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Ep.20

 キャロラインと取り巻き令嬢達はアルテに呼び掛ける。

 しかしアルテは呼吸が上手く出来ず、彼女達の呼び掛けにも答える事が出来なかった。


「(目蓋が重い…)」


 彼女の視界は徐々に暗くなっていき…そこからの記憶はほとんど無い。


 アルテがハッと目を覚ますとそこは西倉庫ではなく寮の自室だった。

 男子は女子寮には入れない、婚約者でも


 アルテはどうやって入ってきたのかわからない…ふと会話を思い出した。


 倒れそうになったアルテをキャロライン達が慌てて支えた。そのままキャロラインが2人に指示を出して彼女を支え、寮に向かうよう言っていたか。

 つまりキャロライン達が此処まで運んでくれたのだろう。


「レクイエデさんっ、鍵はありますかっ?」

「……」


 朧気な意識の中、アルテは制服のポケットから鍵を出し部屋の扉を開けた。

 そのままキャロライン達はアルテをベットに運んだ。横にさせるとアルテは意識を完全に失った。 

 起きたら部屋の扉も鍵が掛かってたので彼女達が去った後、無意識に魔法で鍵を掛けたのだろう。


「……」


 呼吸は安定し咳も出なくなった。しかし首を絞めようとした手の痕が生々しく残っている。


「っ…」


 アルテは前に作ってそのまま使わなかった治療薬を飲もうとしたが、止めて少しだけ手の平に滴し直接首に付けた。すると痕は綺麗に消えた、直接傷や痕にかけると治ると言うのは本当だったようだ。

 治療薬のほとんどは飲む事で作用する。しかし中には飲んでも治しきれないモノもある。そこで今のように治療薬を直接傷にかけるという物理的な治療が有る。痛みはあるが飲んでも治しきれない傷等はこのやり方で綺麗に治す事が出来る。


 …治療薬の作り方を学ぶ時に習った使い方を覚えておいて良かった…


「はぁ…災難だった…」


 嫌われてるのには慣れてるが、殺されそうになったのは初めてだ。それも暗殺者を雇い、本気で彼女を殺しに来た…


「(薄暗くて顔まではわからなかったけど、なんか黒い服を着てフードも被ってたような…)」


 流石に服の装飾までは見えなかった、学園の制服ではなかったのは確かだ。


 あの女子生徒が暗殺者とは思えない、彼女はアルテを呼び出す為だけに利用された。

 それに暗殺者は女性だった、殺しには慣れてるがあの時ばかりは力が入ってなかった…。


 …また仮にも暗殺者が音を立てて襲いかかるなんて失態をするか?


 あの倉庫には音を立てるモノがそれなりに多く、その音は外にまで響く。だから何か倒れたらすぐにわかる。しかしヴィクトールはすぐ近くに居たにも関わらず来なかった、あの暗殺者があんなに音を立ててたのにだ…。


 この世界には音を消す魔法や魔法具はある、それを使われていたのなら聞こえなくて当然…

 しかしあの短時間でそこまで手が回せるとは思えない…


「まさか…」


 最初から西倉庫でアルテを殺そうとしたのだ。最初から計画を企てていれば事前に準備が出来る、後はターゲットを呼ぶだけの状態に出来る。



 暗殺者にしては手慣れた動きをしていた割には力が入ってなかった。新人暗殺者って事だろう、基本の動きはなってても殺しは初めてだった可能性がある。手慣れた暗殺者ならターゲットに隙を与えることなく、音を立てる事もなく暗殺を完了させる。

 しかしアルテを襲った暗殺者は音を立てないどころが派手に音を立て、挙げ句の果てにはターゲットから反撃を食らって逃げ出した。


「…ん?ちょっと変じゃない?」


 違和感に気付いたアルテはボソッと呟いた。


 確かに暗殺者は音てたが、倉庫には音を消す何かを設置していたのだろう。

 ヴィクトールが来なかったのはそれによるものか、あるいはアルテが倒したと思ったから無視しかたのどちらかだが、仮に音が外に漏れないよう細工をしてあったのなら、当然暗殺者は知ってるから、気にせず暗殺を行う事が出来たはずだ。 

 しかしどうだ?アルテを襲った暗殺者は暗殺を完了させず逃げ出した。反撃を食らってもプロの暗殺者ならまた襲いかかり別の手段で任務を遂行させるはずなのだ。


 なのにあの暗殺者は逃げ出した。


 どうも違和感がある、音を消す何かを使ってるからバレることなく、確実に仕留める事が出来るはずなのに暗殺者は仕留めず逃げた…


「…中途半端すぎない?」


 まさにそうだ、色々中途半端なのだ。



 少し違うパターンを考えよう、もし()()()新人暗殺者を雇い、アルテを襲わせ、任務失敗になるにも関わらず逃げる…

 アルテの暗殺が目的なら任務失敗になる



 しかし…もしこれが暗殺の依頼では無く、アルテの評判を更に落とす為の…アルテを傷物にするための依頼なら… あの暗殺者の動きには納得する……


「はぁ…なんかまた面倒なのに絡まれたなぁ」


 まさかヴィクトールではない存在に殺されそうになるとは思ってなかった。

 剣術授業はもっと気を引き締めて取り組まなくては。また暗殺者が来ても対策出来るように…



 後は学園側が動いてくれるかだ。

 被害者がアルテなので動いてくれない、適当にされるかのどちらかしか思い付かない。

 …いや、動いてくれないなら動いてくれる組織、学園、メルデナ修道院を管理してるセシリア教団に頼むしか無い。


 時刻は午後7時、

 暗殺者に襲撃されたのは午後5時前(まだ明るかった)


 明日の朝一で聖堂に行き、大司教か補佐のエレタージュ、それか教徒の誰かに頼もう。学園は動いてくれないだろうから…


 私情で頼むのは申し訳ないが、今のアルテが頼れるのはセシリア教団だけだから…。

最後までありがとうございました。


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次の更新も気長にお待ちください

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