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Ep.3

 数分後、式が始まった。

 学園長と生徒会長の挨拶が終わると次は教団関係者の挨拶になった。


 しばらくすると教壇の前にエレタージュよりも豪華な服と装飾を身に付けた神々しい男性が現れた。美しい白銀の長髪に金色の瞳をした、エレタージュとは少し異なるが、()()()()顔をした男性だった。

 その両隣には先程話したエレタージュと青髪の若い女性が立っていた。


「セシリア教団 大司教『セルウィン』と申します。皆様、この度入学おめでとうございます。我々セシリア教団が皆様を支えていきますので楽しい学園生活を送って下さい。何かありましたら気軽に我々に申して下さい、もちろん自分セルウィンにも気軽に接して下さい。

 皆様に女神セシリア様の祝福があらんことを」


 彼がそう言い頭を下げると聖堂にいた全員が拍手をした。アルテも拍手をしていた。


「(あの人がこの後話す人か…神様みたいな人だったなぁ)」


 正直、自分は神託などさっぱりわからない。わかるのは…神託のせいで面倒な人生を送ってる事だけ。ただ容姿が黒髪で深紅の瞳をしてるだけで、神託の黒いダリア『黒蝶』だと思われるだなんて…風評被害にも程があるだろ。

 確かに黒いダリアは美しくもあり同時に恐怖も与えるだろう…しかし見た目がそれっぽいだけで、どうして人々に険悪な目を向けられるんだ…周りの目を気にしてないアルテでもこの理不尽さに腹を立ててた。



 その後、入学式兼入会式が終わった。その後クラス分けを発表された。

 アルテは…Bクラス、良くも悪くも無い普通だ。対するシンシアは…ライフォードと共にAクラスだ。1ミリも羨ましいと感じないアルテだった。


 皆がクラス分けの表に群がってる時、エレタージュがやって来て声をかけてくれた。

 誰にも見られること無くアルテは聖堂を離れ、奥に入った。


 ▼△▼△

 聖堂の奥には大司教の執務室があるらしい。エレタージュに案内され、大司教セルウィンの待つ部屋に入った。


「大司教様、お連れしました」

「失礼します…」


 流石にアルテでも緊張してる、声は震えてるし動きもぎこちない。

 大司教セルウィンはアルテを見ると目を輝かせて向かいの椅子に座るよう言った。アルテは恐る恐る座ってセルウィンを見た。


「初めましてアルテさん。先程挨拶させてもらったセシリア教団 大司教セルウィンと申します」


 セルウィンは体格はがっつり男性だ、しかし見た目は中性的で声も女性にも聞こえる…


「アルテ=レクイエデです…」


 セルウィンとエレタージュはクスクス笑う。生徒の笑い声と事なり、馬鹿にしてるようには見えない。単純に、純粋に15歳の子供を見て笑ってるようだ。彼らからしたら15歳の子供など幼子と変わらないのだろう…


「失礼っ、フフッ…アルテさん。どうして呼んだかわかりますか?」

「いえ…全く…。えっと「彩雪と黒蝶の神託」についてですか?」

「確かにそうですが、少し違います」


 セルウィンは真剣な表情でアルテを見た。


「実はアルテさんが生まれる前、この「彩雪と黒蝶の神託」に繋がるもう1つの神託が下されたのです。こちらはワタシと皇帝陛下のみしか知りません」

「(国家秘密じゃん)」


 まさに国家秘密をまだ関係してるかもわからないアルテに言うのはどうかと思うが…セルウィンは続けた。


「この100年、「彩雪と黒蝶の神託」は何の動きがありませんでした。しかし15年前、これに連なる神託が下されたのです。それも『神託を受けた2人が生まれる』と…」

「15年前…」


 15年前と言うことはアルテを含めた今年の新入生達が生まれた時だ。何かとアルテとシンシアの誕生ばかりが話題になるが、その年に生まれたのも、新たな神託が下りた時に生まれたのも2人だけじゃない。


「ワタシ達は皇族の命により修道院の建設をしながら『彩雪の聖女』も見つけるようにと言われてました。そして聖女を、シンシアは見つけました」


「……」


 これも話題になった、セシリア教団が彩雪の聖女を見つけたと…アルテに当て付けるように聖女は慈悲深く美しい、多くの人々に愛されてると言った。遠回しにお前は魔女のようで醜い、多くの人々を苦しめる悪女だと…


 ただ物語に出てくる悪役令嬢のような容姿をしてるだけで…何故そんな事を言われなきゃいけないんだ…一時は精神的に追い込まれた事もあった。その後 何とか「自分を貫く」という意思を抱き直し、周りの声や目を気にしないようにした。


「アルテさん、貴女は神託をどう思ってますか?」


「どうとは?」


 意味深な発言をするセルウィンを軽く睨むアルテ、これもわかってたのかエレタージュはアルテを止めようとしない。


「何でも構いません。素直に言って下さい」


 そう言われた瞬間、アルテは口を開いた。


「…私には全くわからない事ばかりです。神託がどうとか…私には関係があるのですか?」


 アルテの言葉にセルウィンとエレタージュは何も言わず、静かに首を縦に動かした。


「そうですね…。それもまた1つの答えですね」

「??(答え?)」


 また意味深な発言をするセルウィン、やはりアルテにはわからない事ばかりだ。

 その後、セルウィンとエレタージュはアルテに「彩雪と黒蝶の神託」について詳しく説明した。

最後までありがとうございました。


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