エイル祭
お久しぶりです。
あと2ヶ月ちょっとで今年が終わるのですね(´TωT`)
今回は、今回も? 台詞が無いです。( ̄▽ ̄;)
9月、領主様から相談の手紙をもらった。
内容は来月にある【エイル祭】に因んで10月限定のクッキーを考えて欲しいというもの。
【エイル祭】は10月の28日に行われる祭りで、この世界の女神であるエイル様に一年の無病息災を祈る日なのだとか。
エイル様は薬に関する神様で健康の神様とも言われている。
この日に必ず食べるのがカボチャでそれを使ったクッキーを考えてほしいそうだ。
健康を願ってカボチャを食べるなんて日本の冬至みたいだけど、10月と言えばハロウィンだ。
もともとはアイルランドに住んでいたケルト人が行っていた祭りが発祥らしいが、各国に伝わる内に色々と様変わりして定着して主旨としての意味合いは国によって違っていたと思う。
本来は日本のお盆のようなもので、あの世から霊魂が戻って来る日。
良い霊魂だけが戻って来るわけではなく、悪しき魂や悪い精霊や魔女もやってくる日でもあり、悪しきものに悪戯をされないようにお菓子を振舞って帰ってもらうのだったかな?
目を付けられないように悪しき者と似た仮装をしてやり過ごすというのもあり、そこから仮装した子供達が家々を回ってお菓子を貰う風習ができたのだったかな?
日本では人外に仮装して騒ぐ日程度だったと思う。
日本では別にお盆があるものね。
【エイル祭】でも仮装する風習があるそうだけど、何故そうなったのかは伝わっていないらしい。
この領の初代様か他の召喚者や転生者が広めた可能性が高いわね。
くり抜いたカボチャのランタンである【ジャック・オ・ランタン】を作る風習もあるそうだから間違いないと思う。
前世の世界では食べるのに適していない観賞用のカボチャが使われていたけど、この世界では普通に食べられるカボチャが使われている。
くり抜いたカボチャは料理に使われ、祭りが終わるとランタンを集めて肥料に加工して農村地に送られるそうだ。
料理して食べる人もいるみたいだけど。
お菓子はほぼ無い世界なのでお菓子を配る風習は無く、何故か仮装して踊るという風習があるのだとか。
盆踊り的なものなのかな?
盆踊りは確かお盆で戻ってきた先祖の【魂鎮】の為に行われるようになったものだったわよね?
何だかチグハグというか混ぜこぜな祭りよね。
販売までの期間が1ヶ月ないし、この世界のカボチャを使った方が良いわよね。
もともと人に任せて作る予定なんて無かったから何も考えずにジャムやクッキーを作ったから味の調整に時間がかかったらしい。
ジャムは果物の甘さ具合とか味に差があったからその調整が、クッキーは小麦粉に薄力粉とか中力粉とか強力粉っていう概念が無かったから小麦粉を色々試したらしい。
街の八百屋に行って買ったのは、店番の女性の手の平ぐらいの大きさのカボチャ。
これを選んだのは鑑定で視て糖度が高くて美味しいと出たから。
祭りの為なのかカボチャだけを販売している店で10種類ぐらい置いてあった。
馴染みのある形と硬さ。
色はサツマイモみたいな色。
サツマイモと言えば石焼き芋?
という連想で小さな小石を入れた鍋に入れて石焼きにした。
半分に割って中を見たら焼き芋のような色合い。
味はカボチャとサツマイモの中間ぐらいの味でホクホクとして美味しい。
これでケーキとかモンブランとかスィートポテトを作っても美味しそう!
クッキーのあとは自分用に色々と作ろうと思う。
料理に使うなら何が良いかな?
カボチャをくり抜いてグラタンにしたら丸ごと食べれちゃうよね。
ポタージュスープなんてのも良いね!
