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Ep.32

 冬休みに入り1週間が経った。

 ある日、レクイエデ伯爵家に皇族が主催するパーティーの招待状が届いた。

 アルテには2通来ていた。


「……」


 1通は伯爵家に届いたのと同じ皇族からのモノ、もう1通は…クローウェルズ公爵家からだった。

 内容は『ドレスを届けるからそれを着てパーティーに参加しろ』との事だった。


 …アルテとヴィクトールが婚約を結んで数ヵ月は経ったが…採寸はわかるのだろうか。彼と正式に出掛けた事も彼の両親に挨拶もしてないのだ

 …。

 また好みもわかるのだろうか…悪女と呼ばれてるから露出が多く派手なドレスが来るのではないか…

 背は高くないし低くもない、極めつけに悪役令嬢や悪女にある豊かな胸も無い。見た目は悪役令嬢、悪女そのものだが、その肉体は妖艶な彼女達とは異なり…絶壁だ。


「(変なモノ送ってくるなよ)」


 心の中でツッコミながら返事を書いたのだった。


 パーティーが行われるのは2週間後だ。


 アルテは髪を切って短くなったの露出の多いドレスを着たら酷い有り様になるだろう。髪飾りで多少は華やかにする事は出来ても身体はドレスでどうにかするしか無い。

 まぁ…これで笑われてもアルテには何のダメージはない、むしろダメージを受けるのはそのドレスを選び送ったヴィクトールだ。


 …何故『贈った』ではなく『送った』だと思う?贈り物ではなく届け物だからだ。


 アルテに敵意しか向けないヴィクトールが彼女の好み等を知ってる訳が無い。これは2週間後が楽しみだ。アルテは1人悪戯に笑っていた。


 その後の夕食

 そこでもパーティーの話ばかりだった。

 しかし赤ん坊は連れて行けないので伯爵夫妻が屋敷に残り、ロイドに伯爵代理を頼みエフィニアと共に出てもらう事になった。

 彼は次期当主、騎士をしながら父の仕事を後継してるので代理出席は変な事ではない。これに関してはルイスは反対してない、彼は当主よりも研究に没頭したいようだから


 そんなルイスに父ルアンが言った。


「お前も21だ、婚約者を見つけてこい」

「……」


 それを言われた彼の顔は傑作だった。アルテは心の中で爆笑していた。


 ロイドとルイスは容姿は似てるが顔はあまり似ていない。ロイドは父似でルイスは母似だ。

 双子なのに顔が違うので間違われる事はないらしい。


 そして母エナリアがアルテに声をかけた。


「アルテはドレス等はどうする?仕立てたいなら呼ぶわよ?」

「いえ…クローウェルズ様が送ってくれるので…」

「まぁ素敵!楽しみね」


 女神のように微笑むが内心はどうなのだろうか…本当にそう思ってるのか…悪い人では無いのはわかるが…愛を注ぐには今更なのだ。


「そう言えば、最近の社交界ではアルテのように短い髪型が流行ってるそうね。でも冬なのにどうして?」

「乾燥する時期で髪が痛みやすいからですよ。短い方がケアしやすいって言うのも有りますね」

「まぁ…そうなのね」


 エフィニアがそう言った。アルテと話を終えると母は義理の娘と話を始めた。


 アルテには…これが何時もの事だ。ただ1人黙々と食事をする方が良い…寂しく見えるがアルテにはそう感じなかった。

 何かを話そうとすれば兄2人に遮られ強制的に話を逸らされ終わらせられる。なら最初から短い会話で終わらせた方が嫌な気はしない。


 彼女は食事を終え先にダイニングホールを去って行ったのだった。


 △▼△▼

 数日後 クローウェルズ公爵家から、ヴィクトールからアルテ宛のドレスが届いた。


「これは…」

「えっと…」

「……」


 エナリアとエフィニアにも見てもらった…2人は少し戸惑っていた。


 ヴィクトールがアルテに送ったのは赤と黒のシックなドレス。

 悪くはないが…案の定…その胸元はガッツリ開いていた。


「し、仕立て屋を呼ぶわ。少しだけ装飾を加えてもらいましょ」

「そうですねお義母様、アルテ様、一度着てみましょう」

「そうですね…」


 わかっていた事だ、あんな殺意しか向けない男がアルテの体格にあったモノを送って来るわけ無いのは…

 こんな娯楽小説に出てくる悪女や悪役令嬢が着るような…露出が多いドレスなんて…合ってなくて当然だ。きっと周りに促されそれっぽいモノを送ったのだろう。


「(まぁデザインや装飾は悪くないのでこれ以上は言わないでおこう)」


 アルテは遠い目をしながらドレスを着たのだった。案の定…アルテの胸元は酷い有り様。

 

 これは着ない方がマシだ。エフィニアがショールやアクセサリーで何とかカバーしようとしてくれるが…平たい胴体にガッツリ開いた胸元は見るに絶えない…


 ハッキリ言って見苦しい姿だった


 …この場に男性が居なくて良かった。兄2人が見たら爆笑し仕事場に広げていただろう…


 その後、エナリアが仕立て屋を呼んでくれたので胸元は何とかなった。仕立て屋も送り主に少し幻滅したのだった。


「婚約者といえ…相手の体格を考えずに選ぶのは…」


 悪女とか黒蝶どころじゃなかった…ドレスが少し大きいのかブカブカしてた、アルテの身体が細くて平らなせいかドレスが体格に合ってなかった…


「採寸もされてない!見た目だけで選んだの!?」


 仕立て屋は絶叫しながらもアルテの体格に合ったように仕立て直し、デザイン形はそのままに良い感じにしてれた。

 …危うく彼が笑い者になる所だった…逆恨みで殺されるのだけはゴメンだ。

最後までありがとうございました。


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