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01 目が覚めたら、森だった

## 01 目が覚めたら


目が覚めたら、森だった。


昨夜は確か、自宅の布団で寝ていたはずだ。

天井を見上げ、いつものように眠りに落ちた。

その記憶に、不自然な抜けはない。


鼻に土の匂いが届く。

背中が冷たく、硬い。

仰向けに寝ているらしく、視界の半分は枝と葉で埋まっていた。


体を起こす。

腰と肩に重さが残る。

寝違えた痛みとは違う。

地面の感触が、そのまま身体に残っている。


夢にしては、やけに現実的だな、と思った。


指を握って、開く。

感覚はある。

意識もはっきりしている。


「ああ……なるほど」


口に出して、少し考える。


「これは――転生、だな」


そう結論づけた瞬間、不思議と混乱は起きなかった。


小説やアニメで何度も見てきた状況だ。

実際に自分の身に起きるとは思っていなかったが、

起きてしまったものは仕方がない。


まずは確認だ。


身体に致命的な怪我はない。

持ち物は、着ている服だけ。

周囲に人影はなく、森は静かだ。


そのとき――


森の奥から、悲鳴が聞こえた。

反射的に、立ち上がっていた。


考えたわけじゃない。

正義感でもない。

日頃から護身術を学んでいる人間として、

その音に対して、身体が先に動いただけだ。


足元の枝を避け、音の方向へ走る。


視界が開けた先で、

刃物を持った男と、倒れ込む女性の姿が見えた。

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