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3月1日朝
眠い眠い眠い
ドスドス 布団の中でくるまっていると隣りから一緒懸命に揺さぶってくる感覚がした。眠い〜まだ布団から出たくない〜と布団の隅っこを両方身体に惹きつけてこもってしまう。
「もう時間やで」
ちょっと怒り気味な声が聞こえてくるので仕方なしに起き上がって用意し始める。
ぐうたらな母さんと五郎は布団の中ゴロゴロして出てこない。
次郎が「朝やぞ、起きろ」と言ってトントン母さんの肩を叩く。
仕方なく眠い目を擦りながら母さんが五郎と一緒に起き上がった。
次郎が「ゔっん」と言って頷く。やっと皆んな起きたか、と言った安堵の声だった。
母さんは朝の支度を始めた。
「もー、いっつも遅いなぁー、早く起きろよ」
「母さんと一緒に起きる、起きるー」よく分からないダダを五郎がこねていいる。いつもの事だ。
母さん、母さんて、起きなさーいって毎朝、起こしてくれる人だということは何となく知っているが、この家の朝は俺つまり次郎が起こす。なんたって次男坊。兄弟の中では2番目に偉い。皆んなの面倒を見てる。