表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/54

Ep.40

 キャロラインの話がきっかけか、次に話題になったのは結婚だった。

 皆婚約者と上手く行ってるようで学園に通ってる者は卒業したら結婚する、中には既に学生結婚をしてる者も居た。


 花嫁修行や料理、領地管理、様々な知識と能力…結婚とは幸せだけじゃ無いのだ…


「皆様は結婚を考えてますの?」

「い、一応考えていたのですが……」

「いるけど?」

「なんか…最近の彼の態度が冷たくて…」


 若者の婚約は困難がいっぱいだ…婚約者一筋な者もいれば平気で浮気をしたり後先考えず婚約破棄を宣言する者も多い…ほとんどが「真実の愛」とやらに目覚めたとか…馬鹿馬鹿しい…


「レクイエデ様は考えてますの?」

「私は…」


 ヴィクトールと婚約してるが仲が良いとは言えない…学園だけでなくあの時のパーティーでもそれが多くの人に知れ渡っただろう…


 …この令嬢はわかってて言ってるのだ…


「……」


 アルテはどう答えようか悩んだ。変な事を言えば馬鹿にされる。最悪なのは…この中にアルテの悪評や良からぬ噂を広げる元凶と繋がってる事だ。

 …変な事は言わずに、自分の気持ちを言おう。


「…正直考えてません」

「「!!」」

「な!ヴィクトール=クローウェルズ様と婚約してるくせに!」


 案の定噛みついて来た。しかしアルテは冷静に続けた。


「余命宣告をされてもそう言える?」

「えっ…」

「「!?」」


 彼女の発言に噛みついて来た令嬢は言葉を失った。アルテは真剣な表情で続ける。


「2年しか生きられないと余命宣告されたら…未来を考える事が出来る?」

「そ、それは…」

「「……」」


 考えられない訳無いだろ、未来が無いのだから…


「私は今を大切にしたい、その日までにやりたい事を全部やりたい…」

「………」


 キャロラインですら何も言えなかった…。何とか口を動かしても出たのは震えた声だった。


「あ、貴女は…重い病を患っていますの?」

「いいえ、至って健康よ。それに余命宣告はもしもの話よ」

「そう…ですか…」


 此処にいるのは健康な令嬢達だろう。だから未来を考えるのが当たり前だと思っていた。しかし中にはアルテが言ったように余命宣告を受け未来が無い人物も居るのだと改めて理解した。


「わ、わたし…彼と話してみます」

「ワタシも…少し考え直してみます…」

「そうね…」


 今を大切にするのも大事だ。今此処にいるけど明日になると誰か亡くなってるかもしれない…縁起でも無いかもしれないが、未来で起きる事など誰もわからないのだ。


 その時だった。おっとりとした印象の令嬢が口を開いた。


「ワタシはレクイエデ様の考えに賛成いたします」

「ありがとうございます」


 令嬢なら誰もが幸せな未来を夢見る…

 しかしおっとりとした彼女は見た目は夢見る乙女だが中身はそうではなかったようだ。


「明日何が起きるのかも、なんなら今日の午後に何が起きるかもわかりませんもの。何も起きないかもしれませんし、命に関わるような大事が起きるかもしれません…未来を考えるのも大切ですが身近に潜む危険性も考えるのも大切ですね」


 おっとりとした容姿とは反して彼女の考えてる事は極めて現実的…。彼女の発言に周りの令嬢達は少し怯えていた。


 キャロラインとヘレナ、リリアナは落ち着いた顔に戻っていた。


 △▼△▼

 お昼前にお茶会が終了した。 

 アルテが馬車に乗ろうとした時だった。あのおっとりとした令嬢がアルテに声をかけた。


「先程は失礼しました。ワタシは『メリナ=フォン=ローレル』と申します。父は侯爵です」

「アルテ=レクイエデと申します。伯爵家の者です」

「フフッ…アルテ様とお呼びしても?」

「構いません」

「ありがとうございます。ではワタシの事もメリナとお呼びください」

「わかりました、メリナ様」


 まさか友人が出来るとは思ってなかった。その後軽く話をした後それぞれの馬車に乗って帰った。


 ★☆★

 メリナ=フォン=ローレル

 桃色の(ピンク)髪をしており、淡い色のドレスを着てる おっとりとした印象を持つ侯爵令嬢。

 しかし見た目に反して中身は現実主義者…


「(ローレルって…確か帝国の隅に有る土地の名前でもあるよね…遠くから参加したんだ…)」


 レクイエデ伯爵家の土地も帝都からそれなりに離れてるが、メリナの姓でもあるローレルは隣国との国境付近にあり、帝都からかなり離れた位置にある土地だ。


 皇族とローレル侯爵家の関係は悪くは無い。ただ帝都からかなり離れた位置にあるので援助が間に合わない事がほとんど。


 それもあってか、ローレルの地では独自の文化や生活が発展してるそうだ。穀物や農作物の作成と管理。農作業の基礎となる土作りや肥料にも力を入れてる。

 また糸の作成から織物、染織等の技術も発展してる。メリナが着ていた淡い色のドレスや布は全てローレル(領地)で作られたモノ。


 領主の娘自らが広告塔となり、その品のある色合い、美しさ、質の良さを広げてる。おかげでローレルで作られた布·生地は帝国だけでなく隣国にも評判になり儲かってるとの事…最近では衣類だけでなく雑貨やインテリアにも使われてるそうだ…


 未来を見据えるだけでは此処まで出来ないだろう。もちろん大切だが、現実を直視するのも大切だ。何時自然災害が起きても良いよう常に対策し、食糧難や病を発症させぬよう徹底的に管理するなど、あらゆる問題に基づいて行動してる。


 メリナが現実主義者なのはきっとローレルの環境が関係してるからなのだろう。

最後までありがとうございました。


面白かった、面白くないからもっと努力してと思っていたら下の星、評価をお願いします。

星1つでも嬉しいです!



作者の励みにもなります!


次の更新も気長にお待ちください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