地下15階層
お久しぶりです。
今回は前よりは早く更新出来ました。
スマホで投稿しているのですが、毎回書いている途中で言葉の意味を検索して、うっかり消しちゃうというのをやってしまう(´;ω;`)
今回もやってもた
この間、タケルさんと別れる時に次に会う約束をしたので今日もダンジョンに来ている。
仕事以外で約束なんて初めてかも!
ん、いや、商業ギルドで昼食の約束したのは仕事じゃないよね。
ついでに納品はしたし、新商品の紹介もしたけど……。
そもそもは食事が発端だったものね。
枠的には仕事仲間との親睦的な?
タケルさんは友達枠?
ちゃんとした交友関係に慣れていないから判断がつかないな。
うん……深く考えても仕方がないか。
今日はダンジョンの地下15階にある町を見せてくれる約束だ。
ダンジョンに町があるなんて聞いたことないから興味が湧いて色々聞いたら案内してくれるって。
冒険者登録していないから本来なら行けないのだけどマスター権限で地下3階から下に降りると地下15階に入れるようにしてくれたので降りてみれば目の前に町があった。
町と言っても宿屋、道具屋、武器屋がほとんどみたい。
ここで待っていれば、すぐに来てくれるって言ってたけど……。
キョロキョロと辺りを見回せば
「お待たせ」
という声。
振り返るとタケルさんがいて、私の頭をワシャワシャと撫でた。
なかなか力強い。
もう!
少し怒ったふうに膨れてみる。
こういう時の対応って、これで良いんだよね?
物語だとこういう展開になるよね?
ちょっと自信が無いけどタケルさんが笑って謝ってきたから問題無いよね?
タケルさんに促され歩き出す。
この階層の説明をしてくれた。
この階層にあるのは宿屋と武器屋と防具屋。
道具屋と雑貨屋と食べ物屋の屋台。
それと、冒険者ギルドの支部がある。
町外れには宿屋を利用しない冒険者の為に野営ができる広場がある。
休息する場所と、ここより下層の攻略に足りない物を補充できるように作ったそうだ。
お金が無い人は冒険者ギルドに行けば買取をしてくれるそうだ。
ただし、ダンジョンで手に入る物は地上より2、3割安い。
冒険者への依頼も一応あるらしい。
基本的にはダンジョンで手に入らないタケルさんが欲しい物か、この町で必要になる調味料や道具、資材等を持ってきてくださいという内容なんだって。
こちらは逆に地上よりも2倍から3倍高く買取してるそうだ。
それでも地下15階までの手間を考えたら安い。
なので物によっては数倍で買取るそうだ。
ダンジョンマスターだからダンジョン内であれば色々なものを創造することはできるけど加工品とか嗜好品を創造するスキルは無いそうだ。
ただ、宝箱に入っているような魔導書とか防具や剣、魔法鞄みたいな加工品?は作れるそうだ。
つまり冒険に必要な物は創れるけれど、普通に生活する物は創れない。
例えば、魔法の杖は創れるけど、歩行を補助するための杖は創れない。
魔導書は創れても、娯楽小説本は創れない。
魔法鞄は創れても普通の鞄は創れない。
といった具合だ。
因みにここで働いているのは全員がタケルさんの創った人造人間だ。
冒険者ギルドは、タケルさんの書いた手紙を人造人間が届け、何度かやりとりしたのちに提携を結んでから作ったそうだ。
人造人間が外に出られるのならば、お使いを頼めば良い気がするが滞在できる時間が短いらしい。
「宿の料理の種類を増やしたい。この世界の食べ物は元の世界に比べると素朴すぎてちょっと……」
タケルさんはションボリと語った。
この世界に召喚されてから食べ物に苦労したそうだ。
お金を出せば何でも好きな物が食べられる世界からお金を出しても食べられない世界へ。
ラノベにあるようにアイディアを出せば料理人が試行錯誤して完成させて……なんてことも無く、散々苦労して完成度が中ぐらいが幾つか再現するのがやっとだったそう。
作る工程が分からない、馴染みの調味料が無い、保存技術が無い。
素材以外はゼロからスタート。
元の世界の料理事情は素晴らしいと身に染みたそうだ。
なので、この間のバーベキュー、特に焼肉のタレと焼きそばに感動したそう。
そんなわけで料理のメニューを考えて、作り方を教えて欲しいそうだ。
「一気には無理だし、どの程度料理出来るの?」
料理するのは人造人間だ。
そのレベルに合わせないと失敗する。
それに台所の設備にもよる。
「料理自体ができない俺が分からないから、見てもらって良いか?」
そんなわけでこの町で1番大きな宿屋に来た。
ここの5階はタケルさんの住居になっているそうだ。
初歩の材料を切るのは問題無い。
調味料は塩、胡椒、砂糖、唐辛子、山葵。
子供だから山葵なんて考えなかった。
気が向いたら庭で作ろう。
醤油、味噌、酒等は加工品なので無い。
地上から冒険者が売りに来れば酒はあるらしい。
醤油、味醂、日本酒、サラダ油を無限収納から出すと喜ばれた。
味噌は持ってきて無いので次の時に。
ビールも欲しいと言うので液体魔法で出してあげた。
タケルさんは、それをコップに入れてからキンキンに冷やして一気に飲み干した。
嬉しそう。
宿の裏側の作業スペースを借りて無限収納の中にある木材を出した。
それを加工して樽をいくつか作ると、中にビールと酒を満たした。
それをあげたらすごく喜んだ。
定期的に仕入れしたいとのことだけどお金は別にいらないと言ったら、ダンジョン産の食材を定期的にくれることになった。
作物は要らないのでキノコと魚介類、それに魔物肉と木の魔物からとれる木材だ。
トレントは生息する場所で性質が異なる。
ダンジョンや瘴気のある場所に住むモノは木の魔物。
聖域に住むモノは聖樹と呼ばれ、年月を経ると世界樹になると言われている。
お互い売ればお金になるけどスキルで無料で手に入る物の交換だから問題無い。
お金を出して買うものは手数料上乗せで後払いとすることにした。
親しき仲にも礼儀ありである。
メニューは客層的に酒のツマミ系が良いのかと思ったけどお酒は出していないそう。
私があげた酒やビールを出せば? と聞いたら
「1日しか持たないだろうし、俺の分が無くなる!」
とのことだ。
タケルさんは酒好きのようだ。
冒険者だし、ガッツリ系よね。
今現在のメニューは焼いた魔物肉と焼いた魚介と野菜炒め。
あとは野菜スープか魚介スープ。
味付けは塩胡椒のみ。
それと平たいパンだ。
質素だけど携帯食の干し肉よりはマシなので利用する人は多いのだとか。
急に複雑な料理よりもシンプルな方が良いかな。
肉を挟んだサンドイッチとかどうだろう?
