Ep.25
放課後
アルテは図書室で自習をしていた。もうすぐ期末試験、多くの生徒が利用していた。
シンシアが絡んで来ることは減ったが、ライフォードと一緒にいるのを見るようになった。婚約者でもないのに堂々と抱きつき、彼はアルテを汚れた物を見るような目で見る。
しかしアルテに効果は無かった。
だって自分は無実、西倉庫で暗殺者に襲われただけで、見知らぬ生徒を誘惑し情を交わした訳じゃ無い。
何より自分を襲ってきたのは女なのでシンシアの言葉は何もかも間違ってる。
だから自分が気にする事は何もない。勝手に勘違いして盛り上がってれば良いだけ、そして静かに自滅していく…アルテが手を下す前に
そんなことを考えながらもアルテは自習に励む。今回の期末試験の結果は3学期ではなく、学年が上がった時に影響する。
また二学期の間に2年生~3年生まで学ぶ、2年かけて学ぶので本当に学びたい授業を選ぶ。
しかし、その授業の中で選べる授業内容は1つだけ。よく考えて選ぶ必要がある
選ぶ授業は1年生の時に選んだ所から4つに分かれてる。1つだけしか学べない
アルテが受けていた剣術の授業なら『騎士科』『鍛冶基礎』『剣術応用』、そして『魔法術指導』…と戦術の基礎となる剣術を軸に様々な技術等を学ぶ。
【騎士科】文字通り騎士を目指す生徒なら必ず受けるべき授業。騎士としての知識、魔物の知識や倒し方、そして騎士道について本職の騎士が講師となって指導する。
【鍛冶基礎】文字通り鍛冶の基礎を学ぶ授業。鍛冶士なら武器の仕組みを頭に入れておかなければならない。鍛冶基礎と言ってるが、この授業では剣以外の武器の仕組み、使われてる素材、そして使い方を学ぶ。実際に鍛冶をするのは3年生と言われてる。
【剣術応用】文字通り1年生の時に習った剣術を更に極めるための授業。魔物の知識や倒し方、更には遠出をし実際に低ランクの魔物の討伐も行う。剣を極められるのは大きい…
【魔法術指導】文字通り魔法術の授業だ。こちらを受けるには1年生の時に『魔法術基礎』と『剣術』の授業の2つを受けていた生徒のみが選択出来る。(アルテは受けてないので選択には無い)
上級時に学ぶ選択授業を決めるのは期末試験の後、冬休みに入る前だ。
……実はこの期末試験は選択授業を選ぶ際にも大きく影響してくる。
例えば『騎士科』だが…これまでの試験で一度も赤点を取ってないかつ、全教科の試験で80点以上の結果を出してる生徒だけが選ぶことが出来る。一言で言うと『エリートの為の授業』、これまでの試験結果で上位にいた生徒達のほとんどがこの『騎士科』を狙っていたのだ。
もしこの日まで赤点を取ってない生徒でも、この期末試験で赤点や79点を取ったら…『騎士科』を学ぶ権利を失くす。『騎士科』を学びたい生徒は命をかけて試験を受けなくてはいけない。
ちなみにアルテは80点以上取った事無いので『騎士科』を選べない。
しかし、必ずしも『騎士科』を選んだからと言って騎士になれないし、スカウトが来るとは限らない。あくまでも騎士になるための必要な知識等を学ぶ授業だ。
ある生徒は『剣術応用』を選んで卒業した後、帝国騎士団が出す試験を受けて騎士になったと言われてる。
…この説明だと選んで損だと思うが、損だけではない。普通なら学園を卒業したら帝国騎士団の試験を受けるべきだが、『騎士科』なら卒業前に試験を受けられ、卒業と同時に入団出来る仕組みになってる。
こちらも『騎士科』を選ぶ為の条件と同じで、入団試験を受けるまでに全ての試験を80点以上、赤点一切無しの生徒のみが受けられる。
これで『騎士科』を選び、最初の試験で赤点か79点を出したら一発で入団試験を受ける権利を失くす。だから『騎士科』を選んでも必ず騎士になれるとは限らないと言われてるのだ。
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今のところアルテは赤点は取ってないが点数はどれも70点は超えてる程度。しかしこの学園に通う生徒は皆レベルが高いので70点でも低く思われがち。
皇太子の婚約者候補であるキャロラインや側近のマルクスやカルヴァンは余裕で90点、満点だ。
アルテが頑張ってるのは自分の為なので周りの目など気にしていない。
もし…卒業しても生きられるのなら、これからも自分の好きなように生きたい。
戦術の基礎となる剣術を身に付け、治療薬を作れたり、古代文字や魔法陣の解読をしたりと、好きなように生きる為に役立つ知識は沢山身につけておきたい…だからアルテは勉強に励んでいるのだ。
全ては自分の為、アルテは勉強に集中した。
離れた席でヴィクトールが見ている事に気付く事は無かった。
最後までありがとうございました。
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