【神の図書館】で検索して色々と作ろう。
これだけ美味しいなら種を採って庭で育てるのも良いな。
仮装用の衣装も作って一人ハロウィンね。
石焼きカボチャをペースト状にしてからバターと混ぜて小麦粉を振るう。
カボチャが甘いから砂糖は無し。
焼き上がりを味見してみれば、砂糖が無くても十分に甘くて美味しい。
砂糖が無くても他の物で甘さを足せばお菓子が色々と作れると思うのだけど、誰もそんなこと考えなかったのかな?
料理のできる召喚者や転生者もいたと思うのだけど。
お菓子=砂糖という固定観念があったのかな?
とりあえずクッキーはこれでOK。
カボチャの量を調整すれば甘さの調節ができるから、その辺は領主の様の方で調整してもらおう。
クッキーの作り方と、石焼きの調理法が知られていないかもしれないので、その作り方も合わせて転送用の封筒に入れる。
別の紙袋に入れたクッキーと手紙も同封する。
カボチャの種類も忘れずに手紙に書き加えておいた。
数日後に届いた手紙にはクッキーが大絶賛されていた。
石焼きカボチャも大絶賛で【エイル祭】の日に屋台を臨時で出すことに決め、大慌てでカボチャの追加発注をしたそうだ。
行列になる事を期待して屋台近くの家を借入れて大量に作る予定だとも書いてあった。
決めかねている人がいるようなら、ほんの少し味見してもらうと良いよと助言しておいた。
石焼き製法もギルドでレシピ販売するかと聞かれたのでお願いした。
クッキーを送ったあとの私は張り切ってお菓子と料理を作った。
大量に作ったそれらを女神様と月詠様に送る。
今回の女神様の食事会?にはエイル様も加わったそうで後日薬の作り方辞典をくれた。
物凄く分厚いので【神の図書館】にインストールしておいた。
月詠様からは仮装用の衣装を作る材料を頂いた。
黒やカボチャ色が多かったけど。
中でも1番嬉しかったのは縫いぐるみ生地。
クオンの毛並みに似た黒の生地があったので、それで猫の尻尾と猫耳の付いた魔女帽子、魔女の服を作った。
クオンにはドラキュラマントとシルクハットを作った。
スライム達はツルツルして何かを身につけるのは無理そう。
他の子達は何かを着けるのは嫌がるというのもあるけど、日が暮れたらすぐに寝ちゃうから作らなかった。
【エイル祭】の日。
テラスのテーブルにお菓子や料理を並べる。
私は幾つかを少量食べるだけでお腹いが一杯になったけど、クオンはモリモリと食べた。
神様達と同じくクオンの胃袋も制限が無いようだ。
私が大人になってもあんなに食べられないから、ちょっと羨ましい。
スライム達は食べると言うよりは溶かして吸収?消滅?させている。
食事の後は庭のあちこちにジャック・オ・ランタンを置いて明かりを灯す。
発光の木の光に負けているので布で覆う。
うん、なかなか幻想的。
クオンとラクレアとリュミーエルと適当に踊る。
音楽が無いというのもあるけど踊りを知らないから仕方がないよね。
1人夏祭りの時よりは楽しい。
やはり誰かがいる方が楽しいのかな?
まあ、クオン達は人じゃないけど。
寝る前に今日のハロウィンの様子を念写して飾った。
これから思い出の念写が増えていくと良いな。
後日聞いた話だと用意したクッキーも石焼きカボチャも全て完売したそうだ。
因みに9月半ばで学校へ戻ったエミールさんは販売の為に作り置いていたカボチャクッキーを大量に持ち帰ろうとして領主様に怒られたそうだ。
最初の方に書きましたが、この世界は1ヶ月が28日なので31日がありません。
ハロウィンがお盆のような日と考えた後だったこともありますが、リィーンは前世でテレビや映画をほとんど見たことが無いので、ダンスではなく踊りという表現で真っ先に思い浮かんだのが実際に見た事のある盆踊りという流れになっております。m(*_ _)m




