、思わず、
「そうですけど…」
と言ってしまい、
「僕、優です。」
と。挨拶をし、
「行きますか?」
とその人は言う。一緒にただ、ショッピング。その帰り初日で、突然、
「あの…」
と話を切り出す。
私は、
「え?」
の言うと、
「あの…付き合いませんか?」
と。私は、答えられなかった。選択を責めさせる。なかなか、答えられない私に、
「あ、すいません…」
と謝る。そして、
「そんなに、急には、無理ですよね?」
と。無言になってしまう私。
「良かったら、また、お会いしませんか?」
と言う。
そして、次の約束をし、再び会うことになった。答えなきゃという思いはあった。
でも…
再びまだ怖いという思いはあったが、会うことにした。
その人に会うたび、どこか違和感を感じるようになった。
それから、3週間経ってもその人とのメールのやり取りは続いた。
3回目で会った時、再び違和感を感じた。
なんだろう。
4回目に会うことを約束していた。1週間後。
しかし…
ふとした瞬間気づいてしまった。
私の頭の中に…
君がいた。違和感を感じていたのは…いつも君が出てくるのは…
好きなんだ!
と。
それから、月日は流れた。4回目は断った。
さらに、月日が流れ、半年が経ってしまった。
思いを伝えることができない。
そして、彼には…
彼女がいることを知る。
なんとなく、恋愛話になった時、酒の入った先輩から、聞かされた。
「彼女がいる。」
ということを。
それでも、君が好き。
叶わなくてもただ、少しだけ話せるだけでも…バイトで会えるだけでも…
密かに思いを寄せることにした。
なかなか、この思いが消えないから。君を見てしまう。意識しているわけでもないのに…
私は、この思いを手紙にした。
それは…
あなたは、知りませんよね。私の気持ち。それでもいいよ。
私は、あなたに伝えいことがある。
私、あなたのことが好きです。
でも、私はこのままの関係を壊したくない。何よりもあなたを困らせたくない。
あなたが幸せならそれでいいです。
でも、もう少しだけ、あなたのことを好きでいさせてください。
ねえ、あのね…
いつか、またどこかで会った時私は、どんなふうに会うのかな?
わらっているのかな?それとも切ない顔をしているのかな?
そんなことはわからない。
私は、ただ、君が好きなんです。
と。
桜の花びらがそっと窓の外から入って来た。どこか、優しい気持ちになれた。
「はな!なは!」
と。
「また、ぼんやりとしてたの?」
と、アイちゃんは言う。
「早くしないと遅れたちゃうよ。」
と。私は、
「今、行く!」
今日も桜の花びらがきれいに見えた。手紙はそっと、机の中に封印した。
奥の奥に。永遠に。
春の終わりだった。
また、いつか、恋ができますように。そして君よりもいい人に出会えますように。
と桜の花びらに願った。




