表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/54

Ep.37

 数時間後 時刻は午後4時頃


 アルテはエフィニアの部屋を訪れニーナを愛でていた。


「きゃ~」

「良かったねニーナ」


 ニーナは満面の笑みを浮かべてアルテに甘えていた。

 髪が短くなってしまったので掴む事は出来ないが、可愛い小さな手がアルテの顔に触れる。


「フフッ ニーナは本当にアルテ様が好きね」

「エヘヘ」


 もう色々と吹っ切れてしまったアルテは優しく微笑みニーナを撫でたり抱き締める。

 ロイドにこの子に関わるなと言われたがもうどうでも良い…


 だってニーナと戯れるのはやりたいことの1つだから…


「う~?」


 純粋無垢な赤ん坊には大人には見えないものを感じ取る事が出来る…。ニーナはアルテの心を感じ取ったのか、泣かなかったが悲しげな表情をしペチペチとアルテの頬を軽く叩いた。


「なぁに?」

「う~!」

「ニーナ ダメよ」


 ニーナは先程よりも少し強くペチペチと叩いた。アルテは微笑んだままだった。

 エフィニアが慌ててニーナの手を止めたがアルテは気にしてないと言った。


「ごめんなさいアルテ様」

「気にしてません」

「う~!」

「「!!」」


 ニーナからアルテに抱きついたのだ。まるでぬいぐるみに抱きつくように…なんて可愛い子なんだ…


「…貴女は優しい子だね…」

「あぅ~?」


 この子の成長する姿をあと2年しか見れないとは悲しいな。


 …自分に未来が無いと知られてはいけない。これは自分の問題で家族には関係無い…本当の黒蝶が生きてる間に現れてくれればアルテにも未来が有るかもしれない。でも何時現れるかはわからない…アルテが死んだ後かも知れない…死ぬ直前かもしれない…


 …悩んだ所でどうしようもない。アルテに未来は無いのだから…今を楽しまなくては…


 ▼△▼△

 別の日

 卒業までに赤点を一度も取らない為にも冬休み中でも勉強は続けなくてはいけない。冬休み開けには確認試験が有るらしく、二学期のおさらい問題が出るとの事。


 これから先内容がもっと難しくなる…必死に取り組まないと追い付けない…


「(成績を残してもね…)」


 成績は至って普通、兄2人と違い何かが飛び抜けて優れてる訳でも無い。

 残した所で意味は無いのだが…それでも頑張りたいのだ。



 そんな事を考えてる時だった。


「ま、またクローウェルズ公爵令息が…」

「帰るよう言って」

「は、はい…」


 本当に何の用だ、対して仲良くも無いのに…婚約者だから?そんなのが伝わる訳ないだろ、あの時アルテはハッキリと言った。

『無理に婚約者の役目を果たさなくて良い』と

 正直、来ても迷惑に近い…話す事も無いのだから…


 ★☆★☆

 それから数日後

 冬休みも残り1週間…長いようで短い休暇だった。


 あれから何日もヴィクトールは家にやって来た。しかしアルテは会うこと無く追い返した。相手が公爵家の者と言え先に無礼を働いたのはあっちだ


 そもそも…近い内自分を殺すような人間と親しくなりたいか?


「(私ならゴメンね、自分から「私を殺して」と言ってるようなモノよ)」


 中には殺されたく無い一心でそのような相手と接する人間もいるかもしれない。


 しかし…誰もが「関わりたくない!」と思うはずだ。

 何故自ら自分を殺す人間に接触し関係を築こうとする…命知らずにも程があるでしょ…


 アルテがそんな事を考えながら勉強をしてると誰かが扉を叩いた。


「開いてるわよ」

「……」


 入って来たのは珍しく兄ルイスだった。

 彼も嫌な男だ、事ある度にアルテを馬鹿にするような事を言ったりしてくる…


「何の用ですか?」

「何を企んでる」

「……」


 何かする度にそう問い詰めてくる…何故必ず悪事をしてると疑われてしまうのだろう。アルテは顔を彼に向けずに答えた。


「自分の好きな事、やりたいことをしてますが?」

「だから何を企んでるか聞いてる」

「何も企んでませんよ」

「嘘つけ、お前が机に向かって変な顔をし、ブツブツと呟いていたのを見た」

「(やりたいことリストを書いてた時かな?)プライベートにまで踏み込んで来てケチをつけに来たのですか?用が無ければ出ていってください」

「ぐっ…」


 確かにアルテのプライベートにまでケチをつけるのは家族でも許されない。アルテが何をしても勝手だ。悪事は一切して無いのでもっと無駄な行いだ。

 彼もされたら嫌な気持ちになるだろ?


「……」


 ルイスはブツブツと小声で言っていたがアルテは無視した。

 それから少しするとルイスは去って行った。一体何がしたかったのやら…


 ★☆★☆

 1人力無く廊下を歩くルイス…


「違う…あんなことが言いたかった訳じゃない…」


 頭でわかってても口から出るのはアルテを貶す言葉…


 あのパーティーの日 屋敷に帰ってきた後、ロイドとルイス、エフィニアは伯爵夫妻からアルテが信託とは無関係の人間だと聞かされた。

 この事は誰にも言わぬようにとルアンが厳しく言ったので仕事場には言ってない。


 最初は疑っていたが、両親がセシリア教団から、大司教セルウィン直筆の手紙を読んで事実と知った。


 しかし今更親しくなろうにも無理…謝罪するにも遅すぎる…

 アルテは家族と仲を深めようと思ってないから…

最後までありがとうございました。


面白かった、面白くないからもっと努力してと思っていたら下の星、評価をお願いします。

星1つでも嬉しいです!



作者の励みにもなります!


次の更新も気長にお待ちください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