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Ep.23

久々にヴィクトール達の登場です。

 アルテが暗殺者に襲われた日から3日程経った、10月が終わり11月になった。

 あの日からアルテに対する目と言葉が悪化した。


「信じられないよね…」

「男遊びが過激ってホントだったんだ」

「我慢できなくて人気の無い所に男呼んだんだっけ?ヤバ…」

「修道女として、伯爵令嬢としてダメだろ…」


 学園内ではアルテが暗殺者に襲われた…ではなく、西倉庫で男と情を交わしていたと言う最低な噂で話題だった。


 ▼△▼△

 昼休み、皇族のみが使える部屋にライフォードと側近達マルクス、ガルク、カルヴァン、そしてヴィクトールがいた。


「ハハハッ!聞いたか!あの気色悪い悪女が西倉庫で男と会っていたと!やはり噂通りの悪女だったな!」

「そうですね…」

「「……」」

「……」


 歪んだ笑みを浮かべて爆笑するライフォード、マルクス、ガルク、カルヴァンはライフォードを見た後ヴィクトールを見た。

 彼らの目は…とても疲れてるようだった。

 キャロラインが違和感に気付いたように、マルクス達3人も違和感に気付いていた。


 そんな中、監視で常に側にいるはずのヴィクトールがいながらもアルテが襲われる、西倉庫の出来事が起きた。

 …実際には男ではなく女だ。周りはそれを知らず好き勝手言ってる。


「はぁ…傑作だ。しかしまぁ、近くに居たにも助けないとはな、お前もあの悪女に死んで欲しいと願っていたのか。


 ヴィクトール、予定とは違うがまさか悪女が傷物になるとはな。これでは処刑する前に婚約破棄が先だな。

 そこでお前に条件をやろう、婚約破棄するか至急証拠を集めてから処刑するか選べ」


「ライフォード様!!」

「「殿下!!」」


 マルクス達は信じられない言葉を聞き思わず叫んでしまった。

 こんな事を言う男が皇太子なんて…後の皇帝だなんて信じられなかった。


 自分達が信頼していたかつてのライフォードは何処に行ってしまったんだ……


「…だが婚約破棄したら奴を生かす事になる」

「あぁ、そこが悩みどころだ。だがお前も嫌だろ?傷物女が婚約者だなんて…まぁ継続するにしろ、破棄するにしろ、あの悪女は卒業する時に死ぬのに変わらない。卒業時に殺す作戦は継続だ。今すぐ決めろ」

「……」

「「「………」」」


 自分達は何故こんな男を支持し仕えていたのだろう…

 思い返せば、彼がシンシアと出会ってから彼も、皇帝も…そして自分達も可笑しくなっていた。

 シンシアを崇拝するよう、皇太子妃の如く扱い…アルテを険悪に扱い、勝手に毛嫌った。


 ヴィクトールから報告を聞いても、彼女が物語の、流行りの物語に出てくる悪役令嬢や悪女がやるような事は一切してなかったと何度も聞いてきた。

 また伯爵家での扱いも学園と同じようなものだったとも聞かされた…使用人に適当に扱われ、両親にすら貶すような言葉を言われていた(嘘)…


 ヴィクトールがアルテと婚約したと聞き、勝手に動いたシンシアの発言により、自分達に絡み付いていたものが取れた気がした。

 しかし彼女と親密なライフォードは解放されてはいなかった…


 周りも、自分達もアルテを悪女と見ていたが、シンシアは彼女を物語に出てくる悪役令嬢と見ており呼んだ

 それが鍵だったのかわからなかったが、彼女がそう言った瞬間シンシアへの思いが消えたのだ。



 今改めてわかるが…自分達が初めて会った頃のシンシアは…こんな少女ではなかったはず…この女は誰だ?と思うようになった。


 しかしシンシアは異世界からの転生者ではない。

 じゃあ…かつてのシンシアは何処に行き、目の前のシンシアは誰なんだ?


 マルクス達の脳内にはそう刻まれていた…。



 3人がそう思ってる間、ヴィクトールは1人考えていた。


 アルテは黒いダリア 黒蝶のような容姿、悪役令嬢な容姿をしてるだけで周りから悪女と呼ばれている。

 そう、悪い噂も評価も全て 容姿と信託による偏見に過ぎなかった。


 監視をしていてもアルテはヴィクトールを誘惑するような事もしない、誰かを虐めたり暴言を吐いたりしない、むしろ使用人に適当に扱われていた。


 この世界の小説や娯楽本に出てくる悪役令嬢は両親に溺愛されてるのがほとんど、冷遇され性格がねじ曲がった、歪んだ悪役令嬢の作品はあまり無い。人々に受けたのは溺愛されて生まれた我が儘娘な悪役令嬢だから…ほとんどが同じような令嬢達だ…。面白味も無い、王道な悪役令嬢だった…


 だから周りは、そしてヴィクトール本人も容姿だけで彼女も物語の悪役令嬢達のように溺愛されて育ったと思っていた。


 しかし現実は違った…


「さぁヴィクトール、答えろ。婚約破棄か継続か。どっちにしろ処刑するのは変わらないがな。…選べ」


「俺は…」


 ヴィクトールは歪んだ笑みを浮かべてるライフォードを見て答えた。



 マルクス達は今すぐこの部屋から出て行きたかった…こんな歪んだ、イカれた男の傍に居たくなかった。でも自分達に拒否権はない…だから逃げる事は出来ない…


 信託の黒蝶による厄災など起こる前から…人間による災いは起き、国は崩壊を始めていた…

 誰も止められない…


 後悔しても遅い…自分達は厄災を引き起こした側の人間だから…

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