まずはパンを焼きをマスターしてもらえば、そこからハンバーガーとかホットドックとかピザに派生出来る。
トンカツをマスターしてもらえばカツサンドも出来る。
あとはカレーを提案した。
香辛料は作物エリアで作れる筈だ。
乾燥のいるものは魔法で何とかなるし、配合は教えれば良いだけ。
米もあるし、普通のパンが作れるようになればナンもできる。
スープカレーでも良いし、カレーで味付けた肉を焼いても良いし 。
まずは作り方に沿って作ってもらった。
人造人間のせいなのか下手なアレンジをしようとせず忠実に作り方通りの作業をこなす。
出来上がりはマズマズだ。
タケルさんはパンだけを焼く建物を作って新しい人造人間を何人か作って作業にあてるつもりらしい。
食パンの後は色々なパンを作れるようにしたいらしい。
半分以上、自分で食べたいからという理由だと思うけど。
因みにタケルさんには召喚時に取得したユニークスキルで建物を創れるそうだ。
最初は小屋だったけど、今は本気を出せば貴族の家っぽい物も創れるそうだ。
ただ、中の設備は創れないので冒険者に手に入れてもらったギルド発行の作り方を参照して人造人間が作っているそうだ。
人造人間達の半分は100年以上生きているので職人並の腕があるんだって。
パン用の型は幾つかプレゼントした。
「俺は今日は酒盛り!」
タケルさんは飲む気満々だったので酒の肴になりそうな物をいくつか渡したら涙ぐんで喜んでくれた。
帰ったらもう少し樽を作ってお酒を用意しておこうかな。
あとは調味料とサンドイッチに挟めるガッツリ系具材の調理法をメモだね。
焼いただけの肉でも美味しいけど、ガッツリ系サンドと言えばカツサンドだよね。
あとは鳥の照り焼きサンドとか。
コロッケを挟んでも美味しいよね。
ちょこちょこ来ないといけないし、ラノベにあるみたいに本拠地とここを繋ぐっていうのできないかな?
タケルさんに相談したら
「住居スペースに空き部屋があるから試してみたらいい」と言ってくれた。
元々は風呂場を作る予定だったけど宿の風呂があるので作らなかったそう。
5階に上がると前世のようなマンションの玄関という感じになっていた。
玄関があって靴を脱ぐようになっていたけど、靴を脱がない習慣が着いているので、そのまま出入りしているらしい。
そのままで良いと言うので履いたまま入った。
中に入るとダイニングになっていた。
机とソファーがあって観葉植物が隅に置いてある。
本棚や小さな絵が飾ってある。
照明は天井に平たくて丸い、見慣れた電灯の形をしている。
大きな窓があって薄い緑のカーテンがついている。
窓の外は少し広めのベランダでウッドデッキになっている。
簡易の机と椅子が置いてある。
木製の柵で目隠しされていて大人が背伸びしないと外側が見えない。
右にある扉は寝室(寝なくても平気らしい)で左側の扉が空き室。
試しに開けてみると内装のされていないガランとした無機質な部屋だった。
扉を閉めて私の家とこことが繋がるイメージをする。
しばらくするとゴッソリと魔力が抜けた気がしたけど、魔力無限大の私には問題無い。
再び開けると我が家の風呂場だった。
風呂場予定って聞いたせいかな?
問題無く扉を抜け出た。
振り向くと某ロボットが出す魔法の扉のような感じだ。
うっかり開けてお風呂に入っている人がいて「キャー」とかいうシチュエーションを思い出す。
脳内で笑ってから、タケルさんに手招きする。
「俺はダンジョンから出られないから無理だと思う」
私の特別な聖域? なのでダンジョンと似てると思うんだよね。
物は試し。
タケルさんの手を取り促すと問題無く通れた。
タケルさんが驚いた顔のまま暫くフリーズしていた。
「私の家も外に繋がっていないから、外に出られたというのとは違うかもしれないけど」
それでもダンジョンの外であることに変わりはないと喜んでいた。
一緒に庭に出た所でクオンが寄ってきて私の足元をスリスリしたあと、タケルさんにもスリスリ。
もう、夕方になっていたのでエリー達は寝床で寝ているようだ。
皆のことは後日紹介するとしよう。
発光の木が光り始めて、タケルさんはしばらくそれを眺めていた。
あ、忘れないうちに味噌を渡しておこう!
タケルさんは次の約束をして帰って行った。
帰ったら、さっそく酒盛りなのだろう。
もうしばらくはタケルさんとの話になりそうです。
今回もセリフが、ほぼ無いわぁー
良かったら次回もお付き合い下さい。




