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Ep.45

 シンシアは引き裂かれたドレスを抱き締めて泣き叫んだ。


「なんで!どうして!!」


 引き裂かれたドレスは酷い有り様だった。胸元から大きく破れ、装飾は床に散らばり、着いていたジュエルは盗まれてる始末…誰がこんな事を…


 シンシアが泣き叫んでると騒ぎを聞き付けたライフォード達がやって来た。焦った表情をしてライフォードは彼女に近づいた。


「シンシア!どうしたんだい?何があったんだ…」

「ワタシの、ワタシのドレスがぁ…」

「っ!…酷い…どうして…」

「一体誰が…」

「……」


 ライフォード達がシンシアを慰めてる時、1人マルクスはアルテを見た。しかし隣にヴィクトールが居たのを確認するとシンシアの方に向き直り口を開いた。


()()()()()…調べるしかない」

「わからないだと?…ふざけるな、犯人は1人しかいないだろ」


 ライフォードは立ち上がり野次馬達の方に足を運び後ろにいたアルテの腕を掴み叫んだ。


「お前しか考えられない!お前がやったのだろ!」

「……」


 アルテは冷静を保った。此処で反応を見せたら本当の悪女に思われてしまう…

 何も言わず、ただ皇太子からの罵倒を耐えようとした時だった。横からヴィクトールが彼の腕を掴んだ。


「何も考えずに決めつけるのは皇太子としてどうだと思うぞ」

「は、放せ!」

「お前が先に放せ」

「っ!….」


 周りはこのやり取りにざわついた。ヴィクトールがアルテ(悪女)を庇ったのだ….

 そもそもヴィクトールがアルテに付きっきりなのは婚約者だからではない、ライフォード本人による命令で監視してるからだ。


「コイツには不可能だ、俺が常に見ていたからな」

「っ……チッ…」


 ライフォードは舌打ちをしてアルテの腕を放した。

 考えればわかるのに彼はしなかった…


 シンシアは泣くばかり、誰にされたとか言わない…


 ライフォードはアルテに謝罪せず背を向け早足でシンシアに近づいた。


「あぁシンシア…泣かないでくれ…」

「でもっ…デビュタントまであと4日も…ドレスが…」

「大丈夫…ワタシに任せてくれ」


 彼はそう言って引き裂かれたドレスを抱き締めるシンシアを抱き上げ、空き教室から出ていった。マルクス達は…気まずそうな表情をし頭を下げて去って行った。


 昼休み終了まで残り10分…やり取りを見ていた生徒達は去って行った。


「……」

「助けたとは思ってない」

「何も言ってないでしょ」

「これで恩を返したいと言って迫られたら嫌だからな」

「そう…」


 そんな事しないのに…アルテは心の中で一応礼を行って空き教室を離れた。もちろんヴィクトールもついてきた


 △▼△▼

 デビュタントまで残り2日

 シンシアのドレスだが、未だに犯人が見つからないそうだ。

 周りはアルテがやったのだろと疑っていた。しかし常にヴィクトールに監視されてるので彼女には無理だ。


 幸いにも彼女のドレスは何とかなったので噂は2日で消えた。


 これ以上何も起こらなければ良いのだが…


 …しかし、そう思う時に限って問題は起きるのだ。


 この日の夕方、アルテの隣にヴィクトールは居なかった。

 アルテ1人の状態で外を歩いていた。

 教師が西倉庫に忘れ物をしてしまったから取りに行って欲しいと、生徒に頼むような事じゃ無いのに彼女にさせた…。

 教師が忘れたのは上級生がこの時の為に育てていたと言う薔薇の苗、本来なら風通しが良く陽を浴びて成長するはずだが、この薔薇は特別、太陽ではなく月明かりを浴びて成長する…

 確かに西倉庫の中は特殊で、部屋がいくつかあって部屋によって室内温度が異なる。

 その薔薇があるのはとても寒い部屋…


 アルテは魔の西倉庫にやって来た。半年前、此処で暗殺者に襲われた…二度と来ることは無いだろうと思っていたが、再び足を運ぶことになるとは思ってなかった。

 そんなことを考えながら中に入り、薔薇の印が入った扉を開けると冷たい空気で満たされた空間になってた。

 そして月明かりが当たるよう計算されてるのか、鉢植えが1個だけ床に置かれていた。

 意図的に忘れたのか持っていく数を間違えたのかわからないが、教師が置いてきてしまったのは事実だ。


「……」


 月明かりと冷たい空気を好み、美しくて脆いガラスの彫刻のような事から【月の薔薇】と呼ばれる。

 この薔薇は特別な物ではないが、美しい事からデビュタントや誕生日など、その人にとって特別なイベントに贈られたり飾られたりする。


 鉢植えを手にして落とさぬようしっかり持ち、倉庫を出ようとした。


 その時だった。


 ザシュ


「っ!!」


 倉庫を出て学園に向かおうと身体の向きを変えた瞬間、突如目に痛みを感じた。


 辛うじて左目は無事だった、片目であの時のような黒衣を纏った人物に襲われたとわかった…しかし今回は本当に傷を付けてきた。

 また相手は顔に仮面を着けてるともわかった、それにより素顔はわからない。


 首を絞められた時は暗い空間だったが今回はまだ明るい外だった。

 だから相手の姿がハッキリと見えた…しかし今のアルテにはどうしようも出来ない。


 痛みのあまり鉢植えから手を放してしまいそうだったが耐え、地面にゆっくり降ろしてから攻撃された右目に手を当てた。


 襲撃者はアルテが動く前に逃げ行方を眩ました。


 …デビュタントまで残り2日…大イベントの直前にすぐに癒せない傷を付けられてしまった…


最後までありがとうございました。


面白かった、面白くないからもっと努力してと思っていたら下の星、評価をお願いします。

星1つでも嬉しいです!



作者の励みにもなります!


次の更新も気長にお待ちください

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