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01

 

 おやおや、かわいいお嬢様。どこから入っていらしたの。


 あら、私を探していたの。

 噂? そう、あの噂を聞いてきたのね。


 あなたはもうすぐ花嫁になるのね。

 見知らぬ相手に嫁ぐのが怖い? ええ、私もそうだったわ。

 そう、幸せになりたい。ええ、そうでしょうとも。

 

 だから、噂を確かめにきたんでしょう。

 ええ、わかるわ。

 私が“祝福の古城”を知ってるって聞いたのね。


 あんなに賑やかな夜会を抜けて、こんなに暗い離れの寝室までわざわざやってくるなんて。

 きっとそうかと思ったわ。


 ええ、そうよ。私がアンナベル・ロズウェル。

 そうね、この館の前女主人でもあるわ。

 今はもう引退。息子夫婦がうまく采配してくれているでしょう。


 さあ、どうぞおかけなさいな。

 ええ、楽にしてちょうだい。夜遅いから、おもてなしができなくてごめんなさいね。

 灯りもなくていいかしら。月明かりで十分ね。それに、あの噂の本当を知りたいんでしょう。明るいところでする話でもないわ。


 そうね。

 誰にも語らなかったわ。

 でも、なんだか今夜は話してみようかと言う気になったの。


 あなたが不思議と人間じゃないみたいだからかしら。

 そうね、私もそうかもしれない。




☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


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