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Ep.49

大変お待たせしました。

 午前9時過ぎ デビュタントが始まった。


 生徒のほとんどがシンシアの元を訪れ話しかけていた。


「シンシアさん!そのドレスは一体!?」

「婚約おめでとうございます!素敵なドレスですね」

「フフッ ありがとうございます。実はライフォード様からの贈り物でして…皇族専属のデザイナーに作っていただいたのです」

「まぁ素敵!」

「なんて羨ましい…」


 皆シンシアのドレスがデビュタント直前で引き裂かれた酷い状態な事を知ってた。しかし誰も手を貸そうとせず泣く彼女を見てるだけだった。

 そんな彼女が皇太子から特別なドレスを与えられた…


 …まるで物語で起きる王道な流れ…


 そんな体験をしたシンシアだが、実は生徒達はシンシアの悲劇なんてどうでもよく、皆ドレスに興味があった、だから近づき話しかけてるに過ぎない。


 あんなボロボロなドレスから宝石のような美しいドレスを4日以内で用意出来るなんて…ライフォードが最初から用意していたとしか考えられない。

 だからと言ってドレスを引き裂いた犯人が彼とは限らない。犯人は未だに捕まっていない…


 ☆★☆★

 正式にライフォードの婚約者となったシンシアは周りに見せつけるように彼の腕に抱き付く。もう彼との仲を邪魔する存在はいない…一部は除いて


 まさかキャロラインが婚約者候補の座を降りて第二皇子オーティスと婚約するとは思ってた無かったようだ。2人の事だ、きっとキャロラインをシンシアの教育係にでもして仕事や役割を押し付けようと企んでいただろう。しかしオーティス皇子の婚約者になったのでそれは出来ない。


 2人は密着して歩きキャロラインや他の生徒に挨拶をする。もちろんアルテとヴィクトールの所にも来た。

 案の定アルテの黒いドレスを見て馬鹿にしたように言った。


「まぁアルテさん…前と同じドレスを着てるなんて…お金に困ってるの?」

「はっ、男遊びで金を使いすぎるからそうなるんだ」


 ヴィクトールや他の生徒ですら色やデザインは似てるが別のドレスだとわかるのに、この2人は…

 アルテは冷静に対応した。


「これは親しい友人から成人祝いと作って貰ったドレスだよ?」

「フンッ、親しい友人と言ってもどうせ男だろ」

「口では何とでも言えますよ。アルテさん、お金に困ってるのなら言ってください」


 その発言に少々腹を立てたが、アルテは先程キャロライン達が言っていたメリナの店の事を思い出し、店の名前を言った。


「勘違いしてるみたいだけど、これをくれたのは女性よ。『プリンシパル』のオーナーで広告塔をしてるメリナ嬢から」

「なっ!」

「えっ?プリンシパルって?」


 ライフォードはプリンシパルとメリナを知ってたようで目を見開いた。一方シンシアはプリンシパルもメリナも知らないようだ。演技には見えないので本当に知らないようだ…


 相手が女性、あのメリナ=フォン=ローレルだと知ったライフォードは悔しげな表情をしてシンシアの腕を引き去って行った。


「行くぞシンシア」

「えっ?!な、何でですか!?ライフォードさまぁ」


「……」


 このやり取りを見ていた生徒達はヒソヒソ話を始めた。


「シンシア様がプリンシパルを知らないなんて…」

「あのプリンシパルを知らないってあり得ないよ!?」

「なんか…急に不安になってきたや」


 インフルエンサーでもあるメリナを知らないシンシア、見下していた相手がその人物と親しいと知り急に弱気になり逃げるように去ったライフォード…

 プリンシパルもメリナも知っていたので流石皇太子だなと思った。しかし彼の隣に立つ彩雪の聖女でもあるシンシアが知らないなんて…とても信じられなかった。

 皇太子と皇太子妃は後の皇帝夫妻、国の流行りや政治、国民の声等を理解していないと勤まらない。ライフォードは元は真面目だったからまだ何とかなってるが…聖女としてチヤホヤされたシンシアに勤まるだろうか…


 デビュタントと言う場で国の未来を不安に感じた生徒達だった。


 ▼△▼△

 プリンシパルのオーナーで広告塔でもあるメリナと親しいと知り、生徒達は散々相手にしなかったアルテに話しかけたりしていた。

 その話のほとんどが「自分達もプリンシパルに入りたいからオーナーに紹介してくれ」だった。


 アルテは嫌な顔せず一言「彼女に気に入られば良い」とだけ言って離れた。

 生徒達は凍り付いた。特にキャロライン主催の茶会の場でメリナとアルテのやり取りを見ていた生徒達は彼女がどのような人物なのか知っていたから尚更。

 メリナは見た目は夢見る乙女のような絵に描いたようなゆるふわ系だが、中身は正反対の『現実主義者』。今をどのように生きて、どのような人生を歩みたいかを常に考えてる人物。

 ただ常に何かに励んでる姿勢を見せてもメリナは何の反応も示さない。

 また、彼女の作るものが好きだ、ファンだという理由は逆効果…。メリナは商品だけしか見ない人物は嫌いだ。


 彼女に気に入られるのは簡単な事ではない…


 それにしてもアルテの黒いドレスよりも皆プリンシパルしか興味が無いのがリアルだ…。目先の事を考えず、ただ単に流行に乗ろうとしてる…


「(これはメリナに気に入られないだろうな…)」


 アルテは心の中でそう思ったのだった。


最後までありがとうございました。


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次の更新も気長にお待ちください

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