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Ep.35

 11月頃にライフォードに問われた時…


 ヴィクトールは「婚約を続ける」と答えた。


 だからドレスも送ったようだ…しかし最悪な結果を生んだだけとなった。


 アルテにとってヴィクトールは…卒業時に自分を殺す処刑執行人でしかない。

 だから無理して婚約者の役目果たそうとする必要は無いのだ。


 2年後には居なくなる婚約者…いや処刑対象に尽くしてどうするって話だ。

 そんなの彼ならわかるはずなのに何故ドレスなど送ってきたのだろう…


 冬休みが始まる前

 ヴィクトールは既に婚約者が居たマルクスやカルヴァン、ガルクに話を聞いていた。


「婚約者にドレスやアクセサリーを贈ったりする。でも中には宝石や高価な物よりも花や雑貨、小さな贈り物を好む令嬢もいるよ」


「君の場合は悪女だからな…変な物を贈って癇癪を起こされたら面倒だろ?慎重に選ぶのが良いかもね」


「無理に役目を果たす事無いだろ?あんな悪女、尽くすだけ無駄だ」


 彼らはそう言いながらも婚約者に何をすべきなのを教えてくれた。ずっと剣や汚れ仕事ばかりしてきた男に婚約者が出来た。

 しかしその相手は厄災をもたらす黒蝶であり悪女なアルテ=レクイエデ伯爵令嬢…

 皇太子の命令が無かったら一生関わる事が無かった相手だった…


 …12月の半ばにパーティーが行うと言われ、用意しなかったら癇癪を起こし暴れると思ったから用意した。それがあの黒と深紅のシックなドレスだった…採寸がされ胸元が閉じていたら完璧だったが、彼がそれがわかる訳無いので最低な状態でアルテの元に届いてしまった。


 …アルテが何者かに襲われた時から彼には自分がどう動けば良いのかわからなくなってた…

 どうせ卒業時に殺すのだから助ける必要は無い…そう思ってた時もあったが…それが正しいとは限らない…。

 婚約者として悪女に尽くし守るのが正しいのか…ただ死ぬのを待つか…


 ……これが、アルテが本当の悪女なら後者が望まれる。

 しかし彼らはアルテが厄災をもたらす黒蝶で悪女だと信じてるから…アルテを守ろうと思わないのだ…


 △▼△▼

 パーティー当日に戻る。

 ヴィクトールが持ち場に戻ろうとした時、帰ろうとしたロイドとエフィニア、そしてルイスと鉢合わせた。


「貴殿がヴィクトール=クローウェルズ殿か」

「はい…」

「えっ!あ、貴方がアルテ様にドレスを送った方!?」

「…そうです」


 エフィニアはあの最低な状態のドレスを見てる。アレを送ってきた張本人を見て驚いていた…


「こ、公爵家の方に言うのも癪ですが…送るドレスは採寸すべきですよ…あれは本当に…」

「………」


 エフィニアから見ても酷いモノだったのは確か…何も知らない兄2人には何もわからない…


 第三者から見ても酷いモノだったと知り、何も言えないヴィクトール…


 …大失敗に終わるなら送らなければ良かったのにね…


 しかし彼が手紙で着て来いと命じてしまったからアルテは酷い有り様なドレスを手直しして着て来た…これは完全にヴィクトールが悪く、アルテは被害者だ。

 その後エフィニアに色々言われ、何も言い返せずに終わったのだった。


 ★☆★☆

 帰りの馬車にて

 アルテが既に帰った事を御者から聞かせられたロイド達。

 馬車の中は気まずい空気で満ちていた。


「その…エフィ…アイツが着ていたドレスが酷いってどういう事なんだ?」

「酷いの一言じゃ済まないわ!アルテ様はお人形のような細身で──」

「「……」」


 同じ女だからこそ、あのドレスの酷さを目撃してるからこそ言える事だった。

 ロイドとルイスはエフィニアの訴えに戸惑っていた。


 確かに容姿は娯楽小説の悪役令嬢そのものだが、アルテの背は特別高くも低くも無い、そして妖艶な彼女らと異なり胸部に豊かなモノは無い…。

 確かにあのドレスには後から胸元を隠すように装飾や布が加えられていた、2人はどこか変だなと思っていたそうだ…


 ロイドでさえエフィニアに贈る際は気味悪がられないよう、共にドレスショップや仕立て屋に行き採寸してもらい、それを元に彼女に合うデザインで作ってもらっていた…。

 贈り物にせよ届け物にせよ、相手の事を考えた作らなければいけないのに変わらない。


 採寸がわからなければ彼女と仕立て屋に行きプロに調べてもらえば良かったのだ…しかしヴィクトールはしなかった。


「あんなブカブカで採寸がされてないドレスを着て来いだなんて!」

「そ、それは…彼が悪いな…アイツには何も言えん…」


 意外にもロイドにヴィクトールの愚かさが伝わったようだ。パートナーがいるだけあるな

 採寸がされてない、サイズが合わない贈り物をしても喜ぶ訳が無いのだから…


 ルイスはわからないが…この先彼にも相手が出来るかもしれない、この話を聞いて同じ失態をしないよう気を付けるだろう。


「「……」」

「うぅ…アルテ様…」


 泣きながら唸るエフィニア、何も言えないロイドとルイス…重い空気が漂う馬車の中…

 3人は早く着いて欲しいと祈ったのだった。

最後までありがとうございました。


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