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32.三人の出会い

 俺達はザズ達の身柄を魔物に見つからないように瓦礫の影に隠すと、魔物に立ち向かっていった。


「ミドナ!後ろだっ!」


「分かった!」


 ルーとタッグを組んで俺達の前に現れる魔物を一匹、また一匹と倒して行く。


 他の奴らもさっきまで見ず知らずだった奴とこの戦いで自然とお互いに協力し合い、魔物を倒していた。


「もう一匹来るぞ!」


「うんっ!」


 ったく。倒しても倒してもキリがない。一体何匹いるんだ?


「ルーさん!例の男を見つけましょう」


「だな。その方が手っ取り早いな」


 魔物を倒し終えたると、俺はルーにそう提案する。


 この根源は例のローブの男だ。アイツはさえ倒してしまえばこの戦いは終わるのではないかと思ったのだ。


 だが、舞台を見ると既に魔法陣は閉じて奴の姿は無かった。


 一体何処に行ったんだ?


 俺達は魔物を捌きつつもその男を探す。


 すると、先ほどザズを助けてくれたアリアナ達の姿を発見した。


 彼女は魔物にやられた者を回復魔法で治療している。

 そのすぐ側には例の強い男性が彼女を守りつつも、治療を邪魔しない様に魔物を追い払っていた。


「貴方達はさっきの?」


 俺はその男性の元へと向かい声をかける。


「おぅ。お前達か……」


 どうやら、俺達と別れた後何匹もの魔物と対峙したのであろう、肩で息をしている。


 すると、怪我人の治療を終えたアリアナは、軽やかなにその場を立った。


「この方の治療は終わりました。さあ、次へ……あら?貴方達は……」


「さっきはどうも!」


 さっき出会ったばかりだが、軽く挨拶を済ませる。


 それにしても、アリアナはこんな戦いの最中小さい体で、怪我人を見つけては回復魔法を施していた。普通の奴なら逃げ出してしまってもおかしくはないのに。


 俺が言うのも何だが勇敢な子だ。


「あっ!彼方にも怪我人が」


 また、怪我人を見つけたようだ。


「では、私はこれで失礼します。もし、怪我をしたら私の元まで来てください」


 俺達にそう言うと、アリアナは男性に声をかけ、また違う怪我人の元へ向かおうとする。


「!!?」


 アリアナを守る為に先頭を行こうと進み出した男性の前に一瞬影が見え、次の瞬間彼はゆっくりと崩れ落ちた。


 その姿に驚いた俺達はすぐ様駆け寄り、彼が無事かを確認する。

 彼の腹には鋭い爪で切り裂かれた様な傷があった。


「しっかりして!」


 アリアナはそう言う、とっさに回復魔法を使って傷を治療し始める。


 さっき一人で魔物を二体も倒した奴が最も簡単にやられるなんて……


 一体どいつが??


 既に逃げた後か?辺りを見回したがそれらしき奴がいない。

 すると、また一瞬何かが通り過ぎた様な影が見えた。


「ミドナ!?近くに寄れ!」


 俺とルーは怪我を負った男性を治療しているアリアナを取り囲む様に立つと、見えない敵を迎え撃つ為に剣を力強く握った。


 ……どこから来る??


 右、左、上、あらゆる襲ってくる可能性がある方向を伺う。


「うわっ!?」


 俺のすぐそばをまた影が横切り、その瞬間ついついよろけてしまう。


 そして、体勢を崩した所にまた影が現れた。


「ぐっ!?」


 運がいい事に体勢を崩し、剣をたまたま向けた所に影の主が繰り出した攻撃が当たる。


 剣は彼方へ吹き飛び、俺も攻撃の衝撃で後ろに吹っ飛んだ。


 ……だが、命は助かった。


「ミドナ!!」


 ルーの心配している声が響き渡った。


「だい……じょうぶだ!」


 俺もルーを心配させない様に彼へ言葉を投げかけた。

 危なかった。剣があの位置に無かったら、俺は死んでいた。


 ……思いっきり背中を地面に打ちつけかなり痛い。

 でも、今はそう言っている場合じゃない。


 痛む体を起き上がらせると、急いで剣を探す。


 剣は……あった!!


 剣の元へ向かい、あと少しで手に入る所だったのに。

 俺が先に手に入れる前に、誰かによって剣が拾われのだ。


 その剣を拾った奴……俺の目の前にはあの獣人がいた。


「忠告したよね?この街から出た方がいいって?」


 カルマは澄ました顔で俺を見ていた。


「おまえ!魔王の手先だったんだな?」


 俺がカルマに問い詰めると、ため息混じりで俺に話す。


「せっかく教えてあげたのに。貴方が悪いのよ?」


 彼女の両手につけた鉤爪が不気味に光りを放つ。


「ミドナーーッ!」


 俺達が話している所に、治療を終えたルー達三人が俺を助けに現れた。



 ――そしてここに今、転生した三人が集結した。



 だがその時、ミドナ、アリアナ、カルマはそれぞれが転生者だった事を知る余地もない。


 そして……転生者三人が集結した時、彼らの胸の鼓動が高鳴りだす。



 なんだ……?なんなんだ?


 胸の高鳴りはどんどんと強く、そして鼓動を打ち続ける。


 それはミドナだけでは無かった。アリアナとカルマにも同じ事が起こっていた。


「これは……?」


「何なんですかこれ……?」


「!?」


 胸の高鳴りは更に加速して行く。


 何だこの感じは?俺の体が何かに反応している。


 胸を押さえ、その場にうずくまる転生者三人。


 それを見たルー。それに、アリアナと共にいた男性はそれぞれ俺達の側へと駆け寄る。




 ……その時、声が聞こえた。




『……勇者が死亡しました。これより世界は改変を開始します』




 勇者が……死んだ?世界の改変……?一体……どう言う事だ……?


 この言葉は俺だけではなく、この場にいるもの全てに響き渡った。その出所不明な声を人間魔物関係なく、皆が耳にし静止する。


 もしかすると、この世界全てに聞こえたのかもしれない。

 この世界の声が。



 ――そして、この世界は新たな姿へと生まれ変わり始めた。


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